- 運営しているクリエイター
記事一覧
脚本 「かごめ」 第七場
美羽、良玄、トキオ、玲奈、洋一郎、紅葉、裕次が、「かごめかごめ」で遊んでいる。真ん中の鬼は美羽。他は美羽を囲んで笑顔で踊り、歌う。
全員「かごめ、かごめ。かごの中の鳥は、いついつ出会う。夜明けの晩に、鶴と亀がすべった。後ろの正面、だあれ?」
美羽「お父さん?」
裕次「あたり!(その位置にいない場合は『お父さんはここ!』)」
裕次が話した途端、良玄、トキオ、玲奈、洋一郎、紅葉は裕次をにらむ。
脚本 「かごめ」 第五場
■第五場
内山洋一郎の自宅。家族で夕食。テーブルにいるのは、洋一郎と、母の美千代、妹の紅葉。父の鉄幹は少し離れたところの小机で、一人で夕食のおかずをつまみに酒を飲んでいる。
全員黙々と下を向いて食べている。
鉄幹はテーブルの方を見ずに言う。
鉄幹「ごはん! 」
美千代がお茶碗にご飯を入れて、鉄幹のもとに歩み、茶碗を差し出す。
美千代「はいお父さん。一杯でいい? 」
鉄幹は答えな
脚本 「かごめ」 第四場
■第四場
美羽が8歳の頃。冬、昼過ぎ、快晴。父の裕次が務める健康食品会社のオフィス内。5人ほど従業員がいる。部長用の大きな机がオフィス奥にある。机上には赤い花(造花)が飾られている。部下の粗末な机と椅子が並ぶ。
部長が、手に持っていたコーヒーカップを、裕次に投げつける。陶器製のカップは床に落ちて割れ、激しい音がなる。
部長「アポイントメントをキャンセルされましたじゃないよ!! これで何回