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詩  「ある晩春のうた」

詩  「ある晩春のうた」

ある晩春のうた

ふわふわじわじわと瞼
閉じて震えてまた開く。

満身創痍で横たわり
重い瞼をこじ開ける。

風が足元吹き抜けて
灯りは僕の手元を照らす。

闇は僕らを突き放し
僕らは必死に食らいつく。

やがて瞼が重くなり
僕は闇へと落ちてゆく。

詩  「行方」

詩  「行方」

行方

私たちは今、暗いトンネルの中にいる。
真っ暗闇の、中にいる。
見ろ!私たちの光がみえる。
いいや、あれは炎。
私たちの行手を阻む炎。
見ろ、渇きを癒す水だ。
いいや、あれは私たちを飲み込む荒波。
我々はどこに行ったら良い?
いいや、私たちはどこにも行かない。

ゆらゆらゆらゆらゆらゆら揺れる
意識と無意識の狭間で。
暗闇の中 ほんのり汗ばんだ手を握って。
ゆらゆらゆらゆらゆらゆら揺れる

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