増田俊也『北海タイムス物語』を読んで、いる
2021年の1冊目は、増田俊也氏の『北海タイムス物語』(新潮文庫)に決めた。昨年買ってから数ヶ月間、机の上に放置されていた、いわゆる"積読本"だ。
海外での記者活動を夢見て、全国の新聞社を受験した野々村巡洋が入社することになったのは、在外支局を持たない地方の新聞社、北海タイムス社だった。記者経験を積んで、他紙に転職しようという思惑も空しく、配属されたのは紙面レイアウトを作成する整理部で……
今で言うパワハラやセクハラが横行する、昭和の香りを色濃く残す平成初期の新聞社を舞