暮らしの占星術思考

占星術文筆家/編集者。鎌倉出身。早稲田大学第一文学部卒業。2000年代初頭、女性誌編集…

暮らしの占星術思考

占星術文筆家/編集者。鎌倉出身。早稲田大学第一文学部卒業。2000年代初頭、女性誌編集者時代に東洋占星術に出会う。24年春、計4年間の全研究課程を修了。池坊初伝。花と色石好き。数千年の歴史をもつ膨大な占技を習得して気付いた新たな暮らしの視点、幸せに生きるヒントを私の言葉で綴ります

マガジン

  • 誕生石と占星術

    美しい色石は、古来から幸せを願う人々の心と絶えず共にあり、身につける人が切望する運を授けてくれるものとして信じられてきました。自身の生まれ日に関わらず、色とりどりの輝きで幸運を引き寄せたい、毎月の誕生石と占星術の物語。

  • 北欧インテリアと私

    北欧家具や照明にアジアの骨董や和の生け花をミックスしながら出来上がった我が家のインテリア。今も更新しながら育てています。毎日の暮らしを育む家こそ、自分らしく生きる=宿命に合った生き方を歩むための人生の聖地。そんなサンクチュアリ作りを楽しむ暮らしのインテリアエッセイ。

  • 思い出カマクラ

    約30年暮らし、現在も拠点を構える故郷 鎌倉の"今"と"昔"を自由に行き来しながら、味や店、散歩道などを案内する街エッセイ。生まれ育った&占星術目線で、思い出と共に街を綴ります。山族です。

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自己紹介✨note始めました

初めまして。私はライターを本業としながら、東洋占星術にまつわるエッセイを執筆し始めたばかりの駆け出しの文筆家です。過去には20年以上にわたり、出版社の女性誌メディア編集者&フリーランスのライターとして働いてきました。 東洋占星術との最初の出会いは、2000年代初頭に編集担当として女性誌メディアで占いのページを担当したことでした。仕事として占星術に向き合うと、編集者の性なのでしょうか?鑑定結果について、その根拠をいちいち知りたくなります。そこで仕事とは別に様々な先生に個人でセ

    • 【4月の誕生石】その買い物の先に夢はあるか?とハリー ウィンストン

      買い物をするときはいつも、「その先に自分の夢はあるか?」と考えるようになった。たとえばインテリア。北欧デザイン好きで、雑誌やSNSで素敵な部屋を見るたびに気になるものは無限にあれど、かつての自分のように飛びつくのではなくて、先に叶えたい夢を心に確かめる。 するとパッと見では惹かれたけれど、じっくり考えたら「自分の夢」の先に欲しかったはずのモノが存在しない、あるいは存在しなくても成り立つようなモノであることに気づく。8割方がそうだろうか。北欧デザインの名作は、私にとってはひと

      • 【3月の誕生石】幸せな結婚とサザンオールスターズとアクアマリン

        「幸せな結婚」とは、恋する二人だけが願える特別な言葉だと勝手に思い込んできた。しかし今、自分の心を素直に照らしてみれば、結婚してから時が過ぎた自分もまた、若い二人と同じようにこの言葉に込められた意味を変わらずに願い続けていることに気付く。家族の健康、家庭で過ごす時間の充実、子供の頑張りと伸びやかな成長。家族と共に長い時間をかけて叶えるこれらの願いもまた、「結婚」の言葉の中に深く秘められていたことを、浅はかながらもアラフィフになり初めて理解したのだった。 このフレーズは3月の

        • 運が良い人はどんな人?

          日付の変わらぬうちにと気忙しくかけた電話の受話器越しに聞こえる声は、まるで濃厚なクリームで磨いたヴァイオリンの木肌のように艶やかで光る声をしていた。目を瞑り、記憶を消してしまえば、その声は40代前後、働き盛りの男性の声のようにも聞こえる。声の主はその日91歳の誕生日を迎えた私の伯父である。身近な人物の中で「運が良い人」を思う時、私は真っ先にこの伯父のことが思い浮かぶ。 節目を迎える誕生年に伯父は必ず自分で宴を催してきた。会が開かれる行きつけのホテルの一室に駆けつけるのは、私

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        • 誕生石と占星術
          5本
        • 北欧インテリアと私
          3本
        • 思い出カマクラ
          1本

        記事

          手放せない服は"私自身"を語るもの

          古来から東洋に伝わる干支暦の日運に「庚(かのえ)」が巡る日は、片付けに適した日だと感じている。 「庚」とは東洋占星術の土台となる五行思想の中の金性に配当されている干(かん)のひとつで、陰陽では陽の金性に当たる。この世のものに例えるなら刃物、鉱石などに該当し、この干の役割は、伸びすぎた枝葉を伐採する刃物のように物事を美しく整えたり、然るべきものを取捨選別することにある。ただしその際に大切なのは「正しい心を以って」整えることで、制御の効かなくなった暴走する刃物のようになってはな

          手放せない服は"私自身"を語るもの

          【2月の誕生石】アメシストと大人の品格

          大人の品格と肩書きが関連のないことを教えてくれたのは、通っていたミッション系の小学校で出会ったシスター(修道女)の先生の後ろ姿だった。 夏休みを迎える前の終業式でのことだったと思う。校長先生から突然 「シスターは今日で学校を辞めて、シエラレオーネに行きます」 と発表があった。 その国がどうやらアフリカの方にあり、シスターが自ら志願してそこに暮らす子供たちを助けに向かうことは理解した。たくさんの生徒から「先生」と呼ばれて慕われていたシスターが、夏から肩書きを捨てて世界の

          【2月の誕生石】アメシストと大人の品格

          心に残る私のごはん

          人生で心に残るごはんと言えば、小学3年生の時に家族みんなで夕餐に食べた母のシソかつだ。薄切り豚肉2枚の間に1枚のシソを挟み、あとはトンカツと同じ要領で衣をつける。普通のトンカツより、少しさっぱりとした味わいの揚げ物である。 その日は夏休みだった。日中は家族5人と父方の祖父というメンバーで、丹沢までドライブに出かけていた。見た目が布袋様にそっくりで、いつも黒目が見えないほど和かな笑顔を浮かべていた祖父は、その数年前に脳出血で倒れて以来、杖なしでは歩行が困難になっていた。丹沢で

          心に残る私のごはん

          茶色で財運パワーハウスを作る5つのTIPS

          東洋占星術において財運をもたらすのは土性。 それが表すのは山や大地。色は黄色。 その元は世の中のすべてのものは 「木・火・土・金・水」の五つに分けられる という五行説から導き出されている。 五行説では色も「青・赤・黄・白・黒」の 五色に分けられる。 土性も黄色も、五行の真ん中にある エレメント・色である。 2月に入り暦の上では旧正月を迎え、そろそろお財布の買い替えを検討してもいいのかもしれないと思い始めた。 お財布の買い替えに関しては、昔から縁起が担がれることが多い。私も

          茶色で財運パワーハウスを作る5つのTIPS

          鎌倉の山族と海族を繋ぐもの

          普段よく聴いている音声配信「VOICY」でチャンネル検索を眺めていたら、かつて西荻窪で食堂を開いていた料理家のくしまけんじさんの番組に出会った。チャンネルのプロフィール欄には「鎌倉の山の家からお届けします」と記載がある。聴けばちょうどコロナ禍に見舞われた2020年に西荻窪のお店を閉めて鎌倉に移り住み、現在は料理教室を開かれるなどして鎌倉で活動されているという。 くしまさんが営んでいた西荻窪の食堂には、オープンしたての頃に噂を聞きつけて一度だけ伺ったことがあった。内装を手がけ

          鎌倉の山族と海族を繋ぐもの

          【1月の誕生石】子育ての"報い"とガーネット

          真紅に煌めく、美しい色石の指輪を身に着けている女性に出会った。 聞けばその石は、「ガーネット」だという。枯れた紅葉のように落ち着いた色合いの石は少し古めかしくて、私が子供時代によく聖堂で見ていたステンドグラスの色を思い起こさせた。ガーネットと古っぽさを勝手にセットにしてきた私にとって、年齢もずっと若く流行にも敏感で、アクティブに働くその女性がガーネットを着けている姿は、新鮮に映ったのだ。 石の中でもガーネットは「実りの象徴」と言われ、努力に報いをもたらす石として信じられてい

          【1月の誕生石】子育ての"報い"とガーネット

          "古いもの好き"な私の生き残り方

          今年は「読書の年」にしようと決めている。 理由は単純で、昨年末に自分へのご褒美として長年恋焦がれていた読書灯をついに手に入れたから。北欧・デンマークの老舗照明メーカー、ルイスポールセンのphフロアスタンド。スタンドの色は真鍮・ブラック・クロームの3色の中から、少し古めかしいクラシックな佇まいに惹かれて真鍮を選んだ。一人で本に読み耽るためのリーディングチェアとしてすでに購入していた椅子に合わせ、"宅読"のお供として愛用している。 読書灯選びに限らず、思えば昔から新しいモノより

          "古いもの好き"な私の生き残り方

          白いモノで仕事運を養う

          気がつけば「白いモノ」が好きだ。 昨年、一目惚れして手に入れたジュエリーも「ハウライト」というマットな白い石が大ぶりにあしらわれたリングだった。石の世界でハウライトは「浄化作用をもつ」と言われる天然石で、その力は数ある石の中でも大変強く、心の濁りを漂白してくれるパワーストーンとして信じられている。 特に怒りを鎮めたい時に身に着けると良いそうで、このリングを買った時には「何か怒っていることがありますか?」と聞かれたほどだ。在宅ワーカーで仕事相手もよく知る馴染みの方々が大半、有

          白いモノで仕事運を養う

          大人の学びと"自分のミッション”を知るサイン

          心がドスンと突き動かされる瞬間は、思いもかけない形でやってくる。まるでテーブルに積み上げていた本が、バランスを崩して一気にドサっと崩れ落ちる瞬間のように。最近の私が経験したその瞬間は、打ち合わせで仕事仲間に会い、別れ際に呟かれたひと言を聞いた時に訪れた。 「私も色々と悩みがあって」 打ち合わせテーブルの上に乗せていた私の手も、彼女から見えるであろう私の上半身もおそらく1ミリも動いてはいなかっただろう。でも心の中はまるで雪山で雪崩が起きたかのように、一気に崩れ落ちていた。そ

          大人の学びと"自分のミッション”を知るサイン

          noteを書き続けられる"気配"の力〜料理と占星術の視点から〜

          「自分でできることは、自分で」「自分から気づいて」。小さい頃から口酸っぱく息子にかけてきたフレーズだけれど、いざ自分に置き換えて振り返れば、全くもってできていないことに愕然とする。 たとえば料理。毎日繰り返し作っている食事でさえ、敬愛する先生方の料理本なしでは心許ない。でも躾は中々身につかない息子でも、好きなことは何でも自分でやりたがるように、私も好きな料理については食材を選び、その日の献立を考え、レシピを見ずに作りたいというささやかな願望を持っていて、とある週末の昼に早速

          noteを書き続けられる"気配"の力〜料理と占星術の視点から〜

          「Japandi」という私の新しい暮らし方

          自宅のキッチンとリビングのリノベーションを思い立った2020年、準備のために最初に手をつけたのが、インスタグラムでの情報収集だった。#interior #roomdecor #kitchen など引っかかりそうなそうな#タグをつけて検索してみる。すると10年ぐらい前はわざわざ雑誌や書籍を買い求めなければ収集できなかったような、海外のおしゃれなキッチンや家のビジュアルが次々と出てきた。 『ELLE DECOR』をはじめ海外インテリア雑誌の各国アカウントも参考になった。そこから

          「Japandi」という私の新しい暮らし方

          どこに暮らしても、そこは聖地だと思えばいい

          「人それぞれ好みも置かれた環境も全く違うのだから、人と比べることに意味はない」とわかり切っているはずのアラフィフになった今でも、人の話を聞いて心がざわつくことがある。万年ポッチャリ体型で冴えない容姿に、パッとしない仕事の出来を日々憂いていた20代と比べたら、その回数は激減しているけれど、それでも歳なりの心のさざ波というのは、不可抗力で起きるものだ。情けないことに。 振り返れば、私にとって近年「心がざわつく」瞬間が訪れるのは、ママ友から旅の話を聞く時が多かった。南仏に行くとか

          どこに暮らしても、そこは聖地だと思えばいい