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#001 フレーズってなに?

演奏するときにまず一番初めに知っておきたいのが「フレーズ」です。
実は楽譜に書いてあるアクセントやテヌートなどのアーティキュレーション記号は、この「フレーズの表現」がある前提で成り立っていて、フレーズの中にあって絶大な効果を発揮するものなのです。
ところが、学校の授業ではなかなか教えてもらえないのがこの「フレーズ」という言葉。
フレーズ(phrase)とは英単語で「区」、「言い回し」という意味ですが、音楽においてフレーズとはいったいどのようなものなのでしょう?

【フレーズを体感しよう】

まず、フレーズのある状態とない状態を知ってみましょう。

例えば声に出して『みなさんこんにちは。』と発音してみてください。

今度は同じ文章を『みなさんこんにちは。』と同じ音量、同じ音程で発音してみてください。

どうでしょう?一昔前のロボットが喋っているような感じになってしまいますね?

言葉というのは一見、音程も音量もストレートに話しているように聞こえますが、いかに音量、音程を変化して話しているのが分かります。無意識にフレーズというものを作り出しているのです。

これを音にしてみたらどうでしょう?もし、1小節に四分音符が4つ並んでいたらどのように演奏しますか?

何も意識しなければおおよそ同じ音量で演奏してしまいますが、これは、言葉に置き換えてみると一昔前のロボットが歌っているようで実に無表情になってしまいます。発音してみるとちょっと恥ずかしさを感じるように、同じ音量で演奏するとかっこ悪い感じになってしまいます。

言葉にするとわかりやすいのに、音符には言葉がないために、実際に演奏してみると、フレーズがない状態でロボットのように同じ音量で演奏していても、それがかっこ悪いことに気が付かず、不自然なことにも気が付きにくいのです。
逆に、話をする時のように、ちょっと音量に変化をつけるだけで、とても自然に、音楽的に、表情豊かに聞こえるようになるのが「フレーズ」なのです。

では、音楽においてフレーズとはいったいどのようなものなのでしょう?
「たった一つの」知識で音楽的かそうでないかの分かれ目があるのです。

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