意匠法17条の3 補正後の意匠についての新出願

 本条では、補正却下後の新出願について規定されています。補正却下後の新出願の規定は、意匠法と商標法にだけあります

 要旨変更か否かの判断が補正直後になされるのであれば、本条のような規定は不要と思われます。しかし、要旨変更か否かの判断が補正から1年後になされる場合もあり、その場合に補正を含む新たな意匠登録出願の時点が1年後であるのは酷です(出願時が1年繰り下がることになる)。このため、本条の規定が設けられています。

 補正却下後の新出願では、新規性喪失例外の適用は受けられません。これは、補正却下後の新出願では出願時が遡及する結果、出願時に書面を提出することが出来ないからです。

 補正却下不服審判請求「後」であっても、補正却下後の新出願はできます。一方、補正却下後の新出願後に、補正却下不服審判を請求することはできません。

 拒絶査定不服審判で補正が却下された場合でも補正却下後の新出願ができます。

 なお、補正「前」の意匠と、補正却下された意匠の両方について意匠権を確保したい場合、補正却下後の新出願を「行うのではなく」、補正却下された意匠について出願すべきです。


・意匠法17条の3

(補正後の意匠についての新出願)
第十七条の三 意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは、その意匠登録出願は、その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす。
2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは、もとの意匠登録出願は、取り下げたものとみなす。
3 前二項の規定は、意匠登録出願人が第一項に規定する新たな意匠登録出願について同項の規定の適用を受けたい旨を記載した書面をその意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出した場合に限り、適用があるものとする。


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