奥村伸樹|指揮者

指揮者&オーケストラプロデューサー。クラシックから、ポップス、映画音楽はじめ、…

奥村伸樹|指揮者

指揮者&オーケストラプロデューサー。クラシックから、ポップス、映画音楽はじめ、様々なジャンルのオーケストラを独自のスタイルで活動を展開する。また、クラシックの音楽を中心に「演奏法」ついて研究している。 https://www.okumuranobuki.com/

最近の記事

#008 極意、強弱記号の音量は3段階で作れ!

今回のテーマは、「強弱記号」について「奥村式演奏法」オリジナルのアプローチです。 一般的な「強弱記号」の概論の解説ではありません。 しかし、これを知っていれば、演奏に抜群の威力と効果を発揮しますので、ぜひ参考にしてみてください。 【pp,p,mp,mf,f,ff この強弱記号の音量についてどのように考えるのか?】作曲家によっては、ppp、pppp、ppppp … や、fff、ffff、fffff … など、いくつもpやfを重ねて指示される場合もありますが、今回はまず使用頻度

    • #007 クレッシェンドの演奏法

      はじめに 以下に記す奏法はあくまで私の基本的な考え方であり、すべてにおいてその奏法が正しいわけではありません。 なぜならば作曲者の記号に対する解釈の仕方、また、その国や地域、時代、音楽家の解釈等により奏法が変わるからです。 【クレッシェンド 】Crescendo クレッシェンド クレッシェンドは「だんだん強く」という意味の音楽用語です。 「だんだん強く」すれば良いだけなのに追求するとやはり奥が深いクレッシェンド。 これを知っているのと知らないのでは大違い。 今回は演奏上

      • #006 テヌートの奏法

        はじめに 以下に記す奏法はあくまで私の思う基本的な考え方であり、すべてにおいてその奏法が正しいわけではありません。 なぜならば作曲者の記号に対する解釈の仕方、また、その国や地域、時代、音楽家の解釈等により奏法が変わるからです。 【テヌート】tenuto テヌート(イタリア語) テヌートは「音の長さを十分に保って」という音楽用語です。 言葉の意味はとてもシンプルで簡単ですが、具体的にはどのように演奏したら良いか理論立てて説明していきたいと思います。 そしてもう一つ、「テヌ

        • Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.2公開のお知らせ

          【第一話】Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.2「パッヘルベルのカノンを語る。」 【第二話】Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.2「ベートーヴェンの功績に迫る。」 前回に引き続き、Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.2 が11月16日14時に公開されます。 今回は、「パッヘル

        #008 極意、強弱記号の音量は3段階で作れ!

          Music Elements Votre Etude Supported by YAMAHA Vol.1公開のお知らせ

          【第一話】Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.1「イギリスにクラシックの作曲家がいない!?」 【第二話】Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.1「15分で元気になれる魔法の曲!?」 【第三話】Music Elements Votre Etude Supported by Yamaha Vol.1「交響曲はパーティー音楽!?」 【第四話】Mus

          Music Elements Votre Etude Supported by YAMAHA Vol.1公開のお知らせ

          #005 スタッカートの奏法

          はじめに 以下に記す奏法はあくまで私の基本的な考え方であり、すべてにおいてその奏法が正しいわけではありません。 なぜならば作曲者の記号に対する解釈の仕方、また、その国や地域、時代、音楽家の解釈等により奏法が変わるからです。 【スタッカート】staccato スタッカート(イタリア語) スタッカートは「短く切って」という音楽用語です。 どの程度に短く演奏するのかというと、おおよそ音価の1/2の長さで演奏すると楽典等では説明をされていたりしますが、原則的には音と音の間が切れて

          ¥250

          #005 スタッカートの奏法

          ¥250

          英国音楽史に見るコロナウイルスと芸術の向き合い方

          4月15日に「こんな時こそたくさん考えることに時間を使おう。」という記事を投稿しましたが、今日はこのような状況の中、どのようにして音楽に、芸術に向き合って行ったら良いか僕なりにまとめてみました。 2月24日に行われたコンサートの2日後に政府よりイベントの自粛要請があり、よもや、そのコンサート以降演奏が出来なくなるなどと、その時はまったく想像もしませんでした。 それまで当たり前のように演奏していたのが嘘のように、それから一度も指揮棒を握ることなく、早3ヶ月が過ぎてしまいました

          英国音楽史に見るコロナウイルスと芸術の向き合い方

          創世記を知ると急にわかりやすくなる「第九」の歌詞(後編)

          【歌詞のあらすじと前編のおさらい】旧約聖書「創世記」によると、神はアダムを創造した後、実のなる植物を創造された。 アダムはエデンの園に置かれるが、そこにはあらゆる木があり、その中央には「いのちの木」と「知恵の木」と呼ばれる2本の木があった。 神はアダムに知恵の木の実だけは食べてはならないと命令した。 後にエバが創造される。 蛇がエバに近づき知恵の木の実を食べるようにそそのかし、エバは食べてしまう。そしてアダムにも食べるように勧めた。 神はアダムとエバが禁じられていた知恵

          ¥500

          創世記を知ると急にわかりやすくなる「第九」の歌詞(後編)

          ¥500

          創世記を知ると急にわかりやすくなる「第九」の歌詞(前編)

          今日は2020年5月20日。世の中はコロナウイルスが猛威を振るい、人たちが集まって演奏することも難しい時を過ごしています。 指揮者として活動する自分も現時点で10月までの公演は全て延期、もしくは中止に追い込まれてしまいました。7月と9月に予定されていた第九公演も残念ながらキャンセルに。 しかし、時間がある今だからできることをしようと思い、今まで研究してきたこと、考えてきたことをまとめてみようと思ったのがこのnoteを始めるきっかけでした。 今日は、「ベートーベンの第九」につい

          ¥500

          創世記を知ると急にわかりやすくなる「第九」の歌詞(前編)

          ¥500

          #004 アクセントの奏法

          はじめに 以下に記す奏法はあくまで私の基本的な考え方であり、すべてにおいてその奏法が正しいわけではありません。 なぜならば作曲者の記号に対する解釈の仕方、また、その国や地域、時代、音楽家の解釈等により奏法が変わるからです。 【アクセント】accent アクツェント(ドイツ語)、アクサン(フランス語)、アクセント(英語)/accento アクセント(イタリア語) アクセントは「強調」という意味を持つ単語です。 音楽でのアクセントは、「その音を強く」、「その音を強調して」、と

          #004 アクセントの奏法

          #003 楽譜の構成と様々な記号の種類

          前回は「楽譜を読むこと」という内容で、楽譜から演奏するまでのステップを説明しました。 今回はその「楽譜」が、どのように構成されているのか? 楽譜の仕組みと、楽譜を構成する「記号」についての説明です。 【楽譜の基本的な構成】一般的に五線に書いてある楽譜の書き方を「五線記譜法」と呼びます。 そして、その五線の上に様々な「記号」を置いていくことによって曲を楽譜にしていきます。 役割としては、「音部記号」や「拍子記号」、「小節線」、「音符」、「休符」、「調合」、「臨時記号」、「

          #003 楽譜の構成と様々な記号の種類

          こんな時こそたくさん考えることに時間を使おう。

          先日、英国音楽史について調べ物をしていた時、ふと昔の人々はどのように今日のような困難を乗り越えてきたのかと思い歴史に学ぼうと検索したら、1665年のロンドンでの「ペストの流行」について興味深い記述が出てきた。 およそ7万人が亡くなり、ロンドンでは人が多く集まる大学が閉鎖され、学生は疎開させられたとのこと。 なお、当時ケンブリッジ大学で学位を得たばかりのアイザック・ニュートンも故郷に疎開することになり、それまで大学で小間使い的な仕事をして生活費を稼いでいた彼は、疎開により雑事

          こんな時こそたくさん考えることに時間を使おう。

          #002 楽譜を読むということ

          「楽譜」を見て演奏するとき、いったいどのように楽譜にアプローチするのでしょう? 今回のテーマは「楽譜を読むということ」について。 「楽譜」は読んでいくと、なかなか奥の深いものなのです。 「楽譜を読むということ」を大きく3つのステップに分けて説明します。 【その1 楽譜の見方】まず初めに「楽譜の見方」です。 正確には楽譜に書いてある「記号」の見方と言うべきでしょうか。 楽譜に書いてある記号をいかに解釈し、意味を理解して演奏できるかで、表現のバリエーションが格段に幅広くなるので

          #002 楽譜を読むということ

          #001 フレーズってなに?

          演奏するときにまず一番初めに知っておきたいのが「フレーズ」です。 実は楽譜に書いてあるアクセントやテヌートなどのアーティキュレーション記号は、この「フレーズの表現」がある前提で成り立っていて、フレーズの中にあって絶大な効果を発揮するものなのです。 ところが、学校の授業ではなかなか教えてもらえないのがこの「フレーズ」という言葉。 フレーズ(phrase)とは英単語で「区」、「言い回し」という意味ですが、音楽においてフレーズとはいったいどのようなものなのでしょう? 【フレーズを

          ¥250

          #001 フレーズってなに?

          ¥250

          はじめまして、指揮者の奥村伸樹です。

          【ご挨拶】指揮者の奥村伸樹です。 これまで、ホームページやSNSではコンサートの情報など、指揮者としての活動について発信してきましたが、音楽の専門的な話題について触れていこうと思いnoteを始めてみました。 【このnoteの説明】このnoteは、「楽譜の見方」、「楽曲分析」、「演奏表現法」を新しいアプローチで解釈した、3ステップの独自のメソッド「奥村式演奏法」に関する内容が主となっています。 ピアニストや器楽の演奏家、声楽家、指揮者から音楽指導者まで、プロの演奏家から音楽

          はじめまして、指揮者の奥村伸樹です。