◆小説◆生贄の羊

兄が生贄に選ばれたので、爪を磨くのを手伝っている。兄は村で一番美しい男だったから、生贄に選ばれたと聞いても誰も驚かなかった。幼いころからはっと息を飲む美しさがあったが、最近は美貌に年頃の若者のもつ鋭利な危うさと妖艶さも混ざり、寄れば熟れきらない南国の果実の香りさえした。美しい足を膝に乗せ、一本一本爪を磨く。兄はそれを静かに見ている。

◆

数年前、一時帰国した叔父がパパイヤを切り分けながら｢日本

4月ばかたち

君のことぜんぜん好きじゃないって
唇はねじれながら歌ってみせる
コントロール不能、の、点滅

屹立するチューリップたちは夜だって明るく
躑躅の蕾が脳の痒い部分を撫でる

挨拶はできるようになりましたが
電話はまだ少し苦手です
清掃チェック用紙に捺すシャチハタを
君はふざけて飲み込んだ
コントロール不能
コントロール不能です

コントロール不能です、が
僕は全然まともじゃない道理を
正常であるかのよ

色んなことに嫌気がさしてきたので不道徳でセクシーな作品を描いたろという気持ち！

鬱で鬱フェスに行けないという100点満点のメンヘラをやってしまったので褒めて欲しい(今はげんき)

【詩】31、1

ここには山があって海がない
海がなくて砂漠がある
足があって爪がない
星があって記憶がない
記憶がなくて思考がある
言葉があって声がない
朝がなくて体温がある
空洞であって、

わたしがそうやって
ここを何遍も捏ねていたら
いつの間にか
きみも一緒に混ぜ込んでしまったらしく
ここはきみと渾然となり
きみを含んだここは
うつくしく明滅しながら
尚も消えることはなかった

八月は忌み
夏は腐り果て
甘

モーニング月例賞・奨励賞戴きました！読んでくださいな♪
「兄の洞 | 【コミックDAYS読み切り】兄の洞」https://comic-days.com/episode/4856001361581069839

あらゆる表現をあらゆる場所に分散して投げ続けているが、どれもが本当でありどれもが本当ではない。漫画や言葉や絵が、肉体を持ちやがて死ぬ私を超えてどこかにあればいい。漫画や言葉や絵が、遠くのあなたに届けばいいと思う。五億光年先の宇宙の端にいる寂しいあなたに。

悪夢へようこそ、デートはやめよう、うちで踊ろう、私とワルツを、インターネットやめろ、映えるな、恋を守って、海へ来なさい、おさきにどうぞ、教えて、忘れないように、勝手にしやがれ、あたしはここよ、少しだけ、美しく、ここでキスして。さよなら、またね。

工場で大量生産され平たく陳列されている衣類が、それぞれ形状の違う生き物が被るために売られているというのも不思議な話だ。(服屋に行ったがどうもピンとくる服がなかったの)

夜薔薇

資料用兼趣味で木をいっぱい撮ってるんだが全部違うし全部セクシーでやばい

桜って大仰だし焦燥感が湧くし、やっぱり圧倒的に美しいし、怖いよね

◆漫画の話◆モーニングに名前が載りました

モーニング1月期月例賞の努力賞を戴きました。
改めて読み返すとまだまだ足りないところも多く拙い作品ではありますが、まずは第一歩を踏み出せたので嬉しく思います。

この作品で得たものと反省点を活かし、ただいま春のうちに応募するための作品を制作中です。
『天使を飼う』よりも読みやすいはず……。
掲載めざしてがんばります🔥

という訳で『天使を飼う』の冒頭10ページです。
本当はTwitterの漫画タ

寝る前に｢諦める｣という作業を挟まなきゃいけないから最悪だ〜〜〜

今週は頭を使い過ぎて思考力が低下してる真夜中に採寸せずにドアに掛けるタオルハンガー買ったら全然サイズ合ってなかった意外は平和で楽しかったです。

◆小説◆海が鳴る部屋

薔薇を飼い始めたのは去年の7月からだった。去年の手帳の7月のページにあの仄暗い喫茶店の名前が記してあるから確かに7月だった。｢薔薇｣というのはその美貌に対する安直な名付けだったが、もう薔薇は薔薇としか思えない。
喫茶店で何を頼んだのか、どういう経緯で薔薇と会話を交わしたのか、今となってはすべてが曖昧だ。……いや、Kがいたな。Kが薔薇を呼んだんだ確か。お前に会わせたい子がいると言うから、またいかがわ