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著作権法 映画の字幕を独自に作成して公開した場合

  著作物には、言語の著作物という区分があります。言語の著作物のうち、最も良く接するのは小説やblog記事などかもしれません。

 映画のセリフや脚本は、言語の著作物にあたります。したがって、映画のセリフの字幕を独自に(勝手に、著作権者の許可なく)作成して公開すると、セリフや脚本の翻訳権(著27条)の侵害、複製権(著21条)の侵害に該当する可能性があります。

 映画のセリフ等の翻訳は、DeepLのようなサイトを利用する場合もあると思います。著作権法上の翻訳に該当するためには、翻訳過程に翻訳者の創意(アイデア等)が含まれることが必要です。このため、翻訳過程に翻訳者の創意が含まれる場合には、翻訳者にも著作権が生じます。一方、翻訳過程に翻訳者の創意が含まれない場合には、複製に該当するものと思われます。

 だいぶ前の話ですが、映画の日本語字幕を勝手に作成してアップロードした方が、著作権法違反で逮捕されました。

 この事例では、映画の映像は公開していないので問題ないと考えていたのかもしれません。

 しかし、映画の著作権と、脚本等の著作権とは、別のものです。つまり、映画には、複数の著作権が含まれているということができます。

したがって、映画からセリフや脚本を取り出して(切り離して)使う場合には、切り離した部分の著作権についても検討する必要があります。一方、映画作品全体として使う場合には、映画の著作権だけを考えれば良いと思われます。

 映画関連で他に注意すべきポイントは、著作権の保護期間が経過した昔の映画作品のDVD等の利用についてです。

これらの作品を単に購入して視聴する分には何の問題もありません。

しかし、これらの作品のDVDを勝手に複製したりすると著作権法上、問題となることがあります。これは、昔の作品に対する解説が新たに付け加えられている場合や、字幕が新たに付け加えられている場合があるからです。


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