【抄録版】現代短歌のテキストマイニング――𠮷田恭大『光と私語』(いぬのせなか座)を題材に
要旨 英語圏では、自然言語処理の技術を実作の助けになるかたちで応用する学術研究が盛んだ。『ベストセラー・コード』のように、普及書の邦訳が日本でも続々と出ている。日本語圏にも、半世紀以上に渡る、計量文体学や日本語コーパス構築の積み重ねがある。
それらの手法を日本語の現代短歌に試してみようと私たちは考えた。単語の数量や距離関係、感情の流れ、品詞構成などを計量すれば、文献の精読 (close reading)ではなく、テキストの遠読 (distant reading) ができると