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恋日記

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愛から、恋にならない恋まで
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#恋

恋人に会いたい

恋人に会いたい。

30歳にもなって、付き合って8年の恋人にこんなに恋焦がれるなんて、聞いて呆れる。でもしょうがない。数年前はいつまでこんなに恋人のことが好きなのだろうと好きすぎて不安になることもあったけれど、最近は開き直っている。

だって好きなんだもん。しょうがないよ。

わたしの仕事始めは2月。ここしばらくは家にいて勉強するか本を読むか筋トレするかみたいな生活を送っていて、ご時世もあり人と会

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彼のことが好きすぎる

彼のことが好きすぎる

昨日は長時間のドライブで疲れ切っていた彼。

家に帰ると歯磨きとシャワーを5分で済ませ、すぐにベッドに潜り込んでいた。つられてわたしもうたた寝をしてしまったけれど、お風呂に入らねばとハッと起きる。
彼はわたしが起きたことに気づいたのか、お酒で真っ赤になった顔を上げ、眠そうな目を開けて、ん、とキスを求めてきた。その表情があまりにもかわいくて、もう悶絶だよ、わたしの顔面はR指定だったよ。

朝、わたし

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必要な寂しさ

必要な寂しさ

「10月に実家の北海道に帰るね」と彼から連絡があった。どうやらお母さんが怪我をして、そのお見舞いに行くらしい。
お大事にしてね、いってらっしゃい。と伝えて、その話題は終わった。

実家に帰る、その言葉を聞いたとき、胸の奥がぎゅっと痛んだ。
別に、連れて行ってほしいとか、挨拶に行きたいというわけじゃない(もちろん、彼のお母さんのことは心配している)。
それにもともとその日程はわたしも予定があって、彼

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ナポリの窓から恋人へ

ナポリの窓から恋人へ

旅に出る前は、いつもいつも、不安でいっぱいだ。

旅に出たくなんかなくなる。
だって怖いんだもん。
知らない国、知らない場所で。
知らない人に囲まれて。
知らない言語が飛び交う。
わたしだけ置いてけぼりにされたみたい。

怖いよ、普通に考えて。
アラサーだけどさ、わたしだって一端の女の子なんだよ。

「嫌だよ、怖いよ」

そういうと、あなたは、「はいはい」って呆れ顔をして、手は繋がずに、ただ背中だ

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旅する日本語コンテスト、優秀賞を頂きました。

旅する日本語コンテスト、優秀賞を頂きました。

去年の夏ごろnoteで募集があった、私の旅する日本語2018 コンテスト。

先日note運営事務局の方から連絡があり、わたしのエッセイ「逃げこんだ先に出会った人」が優秀賞を受賞したと連絡を頂きました!

▼受賞したnoteはこちら

▼受賞発表された記事はこちら

(note運営事務局の方からは優秀賞と連絡を頂きましたが、こちらでは片岡鶴太郎賞になっています)

1月中に「旅する日本語展20

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逃げこんだ先に出会った人

逃げこんだ先に出会った人

『好きかどうか、もうわからない』

あの夏、わたしの心が、わたしに告げたこと。
一緒にいると安らぐし、笑っていてほしいし、こんなに愛してくれる人、きっと他にいないのに。でも、それでも。

わたしは逃げるように、一人イタリアへ旅立った。

たくさんの人に出会った。
涙が溢れる景色にも、おいしくて感激したジェラートにも。

そしてなによりわたしは、あの夏のイタリアで、日本に残してきたはずのあなたに会っ

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大切なあなたにケーキを

大切なあなたにケーキを

友だちと会った帰り道。
たしかこの辺りには、おいしいケーキ屋さんがあったはず。まだやってるかな?と検索して、営業時間ギリギリなことに気づいて慌てて走り出した。
今日は家で彼が待っている。おいしいケーキを彼と一緒に食べて、笑顔になりたい。喜んで、くれるかな。

かつてわたしが付き合った人たちはみんな、特別な日でもないのにケーキやアイスを買ってきてくれた。

わたしはそれがとても嬉しかった。日常の小さ

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