見出し画像

特許法 ウェブページ等の掲載事項が改変された可能性がある場合の取り扱い

 特許出願の審査では、特許公開広報のような特許文献だけではなく、ウェブページ等の非特許文献が引例とされることがあります。

ここで、ウェブページ等は、技術的には事後の改変が可能です。

このため、仮に、ウェブページに10年以上前から同じ内容を記載している旨が表示されていたとしても、実際にはウェブページの内容が数日前に改変されている可能性も否定できません

 これらを考慮して、特許・実用新案審査ハンドブック3210には、
出版社・学術機関・国際機関・公的機関のウェブページに掲載時期が表示されている場合、そのウェブページ等で示されている掲載時期に掲載されていたものと審査官は推認すること、
個人のウェブページ等の掲載事項については、改変されているか否かの照会をして、問題ないと判断した場合だけ、そのウェブページ等で示されている掲載時期に掲載されていたものと審査官は推認すること(問題ありの場合は引用しない)、
とされています。

 当方は、審査官から審査における引用についての問い合わせを受けたことはありませんが、いつか、問い合わせを受けられるような内容を掲載したいものです。

・特許・実用新案審査ハンドブック3210 ウェブページ等に掲載されている事項の改変の疑義が極めて低い場合及び改変の疑義がある場合の取扱い

(1) 表示されている掲載時期に、引用しようとするウェブページ等に掲載されている事項がその内容のとおりに掲載されていたことについての疑義が極めて低い場合
 以下の(i)から(iv)までのようなウェブページ等は、通常、そのような疑義が極めて低い。このようなウェブページ等について、審査官がアクセスした時に掲載されている内容は、そのウェブページ等で示されている掲載時期に掲載されていたものと審査官は推認する。
(i) 刊行物等を長年出版している出版社のウェブページ
(ii) 学術機関(学会、大学等)のウェブページ
(iii) 国際機関(標準化機関等)のウェブページ
(iv) 公的機関(省庁等)のウェブページ
(2) 表示されている掲載時期に、引用しようとするウェブページ等に掲載されている事項がその内容のとおりに掲載されていたことについての疑義がある場合
 例えば、個人のウェブページ等であって明らかに事実と異なることが列挙されているものに、引用しようとする発明が掲載されている場合が挙げられる。この場合は、審査官は、問合せ先等として表示されている連絡先に、改変されているか否かの照会をして、当該疑義について検討する。検討の結果、疑義が解消した場合は、審査官はそのウェブページ等に掲載されている発明を引用することができる。疑義が解消しない場合は、審査官はその発明を引用しない。また、審査官は、問合せ先が明らかでない場合は、その発明を引用しない。

●参考情報
特許・実用新案審査ハンドブック3210 

#弁理士 #弁理士試験 #弁理士試験の受験勉強 #知財 #知財法 #特許法
#毎日note #コラム #毎日更新 #note #毎日投稿 #note毎日更新 #毎日
#最近の学び #毎日更新倶楽部 #考察コラム #クリエイティブ #士業

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?