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経済安保推進法(案)82条 特許法等の特例

 優先権主張の基礎となった出願が、保全審査との関係で出願却下となるケースも考えられます。このような場合には、優先権を主張した出願における優先権の効果が無くなります(本条1項)。

 保全指定された出願を基礎として優先権主張を伴う出願がなされることもあります。この場合、優先権主張がなされた出願の出願公開は、

①経済産業省令で定める期間を経過した時、
又は、
②保全指定が解除される旨の通知を受けた時、
のうちの、遅い時になされます(本条2項)。

 保全指定された出願は、審査が行われません。
このため、保全指定された出願に対する出願審査請求の時期は、
①出願日から3年経過した日、
又は、
②保全指定が解除される旨の通知を受けた日から3月を経過した日、
のうちの、遅い時までになります(本条3項)。

 保全指定されると、延長登録出願(特許法67条の2)により、特許権の存続期間を延長することができます(本条4項)。延長可能な期間は、特許法67条3項各号に掲げる期間、又は、保全指定されてから保全指定が解除される旨の通知を受けるまでの期間です(本条4項)。

 実用新案登録出願の明細書等に保全対象発明が記載されている場合、保全指定が解除されるまでの期間、又は、保全指定の期間が満了するまでの期間は、実用新案権の設定の登録はされません(本条5項)。

・経済安保推進法(案)82条 特許法等の特例

(特許法等の特例)
第八十二条 特許法第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願について、特許庁長官が第六十九条第四項、第七十三条第八項(第七十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第七十八条第七項の規定によりその優先権の主張の基礎とした特許出願を却下した場合には、当該優先権の主張は、その効力を失うものとする。
2 保全指定がされた特許出願を基礎とする特許法第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願がされた場合における同法第四十二条第一項の規定の適用については、同項中「経済産業省令で定める期間を経過した時」とあるのは、「経済産業省令で定める期間を経過した時又は当該先の出願について、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和四年法律第 号)第七十七条第二項の規定による通知を受けた時のうちいずれか遅い時」とする。
3 保全指定がされた場合における特許法第四十八条の三第一項の規定の適用については、同項中「その日から三年以内に」とあるのは、「その日から三年を経過した日又は経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和四年法律第号)第七十七条第二項の規定による通知を受けた日から三月を経過した日のうちいずれか遅い日までに」とする。
4 保全指定がされた場合における特許法第六十七条第三項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる期間」とあるのは、「次の各号に掲げる期間及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和四年法律第号)第七十条第一項の規定による通知を受けた日から同法第七十七条第二項の規定による通知を受けた日までの期間」とする。
5 特許庁長官は、実用新案法第五条第一項の規定による実用新案登録出願を受けた場合において、当該実用新案登録出願に係る明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に保全対象発明が記載されているときは、同法第十四条第二項の規定にかかわらず、その保全指定が解除され、又は保全指定の期間が満了するまで、同項の規定による実用新案権の設定の登録をしてはならない。

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