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TRIPS協定63条 透明性の確保

 TRIPS協定が対象とする知的所有権に関する事項は、加盟国の公用語で公表等されます。

 また、各加盟国の政府等の間で有効なTRIPS協定に関する合意も公表されます。各加盟国の政府等の間で有効なTRIPS協定に関する合意は、貿易関連知的所有権理事会に通報されます。 

 貿易関連知的所有権理事会は、加盟国の負担が最小になるように努めます。

 各加盟国は、TRIPS協定が対象とする知的所有権に関する事項(TRIPS協定63条(1))を他の加盟国に提供できるようにします。ただし、公共の利益等に反する秘密情報の開示までを義務付けるものではありません(TRIPS協定63条(4))。

・TRIPS協定63条 透明性の確保

(1) この協定が対象とする事項(知的所有権の取得可能性,範囲,取得,行使及び濫用の防止)に関し加盟国が実施する法令,最終的な司法上の決定及び一般に適用される行政上の決定は,各国政府及び権利者が知ることができるような方法により当該加盟国の国語で公表し又は,公表が実際的でない場合には,公に利用可能なものとする。各加盟国の政府又は政府機関の間において有効なこの協定が対象とする事項に関する合意も公表する。
(2) 加盟国は,この協定の実施について貿易関連知的所有権理事会が検討することに資するために(1)に規定する法令を同理事会に通報する。同理事会は,その義務の履行について加盟国の負担を最小とするよう努めるものとし,また,当該法令についての共通の登録制度の設立に関するWIPOとの協議が成功する場合には,当該法令を同理事会に直接通報する義務を免除することを決定することができる。この関連において,同理事会は,1967年のパリ条約第6条の3に基づくこの協定上の義務に従って行われる通知について,必要となる措置を検討する。
(3) 各加盟国は,他の加盟国からの書面による要請に応じて,(1)に規定する種類の情報を提供することができるように準備する。加盟国は,知的所有権の分野に関する特定の司法上若しくは行政上の決定又は2国間協定がこの協定に基づく自国の権利に影響を及ぼすと信じるに足りる理由を有する場合には,当該特定の司法上若しくは行政上の決定若しくは2国間協定を利用すること又はこれらの十分詳細な情報を得ることを書面により要請することができる。
(4) (1),(2)及び(3)の規定は,加盟国に対し,法令の実施を妨げる等公共の利益に反し又は公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報の開示を要求するものではない。

●参考文献
・荒木好文(著)『図解TRIPS協定』(発明協会, 2001)

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