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ライバルたちの真実 第一回:レオナルト・ダ・ヴィンチとミケランジェロ

 そんなわけで次はどうなるかわからないシリーズが始まりました。とりあえず歴史上のライバルたちの真実を書いていきます。あのライバルたちの実際の関係はどうだったのか、奇想天外のエピソードも交えて紹介していきますのでよろしくお願いします。

 さて、栄えある第一回目はレオナルト・ダ・ヴィンチ(ダ・ヴィンチとはレオナルドが生まれた村の名前なのだそうです。ダヴィンチ村のレオナルドさんって感じですかね。というわけでここでは名前のレオナルドで通します。)とミケランジェロのイタリアルネサンスを代表する巨匠のライバル関係について書きました。


『モナ・リザ』の絵画で有名なルネサンス人レオナルドの芸術作品はその名声に比して意外にも作品の数が少ない。現存する作品は十五点ほどしかない。これはレオナルドが近代以前の芸術家としては全く異例なことに近代二通じる芸術家意識を持っていたことと、彼自身が生来非常に怠け者であったため、絵の注文をほとんど断ったり、また納得するまで納品しなかったりしたことから来ているという。レオナルドは非常に頑固者であった。頑固すぎるぐらい頑固であった。気に入らない注文はいやなものはや、いやいやとするぐらい嫌だと断り、いったん引き受けた作品でも、出来に納得しなければダメだこりゃといってたらいを落として家ごと絵を壊したりした。レオナルドはある教会か貴族だったかの注文を受けたことがあるのだが、絵をなかなか納品せず、ついに納品したのは依頼を受けた日から二十年近くたった時だったという。当然その頃には注文者の教会の人や貴族の人はとっくに棺桶入りしてどっかの墓にぶち込まれていたが、レオナルドはそれを聞いても表情一つ変えなかったという。

 こんなレオナルドであるから当然仕事のえり好みが激しかった。彼は気に入れない仕事を注文してくる者たちにはいつもイヤなものはイヤなのと頑として断っていたが、それでも懲りずに訪ねてくる注文者を見てなんだか哀れみを覚えてきた。それで彼はだったら自分の代わりに誰かを紹介してあげようとググってちょっと才能のある芸術家を検索してミケランジェロという若者を見つけたのであった。レオナルドはこの子がいいわと思って注文の依頼に訪ねてくる者たちにミケランジェロの事を勧めたのであった。

 その若き芸術家ミケランジェロは貧しい家に生まれ、いろいろ苦労して芸術家になった男であった。ミケランジェロは急に仕事の注文が増えて来たのを苦労した甲斐があったと素直に喜んだ。ああ!神に感謝を!とうとう私も芸術家として認められたのだ!ミケランジェロは喜び次々と注文をこなしていった。だがこなせばこなすほど次から次へと注文が舞い込んきた。あんまりのオーバーワークにへたばり切ったミケランジェロはいったいなんでこんなに自分のとこばっかり注文が殺到するのかググって調べたのだ。するとなんとレオナルドという有名な芸術家が事あるごとに自分の名前を出して、「私別にお金に困ってないし、仕事もしたくないから、ミケランジェロって子のとこ行ってあげて。その子私よりだいぶ下手だけど仕事無茶苦茶早いからすぐに仕上げられると思うの」と言っているという記事を見つけたのである。ミケランジェロはこれを見て大激怒して目の前のスマホにデコピンしてこう叫んだ。

「お金に困ってないから仕事がしたくねえだあ!貧乏人の俺を舐めてんのかよ!芸術は金持ちの遊戯じゃねえんだよ!人の事を下手だとか抜かしやがって!ろくに絵をかいてねえてめえだけにはそんなこと言われたくないわ!このボケ!」


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