声の力のお話(第6話)

声の影響力
説得力
みたいなものを増すための方法、の続きです。

スキル編
響きについて(その2)

前回
声質によって
「安心」したり「イライラ」したりするという話を書きました。

これだけではなく、
「歌」の場合で考えるなら、感情の部分が加わります。
「楽しさがあふれ出てくるような声」
「元気付けてくれる人の声」
「愛、優しさを持った声」
「本当に絶望している人の嘆き」
「吐息だけで悲しさを痛感させられる声」
その他、様々な表現が場面に応じて必要になります。

「呼吸」が「本気」を伝える手段なら、
「響き」は
「感情の表現」と「人の中に入り込んでいく浸透力」
「空間に広がっていく推進力」
だと思います。

歌に限らず、声質は
前述の気持ちや姿勢、意識など、
精神的なものからも影響を受けますが、
同時に「歌」はただ喋るのとは違い、
楽器のように「響いて」いくためにも、
口の開け方、声の通り道の作り方、響かせる場所、表情、姿勢など
普段の生活ではあまり使わない形の
物理的なもので作られている部分が大きいです。
普段はそうして声を発することがないので、
これらを学び自分の能力を引き出す必要があります。

ギターやピアノ、ヴァイオリン・・・
この世の中の楽器はすべて形が作られてから
演奏者の元へ届けられますが、
歌のみ、形を作ることも演奏者に委ねられているのです。

「その感情が自然と体に入ってくる声」
その音質を目指して声のトレーニングをすると、
響きを新たに加えて、「浸透力」を持った自分の声を再発見する、
ということになります。

ちなみに、
これからしばらく街が騒がしくなるであろう
選挙演説もただ怒鳴っている人が多い気がします。
「こちらに入ってくる音質」
を持っている人は少ないように思います。
もちろん「入ってくる声質」のせいだけで騙されるのは嫌ですが、
声や言葉に力のない人は、
そもそも政策を推進する力もなさそうですね。

脱線しました。(笑)
歌の話はまた次回。

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