南木直樹

歌手 ギタリスト 作曲家 編曲家 プロデューサー ヴォイストレーナー 映像クリエイター…

南木直樹

歌手 ギタリスト 作曲家 編曲家 プロデューサー ヴォイストレーナー 映像クリエイター として様々な活動をしています

マガジン

  • ヴォイストレーニングのちょこっと話

    ヴォイストレーナーの発見秘話をちょこっと公開

最近の記事

アナウンサーとのお仕事

最近は映像のお仕事もしています。 その流れで 女性アナウンサーにナレーションの録音をお願いしました。 「おはようございます」 おおおお!! この人の声が素晴らしい。 何と心地の良い響き。 声がとてもいいんですよね。 この 「声がいい」 はよく聞く言葉ですが、 具体的には何なのでしょうか。 声の成分がいい ってこのですよね。 声の成分とは? 前に音の三要素の説明の中で 軽く倍音について触れました。 一つの音に聞こえていても、 いろんな高さの音がミックスされて その音の「

    • 音ってなあに?

      ちょっと遡って最初に説明するべきところ、 説明しますね。 これから先も音楽の話をするために必要な説明なので。 ちょっと覚えておいてください。 そもそも音って何でしょう? 波? 音自体は目に見えないし。 海の波みたいなもんじゃなさそうなのは想像つく。 空気の振動? 揺れてんの? 縦揺れ?横揺れ? 何れにしても揺れてるように思えないけれど。 どうやって耳まで伝わってくるの? よく考えると、何かよくわからないものですよね。 皆さん、最近はデジタルで記録するので、 コンピュータ

      • 息の量のお話(第2話)

        ヴォイストレーニングでは必ず一人一人カルテを作成するのですが、 そのカルテに「息多め」と書くことが多い。 そして 息が多めの人に「もうちょっと息を少なく歌いましょう」と伝えても、 うまくいかないことが多い。という話を書きました。 これは 本能が「小さな声で歌おう」と勘違いさせてしまうので結局息は増えてしまう。 つまり息を減らす、ということはなかなか難しいことだということになります。 また、 「高い声を出したい」ということも ヴォイストレーニングに通ってくる人の実現させたい

        • 息の量のお話(第1話)

          歌う時に息が多めの方が少なからずいます。 その原因は人それぞれ様々。 ちゃんと歌う=大きな声=息多め のような図式から最初から多めになってしまっている人もいます。 呼吸法を学び、それを実践する際にどうしても多めになっていしまう人もいます。 息が多いと当然声帯に負担が大きくなります。 これを歌う時にちょうど良い量にコントロールしたい、ということになります。 さて、 「息の量が多い」とはどんな状態でしょうか。 例えば、 「大きな声を出せ」と言われれば、怒鳴ります。 息の量は

        アナウンサーとのお仕事

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        • ヴォイストレーニングのちょこっと話
          24本

        記事

          様(さま)になる人、ならない人(最終話)

          様になること、必要です。 やっていることが様にならないと どうにも地に足がついた感じになりません。 借り物で雰囲気作っているだけ、みたいな。 しかし 「様になる」だけで満足することはとても危険です。 「普通」なことが「違和感なくできている」人になり、 つまりは「目を引くもの」も「他にない魅力」も感じられない 「面白くないもの」を作り上げてしまう可能性がある、 ということです。 「様になる人」になることは、必須条件で目標にはならない、 ということも覚えておいて頂けたら、と思い

          様(さま)になる人、ならない人(最終話)

          様(さま)になる人、ならない人(第2話)

          「あいつは歌がうまい」 というような言葉をよく耳にしますが、 「うまい」という言葉は実に抽象的です。 「感情を伝えるのが」うまい 「声を会場いっぱいに響かせることが」うまい 「フェイクがすごくかっこよくて」うまい などなど、多種多様にあります。 世の中には「へたうま」などという言葉も存在します。 これは、ある部分は下手でも別な1点でめちゃくちゃよかったりするときに 使われる褒め言葉です。 「様になる」という話をしていますが、 これも「うまい」の一種だと思います。 では「

          様(さま)になる人、ならない人(第2話)

          ワークショップ

          昨日、投げ銭ライヴアンドワークショップに、 お越しいただいた皆さんありがとうございました! あっという間に声が変化していきました。 皆さん素晴らしかったです。 今回感じたのは、やはり無意識に 答えを音楽的な場所のみに狭く設定しがちですね。 これをもう少し他方向に意識を広げただけで、結果が違ってきます。 ベクトルが違うなら、効率は悪くなる、 ベクトルを少し変えただけで、結果が出てくる。 それを実感した1日でした。

          ワークショップ

          様(さま)になる人、ならない人(第1話)

          様(さま)になるって? 「何かよくわかんないけど、あの人の歌、かっこいいんだよな」とか 逆に「何でかわからないけど、ちょっと違う感じなんだよなあ」とか そんなこと、思ったことありませんか? 「下手じゃないと思うんだけど、何か様になってないというか・・・」 そう、歌に限らずいろんなもので、何だか世の中には 「様になる人」と「ならない人」が存在します。 じゃあ「様になる人」ってのはどこが違うのか? 歌の場合、一言で言うと「動き」です。 もちろん立ち居振る舞いも動きですが、

          様(さま)になる人、ならない人(第1話)

          バシャーンの話

          前回、音の三要素の話をしました。 ここですぐ歌の核心を衝く話ではなく、 理解を深めてもらうために別な話をしておきたいと思います。 シンバルをスティックで叩くと 「バシャーン」とか「ジャーン」とかいった音がします。 皆さんもこう表現しますよね? なんで 「バー」とか「ジー」とかじゃないんでしょう? そうなんです。 シンバルぶっ叩く。 すると音が出るわけですが、 最初に出た音とその直後の音、消えていく途中、消える間際の音は、 音量が違うだけじゃなくて、全部音色が違うんです。 だ

          バシャーンの話

          音の三要素

          光や色に三原色があります。 音にも3要素っていうのがあるんですね。 高さ 大きさ 音色 の3つです。 解説本では波形とか出してきて説明するんですけれど、 ここでは省きつつ説明します。 2つはわかりやすいです。 高さは文字どおり、高い低い。ドとかミとかです。 大きさも、でかい音、小さい音など。 音色だけ少しわかりにくいですね。 例えば、ピアノの音とギターの音は 同じ音量で同じ高さの音を出しても、違いがわかります。 声で言うと、聞いただけで誰の声かわかる、ってのもそうですし

          音の三要素

          声の力のお話(最終話)

          声の影響力 説得力 みたいなものを増すための方法、の最終話です。 スキル編 音楽というものからの自由の獲得(その2) 前回 「歌」ってそもそも伝わりにくい、という話をしました。 では 「歌う」は「喋る」よりも伝わりにくいのはなぜ? それは旋律が決まっている、つまり、 言葉のスピードもトーンも言葉を切るタイミングもテンションも 何もかも他人に決められた通りにしかできないから、 です。 その曲に合っていないこと、はすべて不自然なものになる。 歌ってだから不自由なものなのです

          声の力のお話(最終話)

          声の力のお話(第7話)

          声の影響力 説得力 みたいなものを増すための方法、の続きです。 スキル編 音楽というものからの自由の獲得(その1) 何のこっちゃ? ですね。 この話の前に、 そもそも「なぜ歌?」なのでしょう。 「伝える」が目的なら 「直接話す」方が伝わりやすい気がしませんか? なぜ歌う? もちろんそれだけではないんですが、 歌の方が伝わりにくいため、 「普段言えないことまで言えちゃうから」ってことなのではないか?と 密かに思っています。 みなさんの好きな歌を思い浮かべてください。

          声の力のお話(第7話)

          声の力のお話(第6話)

          声の影響力 説得力 みたいなものを増すための方法、の続きです。 スキル編 響きについて(その2) 前回 声質によって 「安心」したり「イライラ」したりするという話を書きました。 これだけではなく、 「歌」の場合で考えるなら、感情の部分が加わります。 「楽しさがあふれ出てくるような声」 「元気付けてくれる人の声」 「愛、優しさを持った声」 「本当に絶望している人の嘆き」 「吐息だけで悲しさを痛感させられる声」 その他、様々な表現が場面に応じて必要になります。 「呼吸」が

          声の力のお話(第6話)

          声の力のお話(第5話)

          声の影響力 説得力 みたいなものを増すための方法、の続きです。 スキル編 響きについて(その1) この話に必須な共鳴振動や倍音については また別の機会にお話ししようと思っているので、 ここでは軽く触れるだけにして、少し別角度から。 まずは 想像して頭の中で鳴らしてみてください。 聴いていて落ち着く声 安心できる声 信用できる声 すっと入ってくる声 イライラする声 落ち着かない声 不安にさせる声 嘘っぽい声 不愉快で長く聴いていたくない声 など 音、鳴りましたか?

          声の力のお話(第5話)

          声の力のお話(第4話)

          歌のことについて、 発見したこと、思っていることなど、 まとめてみています。 今回は 声の影響力 説得力 みたいなものを増すための方法、4話目です。 ようやくスキル編ですね。 3話までは前提のお話でしたが、 ここからが本題です。 呼吸について書きます。 腹式呼吸であることは前提です。 腹式呼吸と胸式呼吸についての細かい説明は、 また別な機会に書くことがあるかと思います。 このお話のスタート時に5つの要素をあげましたが、 実は、この呼吸が、 「声の力」を増す最も大切な要素

          声の力のお話(第4話)

          声の力のお話(第3話)

          声の影響力 説得力 みたいなものを増すための方法、の3話目になります。 必要なもの 2、向かう姿勢 について。 自分のお話で恐縮ですけれど・・・、 私はよく 「覚悟」という言葉を使います。 これは 自分自身に対する戒め、みたいなものなので、 あまりここでは詳しく語らないことにしますが、 ちょっとだけ触れると、 「覚悟のない人の言葉は、しょせんその程度なので、刺さらないよ。」 と自分に言い聞かせて歌うことにしています。 覚悟って何の? 飲んで語ると間違いなくめんどくさいやつ

          声の力のお話(第3話)