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お湯が沸くのを待ちながら

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お湯が沸くのを待つ間にも読める超絶短編小説集 思いつくまま書いた話をUPしていきます。 何かを待っている、ほんの隙間に読んでくれると嬉しみ。
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#小説

超短篇小説21 "井の中の"

超短篇小説21 "井の中の"

部屋のドアを開けると目の前には死体があった。

ドスン!
私と佳子は尻餅をついてしまった。

死体の胸元には何か刺されたような傷があり、大量の血が流れている。
死体を見るに明確な殺意が込められていることがわかるような状態であった。

恐ろしくなり私と佳子はその部屋から走って逃げた。

ドン!
走っていると私は人にぶつかってしまい、
私と由恵は尻餅をついてしまった。

私は友達の由恵に死体を見た話を

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超短篇小説16 "殺人推奨制度"

超短篇小説16 "殺人推奨制度"

「もう女なんか信用できない」

私は今、1人しかいない部屋で"そう"呟いた。

こうなったのは、私と同い年の35歳の彼女が50代の男と浮気をしていたからである。

彼女とはマッチングアプリで知り合い、半年前から付き合い始めた、そして、つい1週間前に浮気をしていることを知り、彼女に問い詰めたところ、
「だからなんなの!あんたみたいなクソガキよりあの人の方がよっぽどマシよ!」と逆上され、カッとなり手元

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超短篇小説1 "約束"

超短篇小説1 "約束"

俺はとある野球強豪校の野球部員。
小学生の頃からずっと4番バッターでどんな投手でも打ち崩してきた。
この強豪校にもスカウトされて進学した、所謂野球エリートである。

そんな俺だが小学生の時に一度も打つことの出来なかったやつが1人だけいる。
その投手は女だった。
何度対戦してもその女のストレートにバットを掠らせることすらできなかった。

そんなある日、そんな宿敵である女が親の転勤で遠くへ引っ

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