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言葉の花束ーアキの詩集No.70


1.「私のお気に入りをあげるわ」

傘を
バスの中に
忘れてきてしまった

緑と青の花柄が
とてもおしゃれで
気に入っていたのに

ショックだけど
いいよ

私のお気に入りを
見ず知らずの誰かに
差し上げてもいいわ

見つけてくれた人に
ささやかな
プレゼント

雨の中
その傘をさして歩くと

花がぱぁっと開いたように
とても華やかになるの

私だけの
大切なお花だったけれど

見つけてくれた人に
あげましょう

気に入ってくれるといいな

誰の手に渡るのかしら?

どんな人が
私のお気に入りを
使ってくれるのか

想像すると
とても楽しい



2.「傷や苦しみを肯定しないで」

自分の受けた
痛みや苦しみを

そこから学びを得るために
必要だったなんて言って
肯定しないで

結果として
学びを得られたとしても

それは
結果論でしかない

傷ついて良い人
苦しんで良い人なんて
いないんだから

傷や苦しみを肯定するのは
極論かも知れないけど

自分や
自分の所属する集団の
正義や利益のために

他の誰かを攻撃し
色んなものを破壊するのと
同じかも知れない

傷や苦しみを
肯定するのは

誰かを傷つけ
苦しめるのを肯定するのと
何が違うのだろう?

いずれにせよ
何を口実にしても
良い結果を生まない

誰かが傷つき苦しんでいる

それが
自分であるならなおさら

そこから抜け出す
意志を持ってほしい

何かを得たいから
苦しみたい

そのための努力として
合意していて

喜びなどの
苦しみの対価を得ているなら
甘んじて受けても良いかも知れないが

苦しみにより
何を得ているかを見極め

本当にほしいものを
得ていないで
傷つき苦しんでいるならば
手放して良いはず

先の未来のため
選んでいるとしても

今が幸せでなければ
先の未来も同じかも知れない

今の幸せのために
何が必要かを
しっかり見極めよう



3.「強さも弱さも大事な一面」

強くならなければいけない
理由って何?

それがはっきりしていないで
気負っているならば

少し
気を緩めた方が良いかもしれない

弱音を吐いて良い

弱みを見せて良い

それを許可してくれる
環境があることや

それを
自分が許可すること

そうすることで
自分の生きづらさが
軽くなるかもしれないよね

人の強さは
弱さに裏打ちされて
成り立っている

強さと弱さを
行ったり来たりして

片方だけというのは
ないと思う

だから
今の自分に必要な
気持ちの持ち方をしよう

心のバランスを取ること

強さも弱さも
同じくらい
自分の大事な一面だということを
忘れないで



4.「安心して休みたい」

肩が痛い
頭が痛い
目が痛い

体の不調は
正直だ

ストレスをきちんと表示して
ケアを求めてくる

それに対し
私はきちんと
応えられているだろうか?

痛いところに手を当て
呼吸を深くゆっくりする

意識的には
やっていても

なかなかじっくり
休めない

つい
頭や体を動かすことで
刺激を求めてしまう

休むことに
心が合意出来ないのは

休むことが
不安を増幅させるからだ

安心したいから
動く

動かなくても
大丈夫だよ
安心出来るよ

そのメッセージが
なかなか自分に伝わらない

休むことが
拷問になっている

自分がおかしくならない内に
安心して
休めるようになりたい



5.「助けを求めても」

昔の私は

助けてが言えなくて
誰からも
手を差しのべられなくて

独りで
耐え続けるしかなかった

今は
昔と違って

助けてを言う
勇気がある

ちゃんと
助けを
求めているはずなのに

なんで
助けてくれないのだろう?

声を上げれば
助けてくれる
ものではないの?

何で
受け流されるのか?

反応が返ってきたとしても
何で
攻撃されるのか?

弱い私が悪いの?
耐えられない私が悪いの?

自立を賛美する人がいるけれど

何でも1人で解決しなければ
いけないの?

1人だけの力に頼り
耐え続けても
かえって
答えが出なくなることだってある

他人をあてにするなと
言うけれど

信頼したいから
あてにするのであって

あてにするなと言うのは
誰も信頼するなと
言われているようなもの

助けて欲しい

誰かを信頼したい

それを願って
何が悪いのか



6.「信頼を得る人とは」

信頼は

大きな事を成し
名声を得れば
付いてくるものではなく

人と交わした約束や
ちょっとした相談など

些細な事を
きちんと果たしていくこと

その積み重ねで
付いてくるものだ

例え
今すぐに対応できなくても

その旨を伝え
いつまでに対応するかを
明示するとか

相手への配慮を
忘れない

どんなに小さな事だとしても
困っている人や
頼りにしている人を
思いやる

その誠実さを
行動や言動に現していく人は

名声抜きに
信頼されるだろう



7.「目に見えない血反吐」

溜まりにたまった
葛藤
ストレス

吐き出したくても
実体はない

でも吐かずにはいられず
目に見えない血反吐を吐く

体は無傷で
健康だとしても

心は
ズタズタのボロボロだ

目に見えない傷が
いくつもできていて

絶えず
目に見えない血を流している

心の痛み苦しみは
その傷の疼きだ

痛み苦しみが
限界値を超えると

こうして
目に見えない血反吐を吐くんだ

どうすれば
吐かなくてすむのか?

どうすれば
心の傷は癒えるのか?

笑おうとすれば
かえって傷が疼く

そもそも
笑う元気や
楽しむ元気が
ない

私が求めることは
ただ安心したいだけ



8.「人生にマニュアルはない」

人生に
マニュアルはない

というか
作れない

だって
多種多様の人間がいて
みんな違うのだから

その人によって
出される答えが違う

その人に適した
生き方や正解も違う

だからね

あの人が言ったから
これは正解って言うことは
ないんだよ

自分がその時々に
良いと思った答えを積み重ね

どんどん
更新していけば

自然と
自分の生き方ができてくる

ある人の生き方を
参考にするのもアリ

色んなことや人に
影響されながらも

自分のオリジナルの生き方を
作り上げていく

あなたの人生は
あなただけのものなんだよ


9.「落ち着く音」

仕事が終わって
帰宅して

洗濯物を
たたむ時間

蝉時雨と共に
頭の中で流れる
ピアノ曲

何というタイトルかは
忘れてしまった

けれど
ゆったりとした
幻想的な曲調が

疲れた心と体を
癒してくれる

動画で曲を流そうかと
思ったけれど
いいや

蝉時雨と
頭の中で流れるこの曲が
あれば良い

むしろ
これが良い

無理矢理
刺激を取り込むより

静かな音
自分から溢れ出る音の方が
ずっと心が落ち着く




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