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今日の一言 3冊目

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今日の一言 3冊目
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2016年10月の記事一覧

「礼儀も多すぎると希薄に感じる」礼繁者実心衰也

礼繁き者は実心衰うるなり
―礼繁者実心衰也―

[原文](韓非子 解老)
礼繁者実心衰也。

[書き下し文]
礼繁(しげ)き者は実心(じっしん)衰うるなり。

[原文の語訳]
礼が多いだけの者は真心が薄い。

[解釈]
形にとらわれすぎて気持ちが入っていない人のことです。

やたらめったら褒めまくる人を見ていると、単なる安易な社交辞令にしか思えなくなり興ざめすることがありますね。

あれこれ礼儀を

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「対立では淘汰される」両雄不倶立

両雄倶には立たず
―両雄不倶立―

[原文](史記 酈生伝)
両雄不倶立。

[書き下し文]
両雄倶(とも)には立たず。

[原文の語訳]
二人の英雄は必ず争ってどちらかが倒れるものである。

[解釈]
同じような勢力を持つ二人の英雄は、どちらかが倒れるようになるまで争い、並んで立っていくことはないということです。

VHSとベータ、ブルーレイとHD DVDなど過去に幾度か規格争いがありました。

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「そのまま使えないものでも使用法を工夫する」良匠無棄材、名君無棄人

良匠は材を棄つること無く、明君は人を棄つること無し
―良匠無棄材、名君無棄人―

[原文](帝範 審官)
良匠無棄材、名君無棄人。

[書き下し文]
良匠(りょうしょう)は材を棄(す)つること無く、明君は人を棄つること無し。

[原文の語訳]
優れた大工はどんな材料でも捨てたりはせず、明君は人材を用いないことはしない。

[解釈]
資材にしても人材にしても、使い道がないといって安易に手放すことはし

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「優先順位の一位を決めておく」隆一而治、二而乱

隆一にして治まり、二にして亂る
―隆一而治、二而乱―

[原文](荀子 致士篇第十四)
隆一而治、二而乱。

[書き下し文]
隆一にして治まり、二にして亂る。

[原文の語訳]
尊いことが一つであれば治まるが、二つになると乱れる。

[解釈]
トップや目標が一つであれば統率できるが、二つとなると混乱してしまうということです。

頂点に2人いるとどちらの指示を優先すべきか迷ってしまいますし、派閥争い

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「チャンスは迎えに行く」利不従天来、不従地山

利は天より来たらず、地より出でず
―利不従天来、不従地山―

[原文](塩鉄論 二巻 非鞅)
利不従天来、不従地山。

[書き下し文]
利は天より来たらず、地より出でず。

[原文の語訳]
利益は天から降ってくるものではなく、地から出てくるものではない。

[解釈]
利益は天から降ってきたり、地面から湧いて出てくるものはないということです。

受け身ではなく自ら動かなくては利益は得ることはできない

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「安定期は内部紀律を正すことを怠らない」治世御衆、建立輔弼、誡在面従

世を治め衆を御するには、輔弼を建立し、面従を誡む
―治世御衆、建立輔弼、誡在面従―

[原文](求言令)
治世御衆、建立輔弼、誡在面従。

[書き下し文]
世を治め衆を御するには、輔弼を建立し、面従を誡む。

[原文の語訳]
世を治めて民衆を統御し、輔弼(補佐役)を立て、面前だけ従うことを戒めるべきである。

[解釈]
安定した治世とするには、天子を助ける補佐役を任用し、媚びへつらう人の態度を改め

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「取捨選択をした上で大いに受け入れる」山不辞土、故能成其高

山は土を辞せず、故に能くその高きことを成す
―山不辞土、故能成其高―

[原文](管子)
山不辞土、故能成其高。

[書き下し文]
山は土を辞せず、故に能くその高きことを成す。

[原文の語訳]
山は土を拒まない、したがって高い山となる。

[解釈]
塵も積もれば山となります。山も自ら取捨することなく変化を受け入れるのであのように高くなるのです。

ただし、山も雨などの水を受け入れてしまっては山肌

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「日々最善を選ぶ」応病与薬

病に応じて薬を与える
―応病与薬―

[原文](与済法師書)
応病与薬。

[書き下し文]
病に応じて薬を与える。

[原文の語訳]
病気に応じた薬を与える。

[解釈]
病状にあった適切な薬を処方するということですが、病気以外も適用できそうです。「与える」ですから、投げ出してはいけないということにもなりそうです。

個人と医者の関係に限らず、企業にとってはコンサルタントやアドバイザー、コーチング

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「きちんと評価する」明主不掩人之義

明主は人の義を掩わず
―明主不掩人之義―

[原文](戦国策 巻第十八)
明主不掩人之義、忠臣不愛死以成名。

[書き下し文]
明主は人の義を掩(おう)わず、忠臣は名を成すを以て死をいとわず。

[原文の語訳]
名君は他人の功績を覆い隠さない、忠臣は大義名分のためには死をいとわない

[解釈]
できるトップは人の功績を隠したりせず人前できちんと誉めるものです。他人の功績を我が物としたりしません。

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「信用だけは失わない」寧失千金、毋失一人之心

むしろ千金を失うとも、一人の心を失うなかれ
―寧失千金、毋失一人之心―

[原文](越絶書 越絶外伝記范伯)
寧失千金、毋失一人之心。

[書き下し文]
むしろ千金を失うとも、一人の心を失うなかれ。

[原文の語訳]
大金は失っても、一人でも人心は失ってはいけない。

[解釈]
大金は失っても後で取り戻すことができますが、信用や信頼といった人心は一度失ったら完全に回復することはできないものです。

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「目で確かめるようにする」信耳而疑目者、古今之所患也

耳を信じて目を疑うは、古今の患うる所なり
―信耳而疑目者、古今之所患也―

[原文](抱朴子)
信耳而疑目者、古今之所患也。

[書き下し文]
耳を信じて目を疑うは、古今の患うる所なり。

[原文の語訳]
伝聞を信じて目で見たことを疑うようになるのは、昔から悩みどころである。

[解釈]
目の前の現実を見ずに人の話を信じ込むという、人としての性分は昔から悩みどころということです。

話を聞いて、勝

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「器を大きくする」蜂房不容鵠

蜂房に鵠卵を容れず
―蜂房不容鵠―

[原文](淮南子 氾論訓)
蜂房不容鵠、小形不足以包大体也。

[書き下し文]
蜂房(ほうぼう)に鵠卵(こくらん)を容(い)れず、小形を以て大体を包むに足らざるなり。

[原文の語訳]
蜂の巣の穴に鵠(こうのとり)の卵をいれることはできない、小さなものでは大きなものを包むには足りない。

[解釈]
蜂の巣の小さな穴に大きな鵠(こうのとり)の卵を入れることはでき

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「私欲がないから偏らない」無偏無党、王道蕩蕩

無偏無党、王道堂々たり
―無偏無党、王道蕩蕩―

[原文](書経 洪範)
無偏無党、王道蕩蕩。

[書き下し文]
無偏無党、王道堂々たり。

[原文の語訳]
不偏不党で、王道は私心がない。

[解釈]
偏りがなく広く包み込むことこそ、王道として広く行き渡ることなのです。

王道はゆったりとしていて、紆余曲折や急勾配、急流などはないのです。正攻法というのが当てはまるのかもしれません。

私利私欲や好

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「圧倒できても慎重に」不倍兵以攻弱、不恃衆以軽敵

兵を倍してもって弱を攻めず、衆を恃んでもって敵を軽んぜず
―不倍兵以攻弱、不恃衆以軽敵―

[原文](将苑 将誡)
不倍兵以攻弱、不恃衆以軽敵。

[書き下し文]
兵を倍してもって弱を攻めず、衆を恃んでもって敵を軽んぜず。

[原文の語訳]
兵力が倍あるからといって弱者を攻めず、多勢であっても敵を軽視しない。

[解釈]
力任せに敵を攻めてはいけないし、相手を見くびってはいけないということです。

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