見出し画像

はじめまして、指揮者の奥村伸樹です。

【ご挨拶】

指揮者の奥村伸樹です。
これまで、ホームページやSNSではコンサートの情報など、指揮者としての活動について発信してきましたが、音楽の専門的な話題について触れていこうと思いnoteを始めてみました。

画像2

【このnoteの説明】

このnoteは、「楽譜の見方」、「楽曲分析」、「演奏表現法」を新しいアプローチで解釈した、3ステップの独自のメソッド「奥村式演奏法」に関する内容が主となっています。

ピアニストや器楽の演奏家、声楽家、指揮者から音楽指導者まで、プロの演奏家から音楽を勉強する学生、アマチュアの方々へ、よりわかりやすく、そしてより深く広く高度な音楽表現ができるように、演奏に関わるすべての方々の演奏への良き一助となり、アシストさせていただくことを目的としています。

【演奏法とはなにか?】

「演奏をする」のに必要な要素をまず大きく二つに分けて考えてみます。

①声や、楽器でいかに良い音を出すか?

②どのように音楽を表現するか?

なかなか言葉にするとわかりにくい表現ですが、料理に例えてみましょう。
そうすると意外と話は簡単です。

料理をするとき、まず一つに、いかに良い食材を集めるか?という①「素材を作る」そして、二つには、それをいかに調理するか?という②「調理をする」

この、①「素材を作る」、②「調理をする」、という二つの要素、①は農場や畑や海などで行い、②はキッチンで行うもの。実は全く別な作業なのです。

これを演奏に当てはめてみます。

①いかに良い音をだせるか?、②どのように音楽を表現するか?
この二つの作業も料理と同じく全く違う作業なのです。
そして、「作りたい料理のために合う素材」を選ぶように、「演奏したい音楽のために合う音の出し方」をしなければならないという意味では、この二つの要素は密接に関係しているものでもあるのです。

しかしながらこの二つの作業、演奏する上でどちらも同じくらい重要なのに、実際には演奏者は①の「音の素材作り」の作業に重点を置きがちです。なぜならば、まずは音が鳴らないことには演奏もできませんので、そうなるのも当然かもしれません。

もし「美味しい料理を作ろう」と思った時に、センスが良ければなんとなく感覚でつくってもある程度は美味しく作れるかもしれません。しかし、緻密につくられた調理の仕方(調理法=レシピ)を知れば、更に美味しい料理を作ることができるのです。

もうここまで来ればお分かりのように、「音の素材」だけでは決して美味しい料理にはならないのです。

そこで大事になるのが「音楽のレシピ」です。

僕がやっている「指揮者」という仕事は、オーケストラの中で唯一音を出しません。そう、指揮者には①の作業が無く、②の「音楽の調理法(レシピ)」を追求する専門家なのです。
 
ちなみに、①の「音の素材作り」、良い音を出せるようになるまでは、本当に長い時間をかけて訓練、追求しないければなりませんが、実は、②の「音楽のレシピ」、方法さえわかればその場でもすぐに作ることができてしまう実に即効性のあるものです。(もちろん、追求すればするほど奥が深く時間も必要とするものですが。)

また、「作る料理によって必要な材料が異なる」ように、「演奏したい音楽によって必要な音の出し方も異なる」、つまり、演奏する音楽によって必要な「音の素材」が変わることを知れば、「素材を作る」段階からより明確に必要な音を追求できるようになるのです。

つまり「演奏法」とは、「音楽の調理法(レシピ)」と僕は考え、これまで一般にいわれる演奏法を、新しいアプローチで解釈した独自のメソッドが「奥村式演奏法」です。


画像3

【奥村式演奏法について】 

「奥村式演奏法」は3つのステップから成り立っています。

ステップ 1
楽譜の見方→ 楽譜から正確に演奏方法を読み取る。
 
ステップ 2
楽曲の分析→ 作曲家の意図や時代背景などから考察し楽曲を分析する。
 
ステップ 3
演奏表現法→ 聴く人々に伝わる演奏のスキルを知る。

この3つのステップで、より解像度の高い、深く幅広い音楽の表現が可能です。

指揮者が必要とするスキルは様々ありますが大きく分類すると、演奏者に的確に音のイメージを伝える「指揮の技術(バトンテクニック)」、演奏者の集中力やテンションを高める「コミュニケーション能力(ムードメイク)」、そして、楽譜から作曲家が意図した音を引き出すための設計図を作るための「分析力(アナリーゼ)」の3つに分かれると思っています。
そのなかで、僕が特に得意とする分野が「分析」です。

おそらく、他にここまで具体的な演奏方法を示したのもや文献等は他にないだろうと思い、その「音の表現法」について具体的に説明したのが、「奥村式演奏法」です。
「音の表現法」を知れば、なにも工夫しなければモノトーンになってしまう演奏も、何十、何百と表現の引き出しが増えていきます。
ぜひ演奏の参考になれば幸いです。


画像1


【著者プロフィール】

奥村伸樹(指揮者) Nobuki Okumura, Conductor

クラシックから、ポップス、映画音楽はじめ、様々なジャンルのオーケストラを独自のスタイルにて活動を展開する。
これまで、オーストリア、イタリアをはじめ、西欧、東欧、北欧諸国など、ヨーロッパ各地10カ国以上にわたり様々なオーケストラや合唱団を指揮。
「コシノジュンコ・ファッションショー」、「羽田空港第2ターミナルビルオープニングイベント」、「90本のトランペットファンファーレチームとオーケストラによる六本木ヒルズクリスマスイルミネーション点灯式」等のイベント、「NHK 紅白歌合戦」をはじめ、様々な音楽番組やテレビ番組企画のオーケストラ、CM、映画のプロモーションイベント、ホテルでの舞踏会等、数々のオーケストライベントを指揮、プロデュースする。
また、河村隆一氏、ソプラニスタ岡本知高氏はじめ、クラシックからポップスまで数々の各界の著名アーティストやグループと共演する。
各界の著名人から構成される「神楽坂女声合唱団」指揮者(1999-2003)、山田邦子団長率いるがん撲滅のチャリティ合唱団「スター混声合唱団」指揮者(2008-2012)、東日本大震災復興支援チャリティ「音無美紀子の歌声喫茶」メンバー(2011ー)。2000年よりNTTグループ各社から構成される「NTT合唱団」常任指揮者。
2017年よりサウンドトラック専門のオーケストラ「FILM SCORE PHILHARMONIC ORCHESTRA(フィルム・スコア・フィルハーモニック・オーケストラ)」の公演を指揮している。
1999年より自身が音楽監督、プロデュースをする「ザ・クラシック・オーケストラ」を中心に、緻密な楽曲分析と高解像度な表現によるオーケストラサウンドで、常に新しいオーケストラの可能性を探っている。

奥村伸樹オフィシャルホームページ
http://www.okumuranobuki.com/

宮城県仙台市出身。高校の音楽教諭の父と音楽と英語好きの書道家の母のもと、男三兄弟の長男として生まれる。
自分も父と同じ高校の音楽教師を目指し東京の音楽大学に進学。在学中、ハンガリーのコダーイシステムと、コダーイやバルトークなどハンガリーの合唱曲を研究。
大学3年生の時、ポーランドとチェコにて演奏旅行に指揮アシスタントとして参加し、人生初めてヨーロッパに触れる。翌年には、ハンガリー、オーストリア、チェコ、ドイツ、ポーランドと5カ国を巡る。
大学3年生の終わりまで地元に戻って教師になろうと思っていたが、大学4年生の時、突如、指揮者になろうと方向転換。その後、指揮を松尾葉子、鈴木織衛、今村能、曽我大介、トーマス・ブガイの各氏に師事する。2002年、たまたまリハーサルに居合わせたチョン・ミョンフン氏の演奏に衝撃を受ける。その後一年間コンタクトを取り続け2003年よりリハーサルの現場をついて回らせてもらえるようになる。
2000年、ラバ国際音楽フェスティバル(ハンガリー)、2003年-2004年、カターニア国際音楽フェスティバル(イタリア)に参加する。そのほか、オーストリア、チェコ、ポーランド、フィンランド、エストニア、ルーマニア等各地で、オーケストラや合唱を演奏。また、ヨーロッパ中のオーケストラのリハーサルや演奏に触れオーケストラサウンドを研究する。

この記事が参加している募集

自己紹介

よろしければサポートお願いいたします。いただきましたサポートはnote記事のための研究費に使わせていただきます。