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詩 ︙ いぬのこころ


首輪をつけられた私は外に出ない

そこに自由はないと知っているから

周りの子達は 一見嫌がって見せても

嬉しそうに自ら首輪をつけ

自慢しあっている

それを見た私は

自分の首輪に気づいた

でも外し方がわからない

自分でつけたことがないから

首輪は強制されるものだったから

それが首輪だと気づいたとき

もう手遅れだった

懇願し 首輪を外されても

そこに自由はなかった

私は必要な意思を持っていなかったから

飼い犬は主人をころさない

ころし方を知らないから

狩りの仕方もわからない

顔色を窺い

しっぽをふって生きるすべしか知らない

生きていくためには媚びるしかない

一生誰かの人生を生きる

主人公にはなれない

墓に名前は刻まれない

どこにでもいる

誰でもかえる

ただしっぽをふるだけ

生きるために



私の血となり肉となります