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朗読後記

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自分の朗読の反省文などをまとめました。(マニア向け)
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【朗読後記】山月記を再読してみた

【朗読後記】山月記を再読してみた

 大好きな作品の再読です。寅年の〆に読みました。前回読んだのは2021年2月でした。その頃はまだ朗読後記を書いていませんでしたが、この話を朗読した時のことはよく覚えています。前に習っていた講師の指導の下、時間をかけて練習しました。その講師に習うようになってから確か3作目か4作目でした。そしてこの作品は某朗読コンテストで課題になっており、私もエントリーして予選通過しました。入賞はしませんでしたが、他

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【朗読後記】U35京都朗読コンテスト 予選指定テキストを読む

【朗読後記】U35京都朗読コンテスト 予選指定テキストを読む

今年初めて開催される朗読コンテストの課題を読ませていただきました。
もちろんこの音源を予選に提出するわけではありません。応募資格に年齢制限があるのですが、ちょびっと(?)オーバーしているので出せません。応募資格は16〜34歳。朗読が好きな方にたくさん応募していただきたいです。

むっちゃ狙い目ですよーー!どんな読みを求めているのかは募集要項に書いてあります。
さあ、みんなチャレンジしてみましょう!

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【朗読後記】桜の話と早口ことば

【朗読後記】桜の話と早口ことば

4月なのに寒いと思っていたら、今日は初夏の陽気です。冬物はもう片付けて大丈夫でしょうか…。今年こそ着なかった冬物を断捨離するぞと今思いました。

私が住む街の桜もだいぶ散りました。今回はこの季節に読みたいなと思っていた梶井基次郎の「桜の樹の下には」を読みました。
グロテスクな表現があるのでおどろおどろしく読む方もいるようですが、私は違う味わい方をしています。
「こんなことを想像できるんだぜ、オレ�

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【朗読後記】朗読発表会での話

【朗読後記】朗読発表会での話

12月25日、朗読教室の発表会がありました遠方であることとコロナ禍が重なり、前回の夏の発表会や先生の朗読会には行けず、今回念願の初参加になりました。

楽しかった〜♪ スポットライトや音響などにまで気を遣っている発表会を経験したことがなかったのでワクワクしました。お客様も今までで一番多かったとか。先生や朗読会の仲間も、初参加の私を温かく迎えてくださって嬉しかったです。皆様どうもありがとうございまし

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【朗読後記】表現について

【朗読後記】表現について

自分の趣味がそうだからかもしれませんが、最近朗読が流行っているなと思います。私が朗読をし始めたのは10年以上前ですが、その頃から比べて随分メジャーになりました。朗読とひと口にいってもいろいろなやり方があります。楽しみ方も目的も目標も人それぞれです。今回は表現についての考えをお話をします。

朗読を習っている人の中には、感情を抑える読み・作品を届ける読みというのを聞いたことがあると思います。また逆に

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【朗読後記】思い出がショートショートになった話

【朗読後記】思い出がショートショートになった話

今回の朗読は深川岳志さんの『歩道橋』です。私は毎日のようにclubhouseの深川さんのroomにお邪魔します。このお話は、そこでの雑談の中から生まれたものです。こちらがその時の深川さんの記事です。

私が話した歩道橋にまつわる思い出話が2つ、このショートショートに含まれています。それについて今回はお話しします。

歩道橋の思い出 その1中学校の通学路にある歩道橋でのことです。幹線道路を渡るために

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脚本『月想』を読んだ話

脚本『月想』を読んだ話

今の季節にぴったりな作品です。脚本家の高橋郁子さんが個人で楽しむ範囲でと公開してくださっている脚本の朗読をしました。原案は今昔物語集第27巻24話です。(使用については条件があります)

この原作は以前ある朗読コンテストの課題になっていました。古文の朗読なんてしたことがないのに勉強もせずに挑戦し、当然玉砕。不選考事由には「早すぎる。セリフがわざとらしい」と書いてありました😔

この「月想」は舞台

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【朗読後記】「沼」に嵌って出られなかった話

【朗読後記】「沼」に嵌って出られなかった話

まさに底なし沼でした芥川龍之介の「沼」を朗読しました。まだまだうまく読めていないのですが、ここまで来るのに3か月かかりました💦
ゆっくり読んでも7分かからない短い話なのですが難易度高けぇ~~!今まで読んできたものの中で一番難しいかったです。かっこいい文章なので上手に読めれば相当かっこいいはずなんだけど、かっこいいとか悪いとかそういうレベルで読めるまでには至らず、朗読の体を為すことで精一杯でした。

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【朗読・後記】谷崎潤一郎の随筆を読んでみた

【朗読・後記】谷崎潤一郎の随筆を読んでみた

以前、谷崎潤一郎・作『刺青』を読みました。反省点も多く聞き直すと「あ゛ーー!!」となるのでいつか読み直ししたいものの一つです。
それはさておき、『刺青』は脚フェチの男が、街で見かけた理想の脚を持つ女に一目惚れし、何年後かに巡り合い、そのまま薬を使って拉致し、その隙に勝手に女の体に刺青を施し、最後は女共々悦に入るという話です。
はい、あえて気持ち悪く書きました。男も変態ですが女も相当なもんです。もち

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【朗読・後記】声の出し方を変えてみる

【朗読・後記】声の出し方を変えてみる

朗読のレッスンの時に課題を読んだ時のこと、読み方の前に発声が良くないとの指摘を受けました。そもそももっと声が高いでしょ、普段の会話の声がもっと高いのだから、読む時にも高い声を使うべきだと。
そして、これまでの音の出し方では音がぼやけているとのこと。なのでその日は言葉の頭やアクセントのところなどの発声と言葉の繋げ方の指導になりました。

今までの概念を根本から覆されたような指導がありました。いいのか

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【朗読・後記】発表会で読んできた

【朗読・後記】発表会で読んできた

ついに2ヶ月半くらい格闘してきた「待つ」(太宰治)を人前で読んできました。
ほんと大変だった。なんだかわからない太宰治を読んだのは何回目だろうか。Youtubeで検索すると、結構な数の動画が出てきます。みんな読んでいるということは、解釈ができないのって少数派なのかな? こんなに苦労するのは私に読解力が足りないからなのだろうか。

主人公の女性が一人語りをします。作中「駅のベンチに座って何かを待って

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【朗読・後記】モノローグを読んでみる

【朗読・後記】モノローグを読んでみる

劇作家・映画監督・舞台演出家の渋谷悠さんのモノローグ集「穴」より「夜の初めの数分間」を朗読させていただきました。
一人芝居用の台本なので小説ではないのですが、朗読向きかなと思いました。初めてこの文章を読んだ時にゾクゾクしました。
格好良く読みたいなあとイメージが膨らみ構成したつもりですが……どうだったかな。うーん🤔
メリハリ、リズム、音程などを気をつけました。
解釈次第で色々な表現ができそうな作

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【朗読・後記】桜桃忌によせて読んでみた(太宰治)

【朗読・後記】桜桃忌によせて読んでみた(太宰治)

6月19日は桜桃忌です。太宰治の誕生日で、遺体が見つかった日をこう呼びます。玉川上水に入水したのは6月13日だそうですが、発見された日を忌日としているんですね。晩年に書かれた短編小説「桜桃」の名にちなんでこう命名されたとか。没年38歳。名作をいくつも残しましたが、自ら命を絶たなければもっとたくさんの素敵な作品に会えたのでしょうね。

ずっと三鷹にある太宰治文学サロンに行ってみたいなと思っていました

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【朗読・後記】薔薇の物語+α

【朗読・後記】薔薇の物語+α

以前、我が家の飼い猫・まるが登場するお話を書いてくださったうらんさんの作品をまた読ませていただきました。
うらんさんはclubhouseのショートショート部を通じてお友達になりました。この作品は今年の5月9日に書かれたものです。この頃はまだ、彼女が作品を量産する「インスタ作家」になるとは思ってもいませんでした。それから2ヶ月も経っていませんが、現在作品数は100以上!1日に1編どころではなく3編書

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