【連載小説】 真実なお隣さん③-疑問-
そういえば、ここ1週間ほど、お隣さんの姿を見ていない。
単に、史江がご近所付き合いに無頓着なこともあり、その姿が見えていないだけなのだけだろうか。
いや、そんなはずはない。
アイマスクでもしてない限り、玄関を開ければイヤでも目に入り、明りが灯ればきっと気づくはずだ。
それに、昨年の夏の台風の時は、あの家が飛ばされないか、ひやひやしながら一晩中覗いていたではないか。
けっきょく、台風自体が大きく逸れたため、瓦一枚飛んでくることはなかったが、寝不足のせいで翌朝の会議に遅刻した。