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エッセイ

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2021年4月の記事一覧

現代アートの現状

現代アートの現状

小崎哲哉氏の「現代アートを殺さないために」を拝読した。炎上していた、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」を始め、近年の現代アートと、その問題に関して取り上げた本で、一介のアートラバーとしては、現状を知るうえでなかなか読み応えがあった。

できる限り本の内容を記したくはないので、詳細は省くが、私としてはアート側とアートが分からないという人たちと、もう少し緩やかな対話をしていく必要があるのでは、と

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肉まんと豚まん

肉まんと豚まん

私は東京出身だが、現在は大阪に住んでいる。なので、事あるごとに東西の違いを体感している。

関西にきて、初めてコンビニで肉まんを買ったとき、「辛子をつけますか?」と言われ、ああ、ここは関西だ〜としみじみ感じた。

これは関西の人からすると、当たり前らしいが、他地域出身としては、「どこにつければ良いんだろう?」と思ってしまう。(食べながら、ちょっとずつつける人が多いみたいだが。)

なぜ、関西では肉

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ジョゼッペ・ペノーネ / 穏やかな死の香り

ジョゼッペ・ペノーネ / 穏やかな死の香り

今回も過去に鑑賞した作品に関して、私なりのまとめだ。

こちらも、数年前にパリのポンピドゥーセンターで鑑賞したインスタレーションだ。

Respirare l'ombra, 1999〜2000

遠目から見たとき、石あるいは石に見える素材で壁が覆われ、同系色のサンダルが壁に取り付けられているように見えた。だが、近づくと石のように見えたものは網でつくられた枠の中に、月桂樹の葉がぎっちり詰まっているも

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ビジネスネーム

私は結婚したときに、夫の苗字に変わった。だが、仕事では旧姓をビジネスネームとして利用している。

今日、なにかと夫婦別姓が叫ばれることもあるが、個人的には法を変えるのではなく、まずこうしたビジネスネームを浸透させるのはどうだろうか、と思う。

というのも、個人的にはこの使い分けが気に入っている。元々、私は自分の旧姓が好きだった。親も字画を意識して名前をつけてくれたので、バランスもよい。なので、苗字

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ヴィクトル・ブローネル / 悪夢を感じるシュルレアリズム

ヴィクトル・ブローネル / 悪夢を感じるシュルレアリズム

noteを始めた理由の一つに、iCloudの整理のために、美術館や博物館でメモとして撮影した作品や解説・後日調べたことをまとめよう、と思ったことも一つのきっかけだ。

というわけで、初めはヴィクトル・ブローネルだ。数年前にパリのポンピドゥーセンターで鑑賞した。

Endotête (1951)

ブローネルの作品が展示してある部屋に入って、まず感じたのは、なんとも言えないグロテスク感だ。

目に飛

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覚えられない顔

私は人の顔を覚えることが苦手だ。失顔症という言葉を知ったのは、高校生くらいのときだが、どうも私は失顔症らしい。

この症状を知って、むしろ他の人はそんなに人の見分けがつくのかとびっくりした。知らず知らずのうちに、私は髪型やメガネ、洋服の趣味などから人を判別するようになっていたのだ。

なので、髪型が変わったり、ヒゲを剃られたり、いつもラフな格好の人がスーツを着たりすると、本当に気づかなかったりする

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青森の思い出 ⑥

前記事で触れたように、最後はガイドからきいた話をまとめたいと思う。あくまでガイドからきいた話と一部調べて補填して書いているため、多少異なることもあるかもしれないが、了承してほしい。

普通の観光バスのガイドであれば、見所や歴史なんかを話すと思うが、私の出会ったぐるりんバスのガイドは、下北半島が抱える問題をはなしてくれ、それ故にこの旅行がとても印象に残ったのだ。

下北半島というと、どのようなイメー

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青森の思い出④

青森の思い出④

この青森旅行の思い出も、いよいよハイライトだ。とはいえ、記事はいくつかに分かれる予定である。

以前の記事でも書いたように、私はペーパードライバーなので、公共交通機関で移動をしなければならない。

下北半島は下北駅が最北端の駅になるので、お目当ての恐山などに電車で行くことができない。

そこで利用したのが、ぐるりんしもきた号というバスだ。下北半島の観光地である、恐山、仏ヶ浦、大間崎、尻屋崎を巡るバ

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青森の思い出③

青森の思い出③

前回の記事では、下北半島へ移動したところまでを紹介した。

下北駅はきれいに整備された駅で、また少し歩くと大きな通りにでる。

駅の近くの評判の定食屋で夕飯をとるつもりでいたが、なんと臨時休業だった。定休日は調べていたのに、なんとも残念だ。

他の食べ物屋を探そうと、大通りに出たが、マクドナルドと宅配ピザ屋とラーメン屋とスーパーしかない。

旅先でマクドナルドやピザはちょっとと思い、スーパーで弁当

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青森の思い出 ②

青森の思い出 ②

今更ながら、この旅行記は7年ほど前の話である。旅行の情報としては、今は古い可能性が高いので、あくまで読み物として楽しんでもらえると嬉しい。

乗っけ丼を食べてから、バスで三内丸山遺跡に向かった。朝一だったこともあり、私の他には2、3人しかいなかった。

さっと見るだけのつもりが、せっかくなのでゆっくり写真を撮ったり、公開していた発掘現場を眺めたりしていたら、2時間近く滞在していた。

このときに、

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青森の思い出 ①

青森の思い出 ①

7年ほど前に、青森に一人旅をしたときのことをふと思い出した。

当時、どこに行こうかと「日本 絶景」と調べ、なぜか恐山に惹かれた。仕事終わりに夜行バスで向かう二泊三日の弾丸旅行だった。

「なぜ、青森?」とみんなに聞かれたが、理由は特にない。ただ、当時はちょっと仕事の人間関係で疲れていて、失礼ながらあまり人が多くない観光地に行きたかったんだと思う。(実際、心配なくらい人がいなかったのだが)

なぜ

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呪術廻戦を読んで

最近、「呪術廻戦」を読み始めた。
ジャンプ本誌は読んでいないので、新鮮に楽しんでいるが、改めて「鬼滅の刃」はジャンプ誌では少し異色...というと語弊があるが、従来のジャンプ漫画と比べると読み方の違うバトル作品だったのではないか、ということを考えた。

というのも、「鬼滅の刃」はどんな技を出しているのかの説明が全くないのだ。
呼吸についての解説は少しあるが、それぞれの型が具体的にどういうものなのかと

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