『砂の女』 安部公房 著
簡単なあらすじ
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれてゆく一軒家に閉じ込められる。
考えつく限りの方法で脱出を試みる男。
家を守るために、男を穴の中に引き留めておこうとする女。
そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める人々。
渇きと絶望の中で、男の人間らしさが失われてゆく……
感想とおススメポイント
主人公は、休暇を利用して趣味の昆虫採集に砂丘を訪れた男。
たどり着いた集落は、行けども行けども砂だらけ。
集落の老人に勧められた宿泊先は砂に埋もれてゆき、男は陥れられたことに気づきますが……
おススメポイントは、なんといっても物語の世界観。
周囲が砂に埋もれた家で、妖艶で陰のある女との生活。
常に様子をうかがいながら、男を逃がすまいとする住民たち。
一見、男が騙されて閉じ込められただけに感じますが、読み進めていくうちに、そこに込められたメッセージのようなものが見えてきます。
安部公房作品の中では比較的読みやすい作品です。
文豪の作品を読んでみたい方、とっかかりとして一読してみてはいかがでしょうか。
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