「信用だけは失わない」寧失千金、毋失一人之心

むしろ千金を失うとも、一人の心を失うなかれ
―寧失千金、毋失一人之心―

[原文](越絶書 越絶外伝記范伯)
寧失千金、毋失一人之心。

[書き下し文]
むしろ千金を失うとも、一人の心を失うなかれ。

[原文の語訳]
大金は失っても、一人でも人心は失ってはいけない。

[解釈]
大金は失っても後で取り戻すことができますが、信用や信頼といった人心は一度失ったら完全に回復することはできないものです。

商売でも信用や信頼を失うと回復するには大きな労力を必要としますし、当然去る人も出てきます。取引停止となることだってあります。

たとえ反故にしたことが小さな約束事だったとしても、次に頼むときに「前に約束を破られたことがあったからなぁ」と言われたことがありませんか。小事は大事です。冗談に聞こえても確実に信用度が落ちている証なのです。

資財よりも人財です。財貨より人材を重用しなくてはいけません。借金は周りの協力で返済できますが、人心は周りのとりなしを用いても回復できるものではありません。

「この間はこうだったのに今回は...」と相手を落胆させるようなことをしないように心掛けたいものです。

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