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やりたいことがわからない、見つけ方もわからない苦しい人へ - 前編


日本の義務教育で同年代の学生と足並みを揃えて学習してきた。
授業は全てパッケージになっていてそれに機械的に従うだけ。
少しでも疑問や意見を大人に言おうものなら「子供は黙って言われたことをすればいい」「そういう決まりだから」で済まされる。


部活動、アルバイト、習い事、それくらいしか自らの意志で選択したものがないのに、大学進学や就活になって「あなたの個性は何?」と聞かれても分からない。


私の強みってなに?
私が好きなことってなに?


自分のことが何もわからず苦しい、それでもなんとか道を作っていこうともがいていたときに出会った人からいただいた本がある。


「苦しかったときの話をしようか」


もともと著者である森岡毅 氏が娘にあててまとめていた読み物を出版したものだ。
彼の娘もまた私のように将来について何も答えがないまま悩み苦しんでいた。


この本はまさに私に向けて書かれたのかと思うほどやさしく、時に確信をついた厳しい言葉があり、今何をすべきか、行動すべきかを示してくれていた。


就職は会社との結婚ではなく、スキルを磨くステップ


多くの仕事がAIに任せられるようになったり、誰もが知る大企業が倒産・リストラを行う不安定な世の中。
だからこそ「今」この一瞬の価値観だけで会社に全てを託してしまうのは危険だ。

大切なのは自分の強みを最大限発揮でき、さらに次へのステップのために成長できる居場所を見つけること。
企業名や役職ではなく、「私という人間ができること」をアピールできることがどんな時代でも生き残る秘訣。


正解は一つじゃない



たった1つの大正解、大吉を引こうとするな!

不正解の企業とは、
・個性や強みが不利になる
・興味を全く持てない


場合である。
それ以外は全て当たり。
全ての望みが完璧に叶う企業なんてないし、8割希望通りなら万々歳!くらいでいい。
就職先を正解や最高だと考えるかはそこでの頑張りにかかっている。


私はアメリカの大学で学んだが、正直妥協して選んだ学校だったので進学することに大満足していなかった。
しかし「誰よりも努力し大学のリソースを使えるだけ使い、最高の学校生活にしてやろう」と心に誓った私は、

・ボランティア
・アルバイト
・部活動の幹部
・大学内の成績優秀者が加入できるプログラムに推薦される
・エッセイコンテストで優勝

などたくさんの経験をし、それは自分の自信にもなった。
「希望した大学ではないから…」と最初から最後まで考えていたらそれこそ大学生活は全く充実したものにならなかっただろう。


「好き」が武器


就活するうえで自分の長所やそれが活かせる場を見つけることは簡単じゃない。

ポイントは、

“社会との関わりで気持ちよかった文脈”
“自分が好きなことをとにかく動詞にしてみる”


それらから共通点を見つけていくのだ。
好きなことこそ自分が輝いている瞬間であり、強みでもある。


私の場合だと
・世界中の人とお互いの経験や人生について語ること
・バレエを鑑賞すること
・チームで励まし合いながら努力すること(ex: 吹奏楽コンクール)
・美術作品を好きなだけ時間をかけて鑑賞すること
・外を走ったり筋トレで身体を動かすこと
・いろいろな地域、国の学校教育や人、日常生活を体験しつつ客観的に分析すること


こんな調子で100個程度、上げていけば同じようなのが多く出てくるだろう。


強みを明確にする、「T」「C」「L」


職業選択で役立つ分類が、


「T」Thinking
「C」Communication
「L」Leadership

熟考し戦略を練る人、社交性に長けていてあっという間に仲間を増やす人、チームをまとめて指揮をとる人…

それぞれにあてはまる友人が思い浮かぶ。


「T」の人間


私が一番あてはまる項目が多かったのは「T」。

“人と議論することが好き”
“数字や計算することが好き”
“分析することが好き”
“知ることが好き”


・海外生活やそこでの葛藤
・教育(特に英語)
・幸せってなに?

などは永遠に話し合うことができるし、その時の自分は生き生きしてるなと感じる。
共通の話題だけではなく、自分が今まで選択してこなかった経験をしている人の話を聞くのも大好きだ。
新しいことを知ることができて刺激を受けるのはもちろん、相手が生き生きと笑顔で話すのを見るのが好きなのもある。

数字に関しては、高校の数学は決して見せられないような点数だが珠算・暗算は大好き。
そろばん教室を卒業して随分経つが、

・スーパーの「〇〇引き」やおつりの計算
・車のナンバープレートの数字で暗算(ex: 「1234」なら12×34といったふうに)

は毎日している。
呼吸するのと同じくらい無意識に数字に反応していると思う。
すれ違う車のナンバープレートを目で追いながら歩いている人がいたら間違いなく私だ。


「T」のタイプの面白い特徴で私が思わず「たしかに…」と唸ったのは、

“興味ある範囲でなんらかの”研究テーマ“を自分でセットして、それを考えること自体を楽しんでいる”


たとえば、私の留学の目的の1つに「生きた英語を身に着けたい」があったのだが、
留学先の大学での講義、アルバイトやボランティアといった日常生活のありとあらゆる場面で
ネイティブと交流しながら本物の英語を吸収しつつ、その自分の成長過程を客観的に分析していた。

「こうやって人は外国語を身に着けていくのか」
「こんなことをすればもっと英語力が伸びるかも」
「日本の学校や社会にどうすれば応用できるだろう」


誰かに向けて発表するわけではないが、気になったことは常に頭の片隅に置いておいてその答えを探し集めている感じだ。
これもナンバープレートの数字の計算と同じくらい無意識で行っている。


リーダーになりきれなかった自分


部活動やインターン先でしばしばリーダーをすることがある。
任命されたときは「よし、自分もチームも成長できるようにがんばろう」と意気込むのだが、なぜだかいつも上手くいかない。

・自分の選択に自信が持てない
・メンバーの顔色ばかり窺ってしまう
・納得できるアイデアや戦略が思いつかない


などなど。
自分はなんてダメな人間なんだろう、このままでは社会で全く役に立たないじゃないか。
そう何度も自分を責めてきてはどう乗り越えればいいのかわからず、ずっと苦しかった。


しかしそれは自分の「苦手」「弱み」で無理やり戦おうとしていた結果だった。

議論や分析が得意なら、戦略を立てる部門のほうが自分に合っている、ただ強みを活かせてなかったのだ。


ー後編に続く

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