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著作権法22条 演奏権


1.概要

演奏権というのは、著作権に含まれる支分権の1つであって、公衆に直接聞かせることを目的として音楽の著作物を演奏する行為を専有する権利(著22条)です。

公衆の範囲は、不特定の者だけではなく、特定多数の者を含みます(著2条5項)。このため、学校内で演奏した場合は、公衆に当たる可能性が高いといえます。一方、自宅内にいる家族のみの場合は、特定少数であるため、公衆には該当しない可能性が高いです。

演奏権で難しいのが、「目的」という要件があることです(著22条)。具体的には、公衆に直接聞かせることを目的として(著22条)とされています。このため、多数の公衆に聞かせることを目的として演奏会を開いたが、演奏会に来たのは友達1人だけだったという場合も、演奏権侵害となる可能性があります。

この演奏権も、権利制限規定(著30~47条の8)の対象です。
このため、①営利目的ではなく、②聴衆から料金等を受けない場合には、演奏権は制限されるため、著作権者の許諾は不要です(著38条1項)。ただし、企業等の営利団体が行う場合には、料金を徴収しない場合であっても、企業等の宣伝目的であるとされることが多く、例外規定の適用は無いと考えられます。

2.訴訟(JASRAC VS 音楽教室)

 2022年5月18日の段階でも、JASRAC VS 音楽教室の訴訟が続いています。
現在は、双方が最高裁に上告受理申し立てなされ、最高裁での審理が行われているようです。

この訴訟は、ヤマハ音楽振興会等の音楽教室の事業者が、音楽教室での演奏については、JASRACに対する著作権使用料の支払義務がないことの確認を求めたものです。

知財高裁は、音楽教室での教師の演奏には演奏権が及ぶが、生徒の演奏には演奏権が及ばないとしています。

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