Naoki Naito

スパイス計画 主宰 世界食写真家、スパイス料理研究家。 『「食べる」を通して、世界中の…

Naoki Naito

スパイス計画 主宰 世界食写真家、スパイス料理研究家。 『「食べる」を通して、世界中の多くの人々や、動植物と共に生きている実感を得る計画』。料理と写真集の制作を行っています。スリランカ料理とビリヤニが専門で、福岡と神戸が活動の中心です。現在、スリランカ料理の写真集を制作中。

最近の記事

スパイス計画を始めた理由

「スパイス計画」は、「食べる」を通して、世界中の多くの人々や動植物と共に生きている実感を得る計画です。活動内容は、料理と本の制作、これらの2つです。具体的には、料理教室や出張で料理を、福岡と神戸の2拠点で行っています。料理の内容はスリランカカレーにビリヤニといった、スリランカやインドなどの南アジア料理が中心です。また、バナナの葉っぱで豚肉やイモ類を蒸し焼きにする、パプアニューギニアの料理も時々作っています。本の制作は現在進行中ですが、世界各地の人の暮らしについて料理を通して発

    • 「食と祈り」写真展、お知らせ@pointweather, 綱島、横浜

      皆さん、こんばんは! 告知が遅くなりましたが、3月5日〜16日まで横浜の「横浜の旅をコンセプトにしたカフェ」pointweatherにて写真展をさせて頂きます。 今回のnoteでは、この写真展の日程と在廊時間、概要をサラサラッとにはなりますが、お伝えできればと思います。 ●テーマ 食と祈り -Sri Lanka- ●会期 3月5日(土)〜3月16日(水) ※月曜日、3月15日(火)はお休みです ●時間 11:30〜20:00(L.O. 19:00) ※まん延防止のため

      • どうして作りたいのか⑧ 一つの結論

        根無し草の孤独今日はとても月が綺麗に光って空に浮いている。 昨日の嵐のような雨は去り、残った風は今も強く、シーンと冷え込んだ空気が全身に吹き付け身体の熱を奪う。 夕食をとるため、やや閑散とした街の中に出る。 暗がりを歩いていて、ふとだだっ広い荒野に一人取り残されてしまったような、心細い、どちらの方向に進んだら良いのかすら分からない孤独感に包まれてしまった。寂しい。 たまにこんな寂寥感に襲われることがある。 自分は一体何をしているんだろう? と、急に世界から断絶されたような気

        • どうして作りたいと思ったのか⑦ 知識で区切り、経験で繋げる

          今回、本作製とはまた無縁のようなストーリーもある。自分自身書いていてこのnoteの筋を見失い、途中彷徨っている面もある。 その中で、確かに自分の意識に触れているところが出てきてもいる。 今まで言語化できていなかった抽象的だった意識を、言葉で表現することができるようになってきたと思うところがある。 その具体的な言葉は、また別のnoteで書く。 今回は、依然として出港しない旅の始まりに、言葉や概念で分断されていた感覚について。 出港という終わり2013年1月、東南アジア、ネパー

        スパイス計画を始めた理由

          どうして作りたいと思ったのか⑥ 知ることについてと、旅のテーマ

          識ることは、心の中に山や海を取り込むことなのだろう「知る」ということについて、福岡で活動を初めて2年半ほどずっと考えてきた。料理教室をする時も、料理を提供する時も、スリランカやインドの料理の違いを話しする時も、「知る」ということがどこか自分のテーマとしてある気がしている。 「知る」の先の、成果に意味を見たいのかもしれない。何かとすぐに意味を付けようとする悪い癖だとか思いながら、また考えている。 自分の活動は「伝える」という要素を前に押し出したものだ、と自分では認識している。

          どうして作りたいと思ったのか⑥ 知ることについてと、旅のテーマ

          どうして作りたいと思ったのか⑤ 知識は知ったかぶりをさせるのかもしれない

          本を作りたいと思っている。 noteが自伝のようになっているので念の為内容について書くと、自伝ではなく、客観的な事実を主観で切り取った、写真集に近い食から見るスリランカを表す本でありたい、と思う。 今書いている文章は、その本の背景ということになるはずで、製作の精度を高めることになると信じている。 実際、こうしたいああしたいは見えてきた。 人は優しい。背中を押してくれた台湾初海外は台湾で、約2週間、その後に控える東南アジア、ネパール、インドの約3ヶ月の一大行事を見据えての旅だ

          どうして作りたいと思ったのか⑤ 知識は知ったかぶりをさせるのかもしれない

          どうして作りたいと思ったのか④ 一人の個人は覚悟する

          過去のことを書いていて想うのは、今を全肯定したいということ。 辛かったことも、虚しかったことも、笑いも、楽しかったことも、今の一点に集中させたい。 実際に、幸せを感じていた想い出も、力が及ばずどうしようもなく途方にくれた想い出も、今にある。 そんな一つ一つを、好き嫌いという両面から、善悪を越えて、言葉にできるほど感覚の上で細かく観て、自分にしたい。 そうでなければ、自分を出し切って作品を創ることはできないだろう。 傷は花を咲かせねばならない、そんなフレーズが好きな本に書いてあ

          どうして作りたいと思ったのか④ 一人の個人は覚悟する

          どうして作りたいと思ったのか③ 模範から少しずつ外れていく

          過去のことを書いていて想うのは、やっぱり全てが今に繋がってきているな、ということ。会社員時代の憂鬱が海外に実際に行くという、当時の自分にとっては大冒険に駆り立てるきっかけを作ったのは間違いがないのだと思う。今はやっていきたいことをベースに仕事をしているつもり。やっていきたいことは好きなことが軸にあるけど、苦手なことも含まれていて、でもやっぱりやっていきたいから苦手なこともする。 やっていきたいこと、今ではそれは現実的に時には重量を感じるほどある。けれど、高校までは本当に何もな

          どうして作りたいと思ったのか③ 模範から少しずつ外れていく

          どうして作りたいと思ったのか?② 会社員時代の鬱々からの出発

          序文のような (図鑑に憧れる)本を作りたいな、と初めて思ったのは5年半前。北海道のフレンチレストランで働き始めた時じゃないかな、と振り返って思う。パプアニューギニアの文化記録を行いたい、という個人的な活動の想いを胸に、約2年最北の小さな島マヌス州の州政府市民局で働かせて頂いて、帰国してすぐのことだった。 結局のところ、文化という非常に広い、見方や論じ方によって何にでもなるような言葉に、翻弄されたというか自分なりの見方で解釈をできなかったのだと思う。料理という方向性は協力隊時

          どうして作りたいと思ったのか?② 会社員時代の鬱々からの出発

          どうして作りたいと思ったのか?①-前書き-

          7年前に書いた小さなメモが手元にある。「そういえば」と、ついさっきふと思い出し、フェルトでできたいつも持ち歩いているパソコンケースの中から取り出して開いた。この存在をおぼろげに覚えてはいたけど、ここにきて、もしかしたら自己発見というか自己の再認識に役に立つかもしれない、と。 このメモを書いたのは2014年3月、青年海外協力隊という制度でオセアニアのパプアニューギニアへ赴任する前に残したもので、メモのタイトルは「2016年の自分へあてた手紙」だった。2016年はとうに通り越し

          どうして作りたいと思ったのか?①-前書き-

          100日後に本を出したい研究家、51日目を迎えてnote再開への表明

          皆さん、こんばんは。 以前にnoteを書いてから早くも1年と半年が過ぎていて、そんなに時間が経ったのかという驚きもありますが、それほど経ったよなという納得する数字でもあります。一年半前というと緊急事態宣言が初めて出されて、その真っ只中でした。そのさなか、自身の料理を通した活動全般を「スパイス計画」という名前を付け、一歩一歩進めていくのに毎度必死で、スリランカでの料理を学んだという経験、自身が挑戦してみたいことに対して、具体的に真剣に時には背伸びをして取り組んできたつもりです

          100日後に本を出したい研究家、51日目を迎えてnote再開への表明

          ラサ(六味)という考え②

          皆さん、こんにちはー! コロナの影響が多大に、世界的に広がっていっていますね。何か息苦しさを感じる時期だなーと思うのと同時に、それでも季節の変化はやはり例年と変わることなく、桜が咲いて、新たな草木がこれからぐんぐん育っていこうとする気配を感じ、どこかに安心を感じています。 現実的にちょっと営業はどうしたものか考え中ですが、、、 考え方によっては、文章を書ける時間も得たので、せっかくの機会なのでそちらに意識を向けていこうと思います。できることをやっていこう。 photo

          ラサ(六味)という考え②

          ラサ(六味)という考え方について①

          皆さん、こんにちは。 ここ最近は「やるべきこと」に追われる日々で筆がすっかりと止まっていました笑。 いや、それにしてももうすっかり春の様相ですね。太陽の光も、街も畑も山も、春らしい生命の気配が漂ってきている。スーパーにも菜花、わけぎにふきのとうなど、野の香りが強いものが出てきて、スパイス料理家としてはどのようにこれらの香りを活かそうか、などと考えてウキウキします。春野菜の苦味や渋味がスリランカカレーにはぴったりなんですよねー。当面は春が賑わうカレープレートにしようかな。

          ラサ(六味)という考え方について①

          インプットとアウトプット 2019から2020

          皆さん、明けましておめでとうございます。と言っても、もう11日も経ったのだな。 皆さんの年末年始はどのようなものとなりましたか?ぼくの方は、年末から年始にかけて、多くの出会いの集大成に、そしてこれから先の想像を意識するような時間だったように思います。 日本にいて季節の変化はあるけれど、感じ方によっては延々と続く時間を、一つの単位として認め、終わりと始まりとした。思い返せば、30年少しの人生の中でも、多くの「終わりに始まり」があり、その時の堆積というか経験の重なりの上に今立

          インプットとアウトプット 2019から2020

          「表現すること」を「今」始める理由

          今まで貯めてきた気持ちのような想いのようなものをカタチにする。 これまでやろうやろうとして、できてなかった「自己を出すこと」を、「今」しようとしている。というか、その時がやっと来たのかも。 自分の人生をぱっと振り返ってみると、悩んだり、迷ったり、道を決めきらなかったり。そんなんばっかり、だいぶ道草をしながら「今」となった。 第二回目のnoteはそんなぼくの、個人的な過去の概要を書いていこうと思う。 写真:バリ島の寺院, Indonesia, 2015 具体的なぼくの

          「表現すること」を「今」始める理由

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          どうにも「自己表現」ということをしないといけない時期に差し掛かってきたと感じる今日この頃。 ずっと苦手で避けていた、自己の内面を「言葉や写真」などで出していくということ。「料理研究家、食の記録作家」を肩書にした時点で、大事に傷付かないようにしていた内面を、外の世界に出していく必要性を感じてはいたものの、漠然とした不安があり、ここまできた。いや、きてしまった。 というのは、10月末より福岡県直方市のでキッチンを借りてカレー作りを始めてから、「自己の世界観」を見える化していく

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