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ワークショップデザイナーしています。人間の経験と学習に興味があります。学習に身体的な側…

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ワークショップデザイナーしています。人間の経験と学習に興味があります。学習に身体的な側面からアプローチすることを考えています。「マインドフルネス」「インプロ」「哲学」「心理学」「教育理論」「文学」「アート」などをテーマにいろいろ読んだり考えたり書いたりしています。

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目次~INDEX

ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 「マインドフルネス瞑想」「哲学」「心理学」「心理療法」「教育学」「学習理論」「組織論」といった多種多様な領域の知を「インプロ」という即興で演じられる演劇の語彙を使って一つに縫い上げようという壮大な試みをしています。 これはその目次です。各テキストにはリンクから飛んでください。 各テキストのページには本文掲載の前にそこでどんな内容を書いているのか「枕」(前書)をつけてあります。そちらをご覧になって参

    • 0.Prologue はじめに(後)

      ねぎぽんです。ワークショップのデザイナー兼ファシリテーターです。マインドフルネス瞑想やインプロを取りいれたワークショップや読書会をしています。 「マインドフルネス瞑想」「哲学」「心理学」「心理療法」「教育学」「学習理論」「組織論」といった多種多様な領域の知を、インプロという即興で演じられる演劇の語彙を使って一つに縫い上げようという、無体な試みとも思えるテキストを公開しようと思っているところです。 「Prologue」の前段では、ぼくの人となりをご紹介いたしました。後段では

      • 0.Prologue はじめに(前)

        ねぎぽんです。ワークショップのデザイナー兼ファシリテーターです。 いまから、noteで、テキストを公開していこうと思います。そのテキストの概要を一言でまとめれば、「マインドフルネス瞑想」「哲学」「心理学」「心理療法」「教育学」「学習理論」「組織論」といった多種多様な領域の知を、インプロという即興で演じられる演劇のボキャブラリーを使って一つに縫い上げようという、稀有壮大な試みです。 本編に入る前にぼくがどんな経緯でこのテキストを残そうとしたのか、自己紹介もかねてお話いたしま

        • 9.Epilogue おわりに

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 いよいよエピローグです。まさかこれを書く日が来るとは夢にも思いませんでした。ぼくの人生はこの「ファイナルボキャブラリー」を書くためだけに費やされてきたと言っても過言ではありません。すくなくともこの15年が終わります。 生きるのに生きづらさ感じていた20歳そこそこのころ宮台真司をよく読んでいました。ぼくは中学時代にオウム真理教事件と阪

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        • A Reviver is writting...
          46本

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          4-7.インプロ的運命 / J.Derrida

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 はじめてインプロに触れたときからずっとインプロとは哲学的な実践だと思ってきました。何から何までインプロで語ってしまうことができるのに興奮したものです。果たして、それがよいことか悪いことかは分かりません。 「脚本がない演劇」という極めてシンプルな形式だからこそ、ここまで多様な哲学をめぐる思考を導くことができたのだとも思います。これはあ

          4-7.インプロ的運命 / J.Derrida

          4-6.インプロ的物語 / W.Benjamin

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 インプロは脚本のない演劇ではあるけれどストーリーがないわけではありません。むしろ、物語はインプロになければならないものです。その場で即興的にストーリーを作りながら進んでいくことにインプロのインプロたる由縁があるものです。 ストーリーのでき方にスパイスをかけるのもインプロらしさで、そのためにワンワードをはじめとしていくつものゲームが用

          4-6.インプロ的物語 / W.Benjamin

          4-5.インプロ的関係 / Autopoiesis

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 メルロ=ポンティの思考を借りて、人間個人を超えた場や世界の生の力について書いてきました。ただし、メルロ=ポンティ晩年の思想は「肉の形而上学」と呼ばれることもある程で、すこし抽象的になってしまった感もあります。もうすこしだけぼくたちの日常に近づけて考えられるものにしたい。 ここでは社会システム理論を唱えたドイツの社会学者ニクラス・ルー

          4-5.インプロ的関係 / Autopoiesis

          4-4.インプロ的身体/M.Merleau-Ponty

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 インプロのコミュニケーションが語られた痕跡を語りなおすコミュニケーションであることをレヴィナスに迂回しながら書いてきました。だけど、インプロのコミュニケーションはそれだけでは汲み尽しえない豊かさをもっています。 レヴィナスの思考はあくまでも「私」と他者の一対一の関係を軸に組み上げられたものでした。けれども、インプロは複数のプレイヤー

          4-4.インプロ的身体/M.Merleau-Ponty

          4-3.インプロ的応答 / E.Levinas

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 インプロのワークショップは「コミュニケーション力を高める」という触れこみで開かれることが多いようです。ぼくが開催するときもそういった看板で告知することがあります。けれども、インプロで本当に「コミュニケーション力」が高まるかは正直微妙なところです。 インプロは確かに人が人と関わる行為ではあるけれど、それが一般的に使用される意味での「コ

          4-3.インプロ的応答 / E.Levinas

          4-2.インプロ的運動 / G.Deleuze

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 インプロによる哲学の素描はジョルジュ・バタイユを終えて、ジル・ドゥルーズに入ります。ドゥルーズは生涯を通じて動きつづけることを思索の中心にしました。 ドゥルーズの哲学は差異と反復の哲学です。差異が反復して反復が差異を生む運動の哲学です。オファーの度にイエス・アンドの度に、その反復の度に差異が生まれてくるインプロの運動を描写するのにド

          4-2.インプロ的運動 / G.Deleuze

          4-1.インプロ的体験 / G.Bataille

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 マインドフルネス瞑想とインプロについて書いてきました。ここからは哲学の領域に足を踏み入れていきます。これを書くことが最大の目的でした。 ぼくは哲学を長く学んできました。ときに文芸批評、社会学、人類学、心理学、美学芸術論だったこともありますが、その根はすべて哲学にあります。そして、インプロに出会ったとき、ぼくが学んできた哲学の実践がこ

          4-1.インプロ的体験 / G.Bataille

          8-6.Democratic Innovation

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 「ヴィジョン」「デザイン」「リーダーシップ」の交差配列(キアスム)を辿ることで、スタート地点に着いた人たちが語りあうことで生まれるナラティブがイノベーションを駆動することを書いてきました。 長かったこのテキストの旅もここで本編は最後です。最後にヴィジョンの生みだすナラティブの交差に「民主主義=デモクラシー」の可能性を託して書いていき

          8-6.Democratic Innovation

          8-5.物語るヴィジョン

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 ここではイノベーションに欠かすことのできない未来を指し示すもの、つまり「ヴィジョン」について書いていきます。 ピーター・センゲの『学習する組織』やオットー・シャーマーの『U理論』といった著作に代表される「組織開発」(Organizational Development)に関わる研究や実践の現場では「イノベーション」「リーダーシップ」

          8-5.物語るヴィジョン

          8-4.イノベーションのジレンマ

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 「社会を変える」というフレイレ由来のテーマから引き継ぐ形でいよいよ「イノベーション」という言葉が指し示す当のものについて考えていきたい。 昨今、人材育成や企業戦略の文脈で「イノベーション」の文字を見ないことはありません。恒常的な成長を見込むことはもちろん、状態を維持することはさえ一筋縄でいかない現在、劇的な変容への対応が求められてい

          8-4.イノベーションのジレンマ

          8-3.ミクロのイノベーション

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 ここまで場を拘束する権力の関係性について書いてきました。畢竟、権力とは場に張り巡らされた文脈です。誰が文脈をその手に握るかが権力のゲームとなって駆け引きを生みだします。 場を拘束する文脈が固定化すれば、その場に関わる人間はみな規格化され等質なものへと化していきます。そこに差異を生みだす能力こそ身体に宿る力であることを見てきました。

          8-3.ミクロのイノベーション

          8-2.生存の美学

          ねぎぽんです。ワークショップのデザイナーとファシリテーターをしています。 このテキストの全体像は「目次」をご用意しましたのでご覧ください。 イノベーションについて語る前にイノベーションの前提となる権力のネットワークについて書いてきました。つまるところ、権力の争いとは文脈をめぐるゲームです。いかに世界を意味づける文脈を自分の手元に引いておくかが権力闘争の認識論的なエッセンスです。 人間の暮らす場にはつねにすでに先在する権力のネットワークが張り巡らされています。場の文脈を抑

          8-2.生存の美学