様(さま)になる人、ならない人(第2話)

「あいつは歌がうまい」
というような言葉をよく耳にしますが、
「うまい」という言葉は実に抽象的です。

「感情を伝えるのが」うまい
「声を会場いっぱいに響かせることが」うまい
「フェイクがすごくかっこよくて」うまい
などなど、多種多様にあります。
世の中には「へたうま」などという言葉も存在します。
これは、ある部分は下手でも別な1点でめちゃくちゃよかったりするときに
使われる褒め言葉です。

「様になる」という話をしていますが、
これも「うまい」の一種だと思います。

では「様になる人」は何がうまいのでしょう?
今必要なスキルを選択するとこと、実践すること、がうまいのだと思います。

それぞれのジャンルや種類に応じて、
今使うべきテクニックは異なります。

例えば、演歌を上手に歌える人だからといって
全てのジャンルが得意なわけではないし、逆も然りですね。

まずは「今必要なスキル」自体を把握する必要があります。
ジャンルや曲の場面、やりたいことによっても変わります。
ですが、実は、
それらはすべて「音の三要素」の動きの組み合わせで作られるのです。

具体的には
音の高さを歌い出しでしゃくりあげたり、ロングトーンでゆらしたり
音量もだんだん大きくなったり、緩やかに消えていったり、いきなり消えたり
音色も最初はハリのある音だったのが、少し吐息交じりになってふわっとしていったり
無限大の組み合わせがありえます。
ロックでは「シャウト」と呼ばれる「声を汚して」「アクセントをしっかり入れて」
歌うことがあります。動きを伴います。
民謡には独特な「節(ふし)」がいくつもありますが、
これもたくさんのものを短時間で動かす例です。

まずは
先人たちが編み出し、進化させてきたスキルが存在します。
誰の?どの?テクニックを学び、盗み切れるか。
そしてそれを自分自身で自分用に進化させ、より効果的に使うことができるか。
先人たちに答えが見つからないなら、
自分で編み出していくことも必要になるのでしょう。
いずれにしても、
今やるべきこと、今やりたいこと、をスキルとして具体化し、
それを把握し、テクニックを手に入れ、場面に応じチョイスし、実践する。
そうやって「様になる人」が自分の中に作られていくのです。

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