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#ポエム

詩 ︙ 虚影

詩 ︙ 虚影

ひとは誰かの評価で出来ている
自分じゃ自分を測れない
物差しは外にある

褒められて1cm

怒られて−2cm

告白されたら3cm

誰にも必要とされない人間は価値のないひと
自分の姿を見られないひと

あの子の中に自分を見る
瞳に映る透明な私
憧れのあの子を見てるつもりで
本当は無価値な自分を覗いている

全部の物差しを捨てて
自分の瞳で自分を見たい
でも透明だから何も見えず 測れず 映らない

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詩 ︙ 昇礁

詩 ︙ 昇礁

産まれた時から違う環境
あの子の当たり前は私の特別

常識の違う2人が求める幸せは高さが違う
私は早く普通になりたい
私は早く特別になりたい

最低でも普通
普通でも目標

毎夜幸せになりたいと願う
毎夜普通に暮らしたいと願う

生きてるだけじゃ足りない毎日
普通に生きたくて生き抜く毎日

何者かになりたい普通な私
何者でもないから何者かの私
愚少は希少 普通は平凡

見て 出て 体験 した訳でも

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詩 ︙ やにやに

詩 ︙ やにやに

バイト終わりに煙草を吸う

今日も疲れた
きっと明日も 明後日も その次も

吐いた煙が溶けて消える

振り返った1日も

一緒に溶かす

毎日死んで 毎日溶ける

朝の光で煙が立って 夜には吸殻 雲の中

吸ってる間 生きている
全部上から見てるから 結果 後報 他人事

雲の中から見た私は

よかったら❤️🔁🤝🕊️お願いします

詩 ︙ パンの唄

詩 ︙ パンの唄

今日死んでもパンを食べる
明日死んでもパンを食べる
昨日もパンを食べた

生きてるからパンを食べる
でも 食べていても 生きているとは限らない

生活が死んでもパンを食べる
生活したいけどパンを食べる
生きなきゃいけなくて 生活できない

ただパンを食べるだけ
そこに生はない

食べるのをやめたら 生活は起こる
でも生は死ぬ

いつからかツバメが来た

ツバメはパンを食べる
代わりに宝石を落とす

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詩 ︙ 通行

詩 ︙ 通行

知らないことを盾にして
知ろうとせずに刺しに行く
相手が笑えば終わり 怒れば泣く

生まれた時から靴を履き
ただ親切を浪費する
気づいた時には枯れ果てて

でもそれは私の希望

現実は
生まれと育ちで死ぬまで安泰

知ろうともせず 知りもせず
ただ消費して死んでいく

誰が産んでいるのかも考えず

産むしかない私は
今日も消費される

詩 ︙ =

詩 ︙ =

終わって夏に気づく

その間に意味はない

分類されて初めて触れる

今はなく 先もない 

付いた記号だけが存在している

それを見て

また進む

振り返り

分類するために

誌のサークルです。よかったら来てください。

詩 ︙ 侃侃

詩 ︙ 侃侃

空に消えた想いはもう一度空を見つめたとき
少し冷えて戻ってきて

私は前より背が伸びている

過去でもなく未来でもない自分に追われて

覚めない夢を走り続けて

気がつくと知らない場所に倒れている

でもよく見ると

そこは時間の経った同じ場所で

私だけが 何が変わったかわからないでいる

焦燥感にかられ 変化を信じて進むけど

それが前かはわからない

意味があることは 理由がわからず

無い

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詩 ︙ 行燈

詩 ︙ 行燈

6時20分

目が覚めると天井が落ちている

スマホを見て

お豆腐を温めて

元の位置まで押し戻す

昨日は夏空を見て心が浮いたのに

今日は顔の見えない言葉に穴を開けられて

急に飛んで 急に落ちて 

頭も気持ちも乱されて

進んでいる方向がわからなくなったとき

一羽の鳩が飛んできて

ついて行くと いつの間にか目が覚めて

もう天井は落ちていない

怖くないわけじゃない

でも信じている

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詩 ︙ 暗礁

詩 ︙ 暗礁

短夜の生ぬるい風が

思い出のドアを叩く

沈めた記憶に追い詰められて

ひとり天井に掴まれる

動く力も

立ち上がる気力も

何もかも枯渇している

それでも時計は

さらに私を追い詰めて

私はどうしようもなく飛び降りる

でも底には着かない

落ちて 落ちて 落ちて

終わりなく

どこまでも落ち続ける

詩 ︙ 沈み 沈む 夜

詩 ︙ 沈み 沈む 夜

音のない窓から漂う日々が

昼間の雑踏より余計に寂しく

煙の奥に見える日常に恋をして

中央線をひとり歩く

永遠に続く平日が

私の思考を鈍らせて

絶対値を見失う

正解のない問題は

誰もが答えを知っていて

私だけが先生を持たない

それが思考を生み

苦悩を生み

夜に沈む

詩 ︙ 『23:59』

詩 ︙ 『23:59』

誰かが時間を喜々として捨てていたとき

私は時間を盗まれていて

そのことに気づかず彼らを笑っていた

やがて大きくなって気づいたときには

未来だけが残っていた

彼らは時間を生み、それを共有し

相変わらず楽しそうに捨てている

私もそれを見て羨ましくなり

真似して少し捨ててみるが

意味もわからず楽しくもない

捨て方のわからない時間が積もり

永遠に未来が続く

今に辿り着くことなく

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詩 ︙ いぬのこころ

詩 ︙ いぬのこころ

首輪をつけられた私は外に出ない

そこに自由はないと知っているから

周りの子達は 一見嫌がって見せても

嬉しそうに自ら首輪をつけ

自慢しあっている

それを見た私は

自分の首輪に気づいた

でも外し方がわからない

自分でつけたことがないから

首輪は強制されるものだったから

それが首輪だと気づいたとき

もう手遅れだった

懇願し 首輪を外されても

そこに自由はなかった

私は必要な

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