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経済安保推進法(案)81条 後願者の通常実施権

 保全指定された特許出願は、保全指定が解除されるまでの間は、出願公開がなされません(経済安保推進法(案)66条7項)。

このため、保全指定されうる特許出願(以下、後の出願)が、先になされた保全指定された特許出願(以下、先の出願)との関係で、特許法29条の2により拒絶される場合も考えられます。本条は、このような場合に対応するために設けられています。

 具体的には、
①先の出願の出願公開の日前に、
②先の出願の出願公開により、特許法29条の2に該当することを知らないで、
③日本国内において後の出願に係る発明の実施又は実施の準備をしている場合、
④後の出願の拒絶査定確定又は拒絶審決が確定した場合には、実施又は実施の準備をしている発明(後の出願)、及び、事業の目的の範囲内において(後の出願)、先の出願についての特許権等に対する通常実施権を有します(本条1項)。

 本条1項の通常実施権は、ライセンス料の支払が必要です(本条2項)

・経済安保推進法(案)81条 後願者の通常実施権

(後願者の通常実施権)
第八十一条 指定特許出願人であって、保全指定がされた他の特許出願について出願公開がされた日前に、第六十六条第七項の規定により当該出願公開がされなかったため、自己の特許出願に係る発明が特許法第二十九条の二の規定により特許を受けることができないものであることを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定した場合における当該他の特許出願に係る特許権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
2 前項に規定する他の特許出願に係る特許権又は専用実施権を有する者は、同項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

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