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ブログでしか言えない話

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2019年4月の記事一覧

合意と多様性

合意と多様性

近頃、多様性の話題をよく聞くようになった。
古今東西様々な場所や状況で議論がなされ、支持や懐疑が飛び交っている。

その議論の一つに、「多様性を認めないという多様性を認めるか」といったものがある。

とてもややこしいのでもう少し紐解いて説明すると、多様性というものは全ての意見を認めるのだから、「多様性を認めない」という意見も認めるべきなのではないか、ということだ。
人の権利を認めるのならば「殺人の

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耽読

耽読

最近、空きの時間は粛々と本を読んでいることが多くなった。
夏に帰国する際、文学旅なるものを敢行しようと思っているので、その下準備のためだ。

幼少期に本をよく読み、中学に上がる頃には読む書籍が科学のものに変わったため、児童書はよく知っているものの、大人が読むような本には少し疎い。
それでも有名な人の本などはそれなりに読んでいるつもりである。

読み返す本もあり、新しく読む本もあり、こうやって本を読

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差別と不平等

差別と不平等

SNSを見ていると、痴漢の話だったり、レイプや社会の女性差別の話を目にすることが多い。
1回タイムラインを確認するごとに1つは見るし、そういう話は感情に訴えかけてくるものなので拡散もされやすい。

女性差別批判などはミームになりやすい事象の一つだと思う。

私の周りには女性のエンパワメントの活動をしている人も多く、性教育界隈でも男女平等はベースとなる思想で、よく話題になる。
私自身も多様性絡みの授

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昼下がり微睡みの間

昼下がり微睡みの間

昨夜街を襲った低気圧が辺りの雲を片端から吹き飛ばしてくれたせいで、今日は朝から快晴だ。家を出る時間、少し前まではほど暗かった時間帯だけど、今日はもう光が差していた。世界が冬を抜け出していく。
朝、六時間ほど寝てから起き出したが、未だに上手く開かない目を擦り、一つ目のクラスを受ける。数学だ。
終わったらそのまま大学内お気に入りの席へと歩き、午後のクラスの為の本を読んだ。
計40ページ。慣れない語彙に

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過剰な反応

過剰な反応

過剰に反応してしまう時というのがある。
それは、私たちの意識では捉えられないほど深くに位置し、そして私たちを形作っている何かが起こす反射のようなもので、私たちがそれを捉える事は容易ではない。

アメリカに来てからというもの、自分とは全く異なる価値観で生きる人に出会う機会が増えたように思う。
それは単に文化の違いを目にすることが増えたのが一大要因ではあるが、日本語での関わり合いの中でも相当に多様性が

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図書館の床に座りながら本を読んでいた時のこと

小さい頃、あれは確か小学校高学年から中学生にかけてだったと思うけれど、図書館の専門書が置いてあるスペースに頻繁に通うようになった時。

初めは児童書の部屋からスタートして、何がきっかけかは忘れてしまったけれど物理に興味を持ち始めて、児童書の部屋の検索端末で本を調べた。
そうすると見覚えのない番号が書いてあって、「これってどこにありますか」と司書さんに聞いたのを覚えている。

「これは二階だね」と言

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多様性について

多様性について

昨日は今期始めのクラスがあった。
新元号発表で興奮しきった頭を何とか抱えてバスに乗り、授業を受ける。
今回の教授たちとはうまくやれそうだなと思いながら、学期始めの説明を受け、宿題を確認しながら家路につく。

今期は夜のクラスがあるので帰る頃はまだ少し暗いのだけど、この時間に家路につくのは久しぶりで気分が舞い上がっていた。
アメリカの夜は怖い。私も他の街を旅するときは絶対に夜は出歩かない。
だけど私

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