川本千栄

「塔」編集委員。短歌と短歌評論。第20回現代短歌評論賞受賞。歌集『青い猫』(第32回現代歌人集会賞)『日ざかり』『樹雨降る』。評論集『深層との対話』。他『D・arts』。第四歌集『森へ行った日』ながらみ書房出版賞・日本歌人クラブ近畿ブロック優良歌集賞。第二評論集『キマイラ文語』。

川本千栄

「塔」編集委員。短歌と短歌評論。第20回現代短歌評論賞受賞。歌集『青い猫』(第32回現代歌人集会賞)『日ざかり』『樹雨降る』。評論集『深層との対話』。他『D・arts』。第四歌集『森へ行った日』ながらみ書房出版賞・日本歌人クラブ近畿ブロック優良歌集賞。第二評論集『キマイラ文語』。

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    • 読書感想文

      歌集・歌書以外の、読んだ本の感想文を書いています。短歌評論に関係する本は「歌集・歌書評、感想文」にまとめています。

    • 新聞記事 感想文

      新聞記事を読んで思ったことを書いています。短歌に関わること多め。関わらないことも少々。新聞記事は作品です。articleはart。それを毎日。新聞はすごい。

    • 川本千栄刊行物『キマイラ文語』『森へ行った日』

      川本千栄の刊行物についてのツイートをまとめました。第四歌集『森へ行った日』、第二評論集『キマイラ文語』などについてです。

    • 短歌結社誌『塔』感想文

      自分の所属する、短歌結社誌『塔』を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。

    • 短歌新聞『うた新聞』感想文

      短歌新聞『うた新聞』を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。

    最近の記事

    稲垣栄洋『生き物の死にざま』(草思社文庫)

     生き物の生きざま、死にざま。こんな生き物がいたの、という驚きも、こんな生態だったんだという驚きも。何より死にざまがその生き物の生きざまを強く表している。 〈サケが卵を産んだ場所には、不思議とプランクトンが豊富に湧き上がるという。/息絶えたサケたちの死骸は、多くの生き物の餌となる。そして、生き物たちの営みによって分解された有機物が餌となり、プランクトンが発生するのである。このプランクトンが、生まれたばかりのか弱い稚魚たちの最初の餌となる。まさに、親たちが子どもたちに最後に残

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      • 2022年8月16日の朝日新聞(夕刊)より

        「男女同形の水着 欲しかった」(金沢ひかり、平岩恵美、石田貴子) 〈性別でデザインを分けない「ジェンダーレス水着」への支持が広がっている。体形を隠したり、日焼けを防止したりといった効果もあり(…)〉 これ、絶対いい。このスクール水着なら水泳に集中できるよ。 2022.8.16.Twitterより編集再掲

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        • 2022年8月2日~11日の読売新聞より

          「鉄道150年」文化を運ぶ 〈日本初の鉄道が開業して、今年で150年を迎える。〉 このシリーズ、とても面白かった。当たり前のようにある鉄道が少しも当たり前でない存在なのだと気づく。日本の近代は鉄道とともにあったのだと痛感する。 第1回「文明開化民衆の夢乗せて」(多可政史) 第2回「初詣始まり 温泉は行楽地に」(清岡央) 第3回「東京駅 近代国家への意気」(多可政史) 第4回「歌劇、野球、百貨店 私鉄型郊外開発」(山本慶史) 第5回「美術・工芸 海外誘客に一役」(森田睦、竹

          • 現代短歌社オンラインショップにて

            川本千栄第二評論集『キマイラ文語』、現代短歌社さんのオンラインショップにアップされました!下から飛べます。  ぜひよろしくお願いします! 2022.9.12.Twitterより編集再掲

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            「塔」2022シンポジウムにて

            (過去ログ)明日、9/10(土)京都での河野裕子記念シンポジウムではいくつかの出版社が出店。現代短歌社さんで『キマイラ文語』が販売されます!また「塔」会員の歌集歌書販売コーナーでは『森へ行った日』も出します。(注文方式です。)同コーナーの担当者は私、川本です。お会いしましょう! 2022.9.9.Twitterより編集再掲

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            『キマイラ文語』出版!

             来ター!!ついに出ました、川本千栄第二評論集『キマイラ文語』!副タイトルは「もうやめませんか?「文語/口語」の線引き」です。短歌口語化の歴史に迫り、SNSの隆盛による第二の言文一致を論じています。ニューウェーブ世代の作者の検証も収録しました。現代短歌社からです。どうぞよろしくお願いします! 2022.9.8.Twitterより編集再掲

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            三浦英之『五色の虹』満州建国大学卒業生たちの戦後(集英社)

             〈日中戦争の最中、日本、中国、朝鮮、モンゴル、ロシアの各民族から選抜され、約六年間、共同生活を送った若者たちがいた―。〉  現在、語られることの少ない、満州国新京(現・長春)に作られた建国大学。傀儡政権の元、満州国を牛耳っていた日本が、将来満州国の国家運営を担う人材を作ろうと建学した。満州国が当時国是として掲げていた「五族協和」の実践のための実験場であったのだ。そこでは言論の自由が保障されるなど、他とは違う環境の中で、漢民族、満州族、朝鮮族、モンゴル族、ロシア、日本、と様々

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            『塔』2022年7月号

            ①生きている木は簡単に折れぬから今日も混濁と昏睡のあわい 芦田美香 母の病床に付き添う主体。昏睡状態であったり、意識が混濁したりする母。それでも生きている限り、人の身体は生き続けようとする。それを木に喩えて見守る。無機質な病院に木のように生きる命。 ②慰みに集めた本が震度6ぜつぼうの雨みたいに降った 田宮智美 3月の地震の歌だろうか。本を集めることを喜び等ではなく「慰み」と言っているところに屈折を感じる。本棚の上からか、雨のように本が降って来る。「ぜつぼうの」というひらがな

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            (過去ログ)Booth開始しました。

            (過去ログ)川本千栄第四歌集『森へ行った日』Booth開始しました!よろしくお願いします。  2021.5.24.Twitterより編集再掲

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            『うた新聞』2022年7月号

            ①梓志乃「矢代東村」〈1915年から「現代の短歌は現代の口語で」という信念をもって口語歌に新分野を拓いた。〉〈(歌に句読点をつけることは)戦前・戦後の口語歌にはかなり見かけられ(…)〉梓が引いている東村の1915年(大正4)の歌は本当に口語歌だ。  人生は  もつと幸福であつていい。  ある時は  さう考へて  そんな気持ちになる。 矢代東村 1931年に出された歌集『一隅にて』はもっと文語定型に近いけど。  梓は、1928年の東村のエッセイを引いて〈東村の作歌姿勢

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            『現代短歌新聞』2022年7月号

            ①「インタビュー三枝昻之氏に聞く」〈素朴な疑問をサポートしてくれるのが評論で、評論があるから作品の魅力がより見えてくる。一首の深さを評論だからこそ教えてくれる。(…)一歩立ち止まったら、ぜひ評論を開いてほしい。〉歌人クラブ大賞受賞おめでとうございます。  短歌評論の理想だと思う。作品の魅力をより引き出すのが評論だ。短歌は詩だから現実と遊離した部分がある。それを散文で繋ぎとめるのが評論だと思う。ああ、そういう良さがあるのねと思わせる評論がもっと多く書かれて欲しい。読者も構えずに

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            『a-wa-i』2022.1.

            ①シャッターの錆を年輪だと思う 切らずに済めばうれしいからだ 長井めも 上句は景。シャッターの継ぎ目部分が特に錆びているのだろう。人体のように感じたのか、下句へ思いが飛んでゆく。何らかの手術をしたとか、しなければならない時に、このように自らの身体を捉えるのだと思う。 ②平穏なことは良いこと 感情の容れ物になり見つめる水面(みなも) 丘光生 初句二句はオトナの感慨だ。しかし、身体全体が感情に囚われてしまったような三句以下。水面を見つめる動作も静かなものだが、その分、感情は行き

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            『月歩』vol.3 2021.11.

            ①他者の目のなかのわたしを見るときのあなたは濡れた夏草だった 森山緋紗 私を直接見るのではなく、他者の目に映った私を見る。その時のあなたを私が見ている。他者の視線の中でお互いが視線を交わす。「濡れた夏草」は、陽光に萎れていたのが、雨の後、緑を取り戻したと取った。 ②曇り空うつさぬ川面 のこさるる時間を知らず我ら生きをり 中野功一 初句二句は景。どこか圧迫感がある。晴れていたら光が反射するが、曇っていると映っていても分かりにくいということだろうか。三句以下は納得の感慨。景と雰

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            高野公彦『明月記を読む 下』(短歌研究社)

             上巻に引き続き藤原定家『明月記』を読んでいく書。後鳥羽院に随いて熊野御幸に詣でる、千五百番歌合が行われる、父俊成が亡くなる、新古今集が成立する、実朝と交流する、順徳天皇の和歌サロンの一員となる、承久の乱が起こる、古典を書写する、などの出来事が、定家の詠んだ和歌を中心に語られる。  以下は気になったことのみ。 〈西行は花に浮かれる人であつたが、定家は月に浮かれてゐる。浮かれるとは、魂が体からさまよひ出ることで、むしろ尊いことなのだ。詩歌とは所詮、雪月花に浮かれることであら

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            高野公彦『明月記を読む 上』(短歌研究社)

             藤原定家十九歳から七十四歳までの日記『明月記』を読んでいく書。副題に「定家の歌とともに」とあるように、定家作の歌を中心にその時代の他の作者の歌とも比較しながら、その美の特徴に迫る。堀田善衞の『定家明月記私抄』はもちろん引用されているが、政治的状況と中世の詩歌の在り方を考察する堀田のような方法は取らず、あくまで歌を中心に書かれている。地の文も旧仮名遣いによっており、それだけでも、新仮名遣いを否定するなど、高野の目指す方向が明確になっている。  途中、現代短歌の未来を不安視し、

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            『砦』2021.11.

            ①マッチのような祈りが猜疑心と擦れやがてみずから燃え尽きるまで 帷子つらね ささやかな祈りだったはずが、猜疑心のため、疑いの心にとらわれ、燃え尽きてしまった。映像的なイメージの美しさを、猜疑心という言葉の強さが引き締める。 ②傷ついたぶん傷つけていい どうか ふるえて砕氷船になる腕 帷子つらね 初句二句+二音の言い切りの強さは、でも傷つけられないことの裏返しか。その強さは、祈りのような三音、下句の震える気持ちと対称的。下句は、氷を割って自らの腕を傷つけながら、相手に近づいて

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