昼下がり微睡みの間
昨夜街を襲った低気圧が辺りの雲を片端から吹き飛ばしてくれたせいで、今日は朝から快晴だ。家を出る時間、少し前まではほど暗かった時間帯だけど、今日はもう光が差していた。世界が冬を抜け出していく。
朝、六時間ほど寝てから起き出したが、未だに上手く開かない目を擦り、一つ目のクラスを受ける。数学だ。
終わったらそのまま大学内お気に入りの席へと歩き、午後のクラスの為の本を読んだ。
計40ページ。慣れない語彙に四苦八苦しながら、要項を纏める。
途中昼休憩を挟み、二時間ほど格闘して読み終わった。
最近は気分の上下が激しいので、自分の機嫌を取る為にお気に入りのカフェに行く事を決意する。
ダウンタウンへ向かうバスの中。
眠い。
とにかく眠い。
久し振りに昼ご飯をまともに食べたからか、英文と格闘していたからか、朝からの眠気が祟ったか、わからない。だけど眠い。
瞼が降りてくる。
私が住んでいる街は治安が良いので、ふとした時にバスの中でウトウトしてしまう。他のアメリカの街を旅した時は全く眠くならなかったので、この街にいるからなのだと思う。
お気に入りのバンドの新曲を聴きながら目を瞑る。取り留めのない思考(昨日やってたYouTube動画の編集など)をしていると、だんだんと周りの環境から隔絶されていくような気がした。
こういうのを「精神と時の部屋」と言うのだろうか。ぼんやりとした頭で考える。
いや、これはそんなものじゃない。もっとゆるい、「昼下がり微睡みの間」とか、そんな感じの何かだ、多分。
音楽と、バスの振動しか鼓膜に響かない空間。
ぼんやりとした時間を過ごしていると、徐々に意識が浮き上がってくる心地がする。そろそろダウンタウンに着くのだろう。
今日は、何となく豊かな日だ。
低気圧が続いたので頭がぼんやりとして仕方がなかった過去数日。ホルモンバランスの影響で精神が不安定であったのも手伝って、鬱々とした日々を過ごしていた。
だけど、今日晴れ間が見えたのと同時に少しだけ晴れた私の気分と、齎された豊かな日に、「私は自然の中で生きているのだな」と思う。
自然とのつながりを感じる時が、私は人生の中で一等好きだ。
追記
この文章は午後のクラスが終わる前に書いたのですが、午後のクラスが終わって外に出てみると雨が降っていました。
最近の低気圧、全然仕事しないな、おい。朝からぼんやりとしてたのは、普通に低気圧のせいでした。でも豊かな日だった。
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