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アキの詩集

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2022年9月の記事一覧

言葉の花束ーアキの詩集No.73

言葉の花束ーアキの詩集No.73

1.「嵐なんて」嵐なんて
なければ良いのに

何でも
流して
何でも
壊していってしまう

せっかく実った
作物が
台無しになったり

尊い命が
無くなったりもする

嵐なんて

言いたくなるけれど

嵐が去った後の
晴れやかな空は

なんて
美しいんだろう

空が
たくさん
涙をこぼしたからか

いつもの
晴れた空と比べると

いっそう
スッキリと
澄んだ空をしているんだ

嵐がなければ
見る

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言葉の花束ーアキの詩集No.72

言葉の花束ーアキの詩集No.72

1.「曼珠沙華は悪い花」曼珠沙華は
赤くて
妖艶な花

彼岸に咲くから
彼岸花とも言う

まるで
花魁の簪のような
花弁

その魅力に
惹きつけられて

花を摘んで
髪に挿したくなる

手を伸ばせば
「いらっしゃい」と
手招きしているかのようだ

摘もうとすると
「あなたは
毒がお好き?」と言ってくる

「なんで?」と
聞くと

「私には毒があるの。
根っこのほうにあるのだけど
そんな毒々しい女を

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言葉の花束ーアキの詩集No.71

言葉の花束ーアキの詩集No.71

1.「十五夜の夜、姫の地球に寄せる想い」十五夜の月

こうこうと光る
満月を
下界の私達人間が
眺めているならば

かつて
月に帰って行った
あの
竹取物語の姫も

月から地球を
眺めているのかもしれない

羽衣を着せられて
記憶を消されていても

きっと
地球を見ては
胸が熱くなり

涙が
頬を伝っているのではと
思ってしまう

それは
魂に思い出が
刻まれているから

穢れた地球と
天人達は言

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言葉の花束ーアキの詩集No.70

言葉の花束ーアキの詩集No.70

1.「私のお気に入りをあげるわ」傘を
バスの中に
忘れてきてしまった

緑と青の花柄が
とてもおしゃれで
気に入っていたのに

ショックだけど
いいよ

私のお気に入りを
見ず知らずの誰かに
差し上げてもいいわ

見つけてくれた人に
ささやかな
プレゼント

雨の中
その傘をさして歩くと

花がぱぁっと開いたように
とても華やかになるの

私だけの
大切なお花だったけれど

見つけてくれた人に

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