「取捨選択をした上で大いに受け入れる」山不辞土、故能成其高

山は土を辞せず、故に能くその高きことを成す
―山不辞土、故能成其高―

[原文](管子)
山不辞土、故能成其高。

[書き下し文]
山は土を辞せず、故に能くその高きことを成す。

[原文の語訳]
山は土を拒まない、したがって高い山となる。

[解釈]
塵も積もれば山となります。山も自ら取捨することなく変化を受け入れるのであのように高くなるのです。

ただし、山も雨などの水を受け入れてしまっては山肌を削られてしまいます。そうなっては低くなってしまいます。あえて「土を辞せず」はそういう意味も含まれていると考えます。得意分野や長所を伸ばせば良いということでしょうか。

業績を上げたり組織を大きくするには仕事や人材を幅広く受け入れる必要がありますが、組織に負担がかかるような場合は受け入れを考えないといけません。

異分子を取り入れることで変化をもたらすことが可能ですが、山の場合、大きな変化は必要ではありません。よほど崩れ始めている以外に、「山」という基本を変えてしまうほどの大きな変革は無理に取り入れる必要はないのです。

あれこれとメニューを増やす影響で仕入れる食材の種類が増えていってしまうことは避けたいものです。同じ食材を使ったうえで手の加え方や組み合わせによるメニューを増やせば負担も軽減できるのです。世界には数多くの山がありますが、基本となる要素は数少ないのです。

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