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「誰もが聖域を持っていて、」中田裕二New Al 『Sanctuary』全曲感想

トキです。
昨日発売の中田裕二さんのNew Album『Sanctuary』全曲感想です。
ライブ等で印象が変わった時の為のメモ代わりでもあります。
とてもオススメな1枚なのでよかったら聴いてみてほしいです。
下記の公式ツイートから、各種音楽サービスへのリンクがまとめられていて便利です。

来月ライブ参戦するので、最初の視聴からライブを経てたぶん楽曲の印象も変わるだろうと思ったので、Album「Sanctuary」のファーストインプレッションを残しておこうと、全曲感想をやることにしました。

全曲聴くまでインタビューの類は読まないと決めていたので、中田さんご本人の想いとはズレていると思いますのでそこは気にせず書きます。
あくまで僕個人の感想です。

 

 

フラストレーション

気怠さの中で抽象的な音で、SNS等のソーシャルメディア、現代への憂い。

うんざりした様子でスマホを床に転がすも、自らもそこに横たわるような虚無感を感じた。
やる事があるはずなのにベッドで惰眠と時間を無駄に消費してしまって、自分自身にがっかりしてしまうような。
虚無感からの自己を妙に俯瞰しているような、離人性。自分の生は自分だけのものの筈なのに。

「ただ 真実を掴みたい」
それだけの筈なのに。

恐らく、自分だってうんざりしているその世界の一人である自覚は嫌というほど感じていて。
だからこそフラストレーションが溜まるのだろう。

Sanctuary、聖域の入り口であるフラストレーションは真実に手を伸ばした。

正直、最初にこの曲を持ってくるのは意外だった。
この先の楽曲での展開が楽しみ。

 

 

ランナー

既に2本程感想を書いてしまっているこの曲。

アコースティックの音に乗せたラップ調の、ほんのりと現代を見捨てているような、でも諦めては居ないような印象が好きだ。
1曲目のフラストレーションにも書いたけど、やはり気怠い。気怠さというのは、中田裕二の魅力のひとつだと思う。
気怠さの中にしっかり掴んで離さんとする強さは、彼と彼の楽曲の良さのひとつ。

 

 

誰の所為

こんなに良いと思っちゃうのは中田裕二の所為。

多分、中田裕二ファンはこういう楽曲が好みの人が多いんじゃないかな。

前述の2曲とは表情をがらりと変えて。
何処か噛みつきあうような恋愛のかたちを描いた1曲。

個人的にはこの曲の女の子は「CRAZY ABOUT YOU」で花束を振り回す女の子に匹敵する可愛さがある。

自分から手を振りほどいて(勝手)おいて、後悔して好きって思い知ったから相手にも思い知らせてしまいたくて。「君の所為」とかめちゃくちゃ可愛い。
2番のAメロ〜サビ前は相手の男目線だと美味しい。
女の子は男を怖いもの知らずでちょっと足りない位に思ってそうだけど、男はそんなバカじゃなくて思い上がってる女の子を少し冷めた見方してる感じ。
そこに愛は無いように思い込ませているけど、たぶん誰よりも求めているような。

簡単に崩れてしまう、二人の恋愛という砂の城(サンクチュアリ)。

うん。可愛い。

 

 

月の憂い

ふわりとした触り心地のサウンド。
夢うつつな印象が浮遊感がある。

夕暮れから夜闇へこっくりと更けていくような情景が美しい。
「君」が、きっと心の中心(サンクチュアリ)
朧月のように柔らかく、心の空の真ん中にある「君」。

一見すると聖域感からは遠く感じる。
でもそういうのをあまり出さない、控えめなタイプなのかもしれない。
この曲の主人公はあまり感情を表に出さないタイプのように感じるし。

ライブの照明はブルーベースに生明かりのスポットか、ベースにイエローを射し込んでほしいなぁ。
ライブで早く聴きたい1曲。

 

 

テンション

「月の恋人」のような爽やかな軽さのある1曲。
第一印象は「可愛い」。

ライブ時のコーラスが楽しみ。

声の重なりが多くて、歌える人の多い中田さんのライブにはとっても向いてる曲なんじゃないか。
だめだこれ凄い楽しみ(ライブが)

スパーリングワインとか、シュワッと広がるようなアルコールのCMに使ってほしい。
サウンドもふわふわ感が気持ちいい。お酒飲みながら聴きたい曲かも。
すごく爽やかな軽さ。

お互いが僅かにシンクロしたかな、のリズムの刻み方が好み。
この部分に音をハメて踊りたい。(タップダンスが好きなので)
案外踊りたい曲かもしれない。

曲の終わりの音のくぐもりも良い。
楽しい場の風景が、泡沫のように消えていく様が美しい。
次の「幻を突き止めて」が強めの音で始まるので、フェードアウトしていった先への繋がりが気持ちいい。

 

 

幻を突き止めて

これも既に感想を書いてしまっている。

今は印象が少し変化していて。

何らかのコミュニティ、友人グループなのか仕事場なのか恋人との間なのか。
そこを手放さないように縋っているけど、もしかしたらそこから逃避したいのかもしれない。
そう考えた時に、聖域に居続けたい人ばかりではないよなぁと思った。
聖域にいるべきだ、という考えそのものに縛られてしまうと却って他の聖域や楽園をを求めて逃避したくなるかもしれない。

 

 

レールのない列車

仕事帰りに似合う曲。

「オールウェイズ」の空気感に近い。けれど確実に中田さんがその先へ歩みを進めていることがわかる1曲。

飛び乗れ 今直ぐ 荷物をまとめて
止めどない思いは 夜空へ打ち上げ

サビの情景がこれまた美しい。
中田裕二の世界観は本当に描写がきれいだ。
前向きな歌詞も相まって、かなりポジティブな楽曲だと思った。
中田さんの気怠い系の楽曲は勿論好きだけど、こういうポジティブなテイストの、聴手の背中を押してくれる楽曲も好きだ。
聴いていて、「仕事がんばろー」と素直に思えた。

 

 

ONLY I KNOW

「僕だけが知ってる」
勝ち気な割に危なげな彼女?彼女か。
ちょっと相手を下に見てる感があるのは、「誰の所為」の女の子と近い。在る意味では「誰の所為」の女の子の男版。
この曲の男が上記の女の子と付き合ってたら面白いな、と思ってしまった。
彼女への支配欲がナチュラルに描かれていて、支配欲強めな自分としてはとても好感を持ってしまった1曲。

強くあろうとする彼女の弱さも全部知ってるのは自分だけ。だから話して欲しい。

そういう感覚を纏って見つめる目線は恐らく真っ直ぐな恐さがあって。

僕にとっての彼女が聖域なのか、彼女の聖域は自分だと言いたいのか。

 

 

サンクチュアリ

鳥籠という名の聖域。(個人的感想)

囚われていることを望んでもいるし、囚えてくれるならその場から連れて行かれることも厭わない。
そんな矛盾しているような欲望。

前曲の「ONLY I KNOW」が「僕だけが知っている」なので、その対極の「僕のことは君しか知らない」なのかな。
君以外に知ってもらいたいとも思っていないような。

アルバムタイトル曲ということで、他の楽曲よりも聖域としての色がはっきりとしている。

「手つかずの世界」を今の中田裕二が作ったらこの楽曲になるような気がした。
「誘って」って他者に求めてしまうところとか。
しかしずっとパワーアップしてる。

依存度の高さが伺えるのに、暗すぎないテンションの為に切なさが色濃くなっているのが印象的。
すこし共依存っぽいのかもしれない。
共依存可愛いなぁ…

これもライブが楽しみな構成。

 

 

終わらないこの旅を

イントロのピアノで既に心掴まれる。

これは祈りの歌。

聖域とそれを望む人、聖域に縋る人、聖域を求めて歩む人に捧げられた祈り曲のように感じた。

誰もが聖域を持っていること、その聖域がどんなであれ、肯定してくれる優しさと温かさが詰まった1曲。

すごい。

サンクチュアリまでの全ての楽曲を包括してしまった。とんでもない包容力を持った曲だ。
最後にこの曲を持ってくることがすごい。
これまでの楽曲に出てきた人や、それらを自分の為の曲だと心打たれてしまった全ての人を救ってしまうかのような曲。
個人的に、ディズニー版とと劇団四季ノートルダムの鐘がとても好きなので、四季ノートルダム「フィナーレ」を思い出してしまった。愛と苦しみと深い悲しみの先で、ラストシーンのアンサンブルの歌は「未来を祈る」からととびきり幸福に歌い上げられている。
Sanctuaryの「フラストレーション」以降の曲も様々なドラマを孕んでいる。そのドラマの未来を祈るのがこの曲のように感じた。

人を愛してないとこの曲は書けない。

ライブの最後もこの曲が良い。
絶対泣くけど。

 

 

最後に

「フラストレーション」では、最初にこの曲を持ってくるか…!!!センスすごい(語彙力皆無)と衝撃が走ったし、「終わらないこの旅を」には思わず祈りを捧げた。
最後まで聴いた時、本当にすごいと思った。
どこに行ってしまうの…!!!!

前作「NOBODY KNOWS」で楽曲の印象が一気に開けた印象があったけれど、今回はかなり明度というかコントラストが強くなった気がしている。
明るい部分はより明るく、暗い部分も明暗のコントラストを強くすることで印象が濃くなっているように思います。
(よく、光を撮りたい時は影を撮る、とも言うし。)
感想の中に過去の楽曲のことを書いていますが、そのどれに対しても確実にパワーアップしていて。
より中田さんの世界が陽のあたる場所に歩んで行っているのを感じずには居られなかった。
楽曲毎の表情もとても豊か。ドラマチックが詰まってた。

単純にそれぞの曲の素晴らしいことに違いはない。
今回は「Sanctuary」のタイトルが余にも好きすぎた(ノートルダムの鐘が好きな為)ので、“聖域”によりフォーカスしながらの初視聴となった。
全曲感想も書いてみて楽しかった。

「Sanctuary」は誰もが持っている、それぞの思う“聖域”全てを肯定してくれる。
そんなアルバムでした。
あなたの聖域がどんなものでも、それはあなたの聖域なんだと。その聖域を愛していて良いのだと。

 

本日からツアーも始まっています。

僕は来月参戦予定なので今から楽しみです。

ライブでは、どんな聖域を見せてくれるのでしょうか。
サポートメンバーと一緒にその世界観を可視化してくれるのが、中田さんのバンドセットツアーの見どころだと思うから。

 

ご清聴ありがとうございました。

 

 

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