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TRIPS協定64条 紛争解決

 従来、パリ条約やベルヌ条約などの既存のWIPO所管の知的所有権条約では、知的所有権に関する紛争が生じても、制裁措置を採ることができませんでした。そこで、TRIPS協定ではGATT貿易制裁措置の発動を可能にして、協定の順守を図っています。具体的には、TRIPS協定ではGATT22条、23条の規定を紛争解決のために準用しています。

 なお、GATT22条は協議についての規定です。GATT23条は利益が無効にされた場合や侵害された場合において、その調整が不調に終わった場合、最終的には、締約国に対する適用の停止を許可することを定めた規定です。

・TRIPS協定64条 紛争解決

(1) この協定に別段の定めがある場合を除くほか,紛争解決了解によって詳細に定められて適用される1994年のガットの第22条及び第23条の規定は,この協定に係る協議及び紛争解決について準用する。
(2) 1994年のガット第23条(1)(b)及び(c)の規定は,世界貿易機関協定の効力発生の日から5年間,この協定に係る紛争解決については,準用しない。
(3) (2)に規定する期間の間,貿易関連知的所有権理事会は,1994年のガット第23条(1)(b)及び(c)に規定する種類の苦情であってこの協定に従って申し立てられるものの範囲及び態様を検討し,並びに承認のため閣僚会議に勧告を提出する。この勧告の承認又は(2)に規定する期間の延長は,閣僚会議がコンセンサス方式によってのみ決定する。承認された勧告は,その後の正式な受諾手続なしにすべての加盟国について効力を生じる。

●参考文献
・荒木好文(著)『図解TRIPS協定』(発明協会, 2001)

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