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『ルワンダ中央銀行総裁日記』読後感・旅したくなる!

以前、これからこの本を読みます、と記したのだが、やっと読了できた。

字が小さく、経済的な事の知識があまりない自分にとっては理解の難しい箇所もたくさんあったのでいつもより読むスピードが遅くなってしまったが、面白いので諦めたり他の本に目移りする事なく読み切れた。

50年前に46歳で妻子を呼び寄せて6年間も当時のルワンダで暮らし、経済再生計画を大統領の依頼を受けて成功に導いたバンカーの日記というより、記録。

こんな生き方をしてきたこの人の人間性は尊敬に値するなあ、、と読みながら何度も感嘆のため息を漏らしてしまった。

最終的には世界銀行の副総裁にまでなった人だが、そのポジションよりも彼の持つ人間性の大きさと鋭さ、そして何よりも人に対する平等性と優しさ、仕事に対する真摯な姿勢、物事の要点を適切に捉える知性と経験値に基づく成熟度。

当時の46歳は今のこの同じ年代とは違い、戦争体験をしているのでより人間に対する見方というものが深いのかもしれない。

この話は結論が知りたくて読む話ではなく、結論ははじめからなんとなくわかっているので、それに至るまでの過程を楽しむ話といっても良いと思う。

仕事をするとはどういうことか。

人に対する人の関わり方にはどういったものがあって、本質は何で、それを見抜けた時、自分はどう動くのか。

組織の中での自分の立ち位置含め、自分としての意見と組織のあり方との整合性は。

ほんとに深いところまでみせていただいた、という気がしている。

そしてルワンダへの興味が尽きない。

ルワンダ中央銀行にいけば、服部さんについて何か残されたものでもあるのかな。

最近になってフランス大統領マクロンが、過去にルワンダにおいて大量虐殺の歴史があったが、その事について間接的にはなったものの、きちんと調査をした上でお詫びの形をとった。

感動した。


本書の中で、ルワンダ人の性格なども描かれているが、真面目で素直、優しい国民性をうかがわせるところがある。

どの国にもいる、さぼったり、上の地位の者に対して劣等感を抱く者はもちろん本書にも登場するが、そんな人たちは日本にもいる。

どこの国にもいる、人。

この、人、こそが物事を良くも悪くも左右していく。

大きく日本を離れて、全く未知の国で過ごした日本人が、黒人、アフリカ人、などとその国の人たちを下に見るかのような振る舞いや言動をヨーロッパ人やその他諸国の人たちから受けても、そういった偏見に傾く事なく自分のものの見方、というものを信じてその国の現状を変えようと策を練り、人を信じて動く姿に、心を動かされた。

ぜひぜひ、ご一読頂きたい一冊。

ああ、、アフリカに行きたくなったなあ。



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