2023年1月の記事一覧
ゴロヴリョフ家の人々「оспода Головлёвы」 【シチェドリン書評】
シチェドリンは19世紀後半のロシア、つまりドストエフスキーなどと同時代の風刺作家である。
そもそもシチェドリンという作家を私は知らなかった。光文社古典新訳文庫のZOOM配信で、ロシア語訳者の高橋和之さんが話題に上げており惹かれるまま購入。
本書「ゴロヴリョフ家の人々( оспода Головлёвы)」は1875年に書かれたシチェドリン唯一の長編小説。ロシアの農奴制度の崩壊とともに没落する貴
ジャングルに魅せられた作家たち「Heart of darkness」と「彷徨える河」
「Heart of darkness」はジョセフ・コンラッドによる1899年の小説。
ロシア領ポーランドに生まれ、フランス船、イギリス船での船員生活をもとに数多くの作品を残したジョセフ・コンラッド。そして多くの作品が英語で書かれているという点にさくっと触れておきたい。
ロシア領(現在のウクライナ)で生まれた彼のネイティブはロシア語。父が政治刑を食らいポーランドへ移住後は第二言語としてポーランド語