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あん肝、あるいはライスには塩を

江國香織さんの小説『抱擁、あるいはライスには塩を』の「ライスには塩を」というのは、物語の中の霧島一族の造語で「自由万歳!」「大人になってよかった」というようなニュアンスです。

お皿に盛られたご飯に塩をかけたくなるけど、お行儀が悪いし塩分のとりすぎになる、と子どもの頃はさせてもらえなかった、けど大人になった今ならできる。

美味しいものは、カロリー高いし身体に悪いような気がするけど、大人なんだもの。

お酒と、あん肝と白子なんて、自由万歳!!

日本酒、ビール、ワイン。それぞれのマリアージュです。

日本酒 

あん肝ポン酢

この時期にスーパーでも売られているあん肝。下処理さえすれば、ただ蒸すだけで簡単に作れちゃいます。

あん肝の血管と薄皮を取り除き、水・酒・塩に20分ぐらい漬けます。
水分をふき取り、アルミホイルで、ャンデー状に成型し蒸し器で20分ぐらいでできあがり。

もみじおろしは、大根おろしと豆板醤で作りました。

白子のバター醤油ソテー

白子の下処理は、ボールの水で優しく洗い、水・酒・塩に漬けます。湯通しして氷水につけてしめます。

水気をふきとり、小麦粉をまぶしてバターで炒め醤油をたらしてできあがり。

にんにくチップを添えました。あん肝は濃厚で、白子は外側がかりっと、中はふわっとしてお酒がすすみます。

山内容堂の「鯨海酔侯げいかいすいこう」にちなんで名づけられた酔鯨すいげい。キリッとしているのでこってりあん肝をさらりと流してくれます。お料理との相性が良く食中酒に最適です。

ビール

鶏肉の北京ダック風 (餃子の皮)

鶏ももを、縦半分に切って皮目を下にして弱火でじっくり皮をぱりっと焼きあげます。

胡瓜、長ネギは千切りで水にさらして水気を切ります。甜面醤にはちみつ、辣油を少し加えました。餃子の皮はフランパンで片面だけ焦げ目をつけます。

餃子の皮にタレをぬり、長ネギ、胡瓜、鶏肉をのせて巻いていただきます。食べれば、北京ダックです。

里芋の唐揚げ

皮ごとラップに包んでレンチンした里芋。皮をむき、食べやすい大きさに切ります。醤油・お酒・みりんに15分ぐらい漬けこみます。
170度の油で揚げます。

外はかりっと、なかはもちっと、とろりと。えっ?これなに?と思うぐらいの美味しさで、おススメです。味しみしてなかったら、塩をつけても。

大好きなコナビール。爽やかでごくごく飲めちゃいます。甜面醬の甘辛さにも、里芋の唐揚げにビールはよく合います。

ワイン

餃子の皮のピザ

左から、シラス・ブルーチーズと胡桃とはちみつ・クリームチーズと黒豆。

餃子の皮は焼きすぎるとバリバリになってしまうのでご注意。

パンケーキのサーモンとクリームチーズ

コンビニで買ったパンケーキにクリスマスっぽい彩りで。ディルを添えました。

イカのバジル和え

オリーブオイル、酢、塩、ピンクペッパーで和えました。

おつまみは、簡単にできてお酒と会話がすすむものがいいです。

『抱擁、あるいはライスには塩を』の霧島家の百合ちゃんの嫁ぎ先は、食事のときのお酒がないおうちでした。

「あそこのお家では、ごはんのときにワインをのまないの」
ワインもビールも、日本酒もウォッカもない食卓!
会話のない食卓!そういうものを、私は生まれて初めて見た。

百合ちゃんの育った霧島家は、ワインに限らずよその家では「普通」でないのかもしれません。普通って、何?

だからこそ、ライスには塩を!
自由万歳!!

会話もお酒もすすむ、簡単なおつまみ万歳!

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