アンニョン食堂

花緒(kao)/ソウル在住。食べ物・カフェ・旅ライター。韓国の食、市場、食堂、カフェを…

アンニョン食堂

花緒(kao)/ソウル在住。食べ物・カフェ・旅ライター。韓国の食、市場、食堂、カフェを紹介しています。上海で日本語媒体の編集者をした後、台湾、ソウルに移住。中華圏も大好きで、年数回訪れます。

最近の記事

オモニの発酵食#1 腸内仕事人、塩水だけで作る胡瓜漬け「オイジ」

アンニョン! 韓国の美味しい美しい日々のごはん、 「アンニョン食堂」です。 オモニが20本ほどの「オイジ」を持ってきてくれました。 オイジとは、きゅうりを塩水に漬けて二週間以上発酵させたもの。 きゅうりそのものについている乳酸菌が増えて発酵する、砂糖や酢を使わないピクルスです。 わたしは普通のピクルスよりこっちの味の方が断然好き。 自然発酵で増えた大量の植物乳酸菌が生きて腸に届くので、腸でしっかり働き、 整腸、 免疫を高める、 血中コレステロール低下作用などいろんな嬉

    • オモニのこだわり調味料#1 塩と醤油

      アンニョン! 韓国の美味しい美しい日々のごはん、 「アンニョン食堂」です。 今日はオモニの使う調味料の話。 オモニはとても調味料にこだわりがあります。 並々ならぬこだわりです。 手作りのもの、 信頼している人やお店のもの、 信頼の置けるメーカーのもの、 市場に行って自分の目で確かめたり、お店の人と話して買うもの、 一つ一つの調味料に、 選んだ過程と理由があります。 美味しいものを作りたかったら、その味を支える基本の調味料にいいものを選ぶことがとても大切。 スーパーに何

      • オモニの三年熟成梅シロップ

        アンニョン! 韓国の美味しい美しい日々のごはん、 「アンニョン食堂」です。 オモニが毎年仕込む保存食の一つに、 「梅シロップ」 があります。 これは、梅を糖分(砂糖や甜菜糖、蜂蜜など)に漬け込んで熟成させたもので、 日本でもよく作られています。 韓国でも梅の季節になると仕込みます。 水や炭酸で割って飲んだり、 料理に使って甘味をつけたり、生臭さを抑えたり、 お腹が痛い時はほんの少しの水を加えた濃いものをグッと飲むと殺菌、整腸してくれる薬にもなります。 カフェにも、シロッ

        • 韓国の大型スーパー「Emart」探索

          アンニョン! 韓国の美味しい美しい日々のごはん、 「アンニョン食堂」です。 久しぶりに「E mart」に行きました。 イーマートは新世界グループの大型スーパー。 品揃えもいいし、キレイで大きいので、韓国に来てから2年ほどはしょっちゅう行っていました。 でも高い。 特に生鮮食品。 野菜、肉、魚類が高いので、韓国生活に慣れるにつれて足が遠のき、 今は普段家の近くの小さな市場と、そこにある小さなスーパーを利用しています。 野菜、肉、その他食品や調味料は大体このスーパー、 果物は

        オモニの発酵食#1 腸内仕事人、塩水だけで作る胡瓜漬け「オイジ」

          冷蔵庫のナムルでビビンバ

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 先日オモニの家で、数年前に亡くなったアボジの法事がありました。 法事は夜にするので、昼間にお供え物の料理を準備します。 さて、お昼時。 子供達もいるし、簡単に済ませたいけどどうしようねえ、 と、オモニと二人で考えていました。 炊飯器を覗くと、ご飯が少し残っています。 冷蔵庫には、法事でお供えするためのナムルが色々スタンバイしています。 「オモニ、ビビンバはどうですか?」 「おー、それはいいねえ!」 というこ

          冷蔵庫のナムルでビビンバ

          ソウル、鉄工場に紛れたベーカリーカフェ

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 わたしが日々通う日常カフェ。 二番目によく行くのが、 文来洞の「Rust Bakery」。 このカフェは、「文来洞芸術創作村」という、 小さな鉄工所がひしめく中にカフェやアトリエ、ギャラリーなどが点在するエリアの外れにあります。 初めて行くと素通りしてしまいそうな、 周りの工場にとても馴染んだ佇まい。 古い建物の味をそのまま生かしてカフェに改装されています。 天井に開けた天窓から光の差す下に、アンティーク

          ソウル、鉄工場に紛れたベーカリーカフェ

          幸福の豆もやしクッパ。

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 食べた後に、ほーっとため息をつきながら 「美味しかった…」としみじみかみしめてしまう食べ物がたまにある。 胃袋がじんわり幸せで、その幸福感が身体に広がっていくような感覚になる食べ物。 その一つが、我が家行きつけのお店の豆もやしクッパです。 金浦空港から車で10分足らずの場所にあるので、 海外に出る前、戻ってきた後、 金浦空港発着の時はいつもこの店に来ます。 メニューは、 콩나물국밥(コンナムルクッパッ/豆

          幸福の豆もやしクッパ。

          オモニの庭でサムギョプサルパーティー!

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 田舎のオモニの庭で、サムギョプサルパーティーをしました。 オモニは3年前までソウル近郊で暮らしていて、 でもずっと前から田舎に住むことが夢だった。 自分が田舎で生まれ育ったのもあるし、 田舎で庭のある家に住んで、そこに遊びに来た子供や孫たちのために 美味しいものを作ってみんなで食べる、 庭で少し作物を育てたり、庭で料理をして食べる、 それを思い描いていました。 タイミングを待ったり、 住む場所を探したり、

          オモニの庭でサムギョプサルパーティー!

          ソウル麺#1 ドゥルケカルグクス

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、アンニョン食堂です。 今日は韓国の麺の話。 韓国の麺といえば、まず思いつくのは冷麺。 他には うどん風のカルグクス、 中華麺のジャジャン麺、チャンポン、 それから素麺みたいなグクス、 などなどでしょうか。 日本でもそうですが、 やっぱり手軽で美味しい麺料理は、韓国でも愛されています。 このシリーズでは、韓国の麺料理をひとつひとつ紹介していきます。 初回は、わたしのイチオシ(いわゆる推し麺)、 一番好きな麺料理。 ドゥルケカルグクス

          ソウル麺#1 ドゥルケカルグクス

          ソウルの韓屋で食べる、定食風ごはん

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 日本でいう「定食」のような、おひとりさま完結スタイルのご飯は、 韓国では例えばチゲのお店などに行くと食べられます。 キムチチゲとか、スンドゥブチゲとか、 ひとつ頼むと ごはん、チゲ、キムチ、ナムルが数種類ついてきて素晴らしい栄養バランスのお食事になる。 これって韓国式の定食だな、と思っていたのですが、 このところ日本の定食のようなスタイルの店も良く見かけるようになりました。 先日、発酵料理家のキムユミさんと

          ソウルの韓屋で食べる、定食風ごはん

          裏山ピクニック。韓国のテイクアウト文化

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、アンニョン食堂です。 我が家はソウルの端っこにあって、 近所に大型スーパーもなければ、地下鉄駅もない。 だけど、裏にちっちゃな山がある。 木が生い茂っていて、散歩道もあるし、木々の中で子供達の遊べる場所もある。 おっきな公園もある。 都市の自然が少ない場所に住んでいると心がパサパサしてしまうけれど、 ソウルなのに自然に囲まれたこの場所をとても気に入っています。 晩秋から初夏にかけては、山がとても気持ちのいい時期。 いい天気に思わず誘わ

          裏山ピクニック。韓国のテイクアウト文化

          韓国でも作る、日本のおばあちゃんの餃子

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、アンニョン食堂です。 今日は、家餃子の話。 「餃子」と言っても、 中国式、韓国式、日本式、 それぞれ違います。 中国は水餃子が主流。 皮も家や店で粉からこねて作り、 お湯でグラグラと茹で上げる。 皮で具を包んで形成するのには少しコツが必要で、 わたしは何回やってもあのふっくり愛らしい形にはなりませんでした。 韓国のは、餡に太い春雨や、豆腐が入っててちょっと健康的。 (写真はオモニの餃子!) メインは蒸し餃子と、スープ餃子

          韓国でも作る、日本のおばあちゃんの餃子

          スーパーフード、「どんぐり」寒天。

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り「アンニョン食堂」です。 韓国には、まだ日本ではあまり有名ではない、自然の恵みを上手に使った食べ物がいっぱいあって、 「これ食べてみて!!」 とオススメしたいものがいくつもあります。 その中の一つが、わたしの大好物、 「ドトリムク」。 ドトリはどんぐり、 ムクは寒天状に固めたものです。 どんぐりを挽いて粉にしたものを水と混ぜて加熱して、 寒天状に固めた食べ物です。 スーパーや豆腐屋さんなどどこでも売っている日常的な食べ物で、 飲食店な

          スーパーフード、「どんぐり」寒天。

          ソウルの日常カフェ

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 わたしはとってもカフェが好きで、 毎日行かずにいられません。 これから、韓国のいいカフェも紹介して行こうと思っていますが、 最初に紹介するのは、わたしの日常カフェ。 旅行客がわざわざ来る場所じゃないけれど、 毎日通う価値のあるカフェです。 わたしが住むソウルはカフェ天国。 いや、韓国が、カフェ天国。 犬も歩けばカフェに当たる。 一つ一つのレベルはさておき、どんな田舎に行っても挽きたて豆で淹れてくれるコーヒ

          ソウルの日常カフェ

          オモニのごはん「参鶏湯」

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 今日は、オモニの美味しい美味しいご飯の話。 オモニはソウルから車で2時間ちょっと、 「忠清南道」の山の中に住んでいます。 長年首都圏で暮らしていましたが、田舎暮らしが老後の夢で、3年前に意を決して一人で田舎に移り住みました。 わたしたちは1ヶ月に一度ほどオモニの家に行きます。 その時必ず「何が食べたいか」とリクエストを聞いてくれるのですが、 最近の子供たちのブームは「参鶏湯」。 (ちょっと前までは熟成キムチ

          オモニのごはん「参鶏湯」

          春の野草を美味しく食べる韓国料理

          アンニョン! 韓国の美味しいもの語り、「アンニョン食堂」です。 毎年春のお楽しみがあります。 それは、野草を美味しく食べること。 うちのオモニを始め、韓国の人たち(おそらく主に年配の人)は春の野草を近くから採ってきて美味しく料理して食べます。 日本でも有名なものだと、野蒜(のびる)。 ネギのような草で、根っこは1センチ前後の白い球状になっています。 日本でも野原や土手によく生えていて、 というかオモニによると日本の方が本当にあちこちに生えているのに誰も採らないから

          春の野草を美味しく食べる韓国料理