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オリジナル小説@やまのぼ

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<この続き>がどうしても読みたい!と読者を魅了する、連載小説が書きたい! そんな若い頃からの夢に、挑戦続けている古希過ぎた爺さまの小説集です。
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2022年2月の記事一覧

【小説】健子という女のこと(23)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる 「神戸に赴任した当初は、口煩いばかりの…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(22)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  お互いに遠く離れて、暮らすようになっ…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(21)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  山泉館の飛水閣・508号室は、和洋折衷の…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(20)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  健子は田端の腕に掴まったまま、冴子を…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(19)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  携帯電話の<自宅>の表示に気分が滅入…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(18)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる 「お写真を撮られる方は、こちらの場所が…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(17)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる 「次は下呂!下呂に停車しま~す!」  冴子は、車内放送で眠りから覚めた。高山本線は飛騨川の蛇行に沿って敷設されている。列車は右に左によく揺れた。丁度、ゆりかごで揺られているみたいで、祭り見学の疲れもあって、冴子はすっかり寝込んでしまっていたようだ。 「おばさん!何か夢でも見ていたようですね・・・」キーボードの若者が、別れ際に声をかけてきた。怪訝そうに振り向く冴子に、「何度もごめんなさい!ごめんなさい!って誰かに、謝っていた

【小説】健子という女のこと(16)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  若者たちが、思い思いの格好をして、観…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(15)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  高山本線もほぼ、飛騨川沿いを走ってい…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(14)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  田端はそんな自分の若かりし日の怠惰な…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(13)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  その写真には、ギターを弾く若い男性と…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(12)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる 「病弱で貧乏で・・・」と、また健子の母…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(11)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  人間なんて緻密にできているようで、実…

やまのぼ
2年前
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【小説】健子という女のこと(10)

☜【小説】健子という女のこと(1)から読んでみる  冴子が暖簾をくぐり、引き戸に手をかけようとしたとき、ふいに内側から引き戸が開き、勢いよく涙目の三十歳前後の目鼻立ちの整った、美しい女性と、鉢合わせになった。  冴子は思わず身を引きながら、その女性に道を譲る。その女性は冴子に、無言で頭を何度も下げて、足早に信号が変わり出した、横断歩道の方へ駆け出して行った。  見送った冴子が、飛騨庵に入ろうとする。その時、冴子の携帯電話が鳴った。冴子は慌てて飛騨庵の引き戸に背を向け、バッグ