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#読書

全身にタックルを受けたような重くて鈍い衝撃と妙な解放感を覚えた【『破局』遠野遥】

全身にタックルを受けたような重くて鈍い衝撃と妙な解放感を覚えた【『破局』遠野遥】

第163回芥川賞を受賞した『破局』は、昨年2019年に文藝賞を受賞してデビューしたばかりの新人小説家、遠野遥(とおの はるか)によって書かれた。

破局は彼の第二作目にあたり、二年目にして芥川賞まで受賞してしまった。注目すべき作家が増えて心底嬉しい。

未読の方へ向けて簡単なあらすじ 主人公の陽介は、ラグビー部のOBとして後輩を指導しながら公務員試験を控える大学4年生。彼は規範を重んじ、自分にも厳

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朗読のすゝめ

朗読のすゝめ

最近、note界隈で音声コンテンツが徐々に勢いを見せている様子。

といっても、前々から存在していたのだろうが、『noteを楽しむ会』でも少しずつ模索者が現れてきたのが目立つ。

私はかねてよりYoutubeの文学朗読を嗜んでいるので、音声コンテンツの良さも悪さも、よく知っているつもりである。

しかし、noteにおいて音声コンテンツというと、noteの音声投稿、spoonやstand.fmへの誘

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