川本千栄

「塔」編集委員。短歌と短歌評論。第20回現代短歌評論賞受賞。歌集『青い猫』(第32回現…

川本千栄

「塔」編集委員。短歌と短歌評論。第20回現代短歌評論賞受賞。歌集『青い猫』(第32回現代歌人集会賞)『日ざかり』『樹雨降る』。評論集『深層との対話』。他『D・arts』。第四歌集『森へ行った日』ながらみ書房出版賞・日本歌人クラブ近畿ブロック優良歌集賞。第二評論集『キマイラ文語』。

マガジン

  • その他の記事

    他のマガジンに入らない記事をまとめています。

  • 短歌同人誌、個人誌、他結社誌感想文

    短歌の同人誌、個人誌を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。出版社が出しているものや、他結社の結社誌も対象にしています。

  • 短歌新聞『うた新聞』感想文

    短歌新聞『うた新聞』を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。

  • 短歌新聞『現代短歌新聞』感想文

    短歌新聞『現代短歌新聞』を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。

  • 歌集歌書評、感想文

    歌集、歌書の感想を書いています。

記事一覧

『うた新聞』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の『うた新聞』4月号に「作品時評」欄を寄稿しました。前号(3月号)の作品を評しています。これから6か月間担当します。皆様ぜひお読みください…

川本千栄
1時間前
1

今週の一首

 新しい職場での一年が始まった。ここでも「今週の一首」を図書館で掲載してもらえることになった。加えて前の職場でも引き続き掲載してもらえる。たくさん歌を読んでいい…

川本千栄
1日前
5

『群馬県立土谷文明記念文学館 紀要 風 第26号2022年度』

①2023年3月発行の本誌を一年後の先日読んだ。当時の永田和宏の講演録を読むと、2022年時には、コロナの時代をどう生きるか、が本当に緊切の問題だったことが分かる。そし…

川本千栄
2日前
2

『うた新聞』2024年3月号

①今井恵子「結社の意義」 〈一般に近代短歌のはじまりと考えられる「浅香社」結成にあたって、それを〈結社〉と呼んだのかどうか。後になっての呼称であれば、近世の〈歌…

川本千栄
3日前
5

『現代短歌新聞』2024年3月号

①「インタビュー 永田紅氏に聞く」 改めて若山牧水賞おめでとうございます。  〈作者の属性や人生を詠むことを排除する向きがありますが、人生を詠んでいるからつまらな…

川本千栄
4日前
5

〔公開記事〕川野里子『ウォーターリリー』(短歌研究社)

世界の惨を感知する  川本千栄  この世界には様々な惨事が存在する。しかし目を凝らし耳を澄まさない限り、多くの人はそれに気づかない。この歌集で作者は、自らの存在…

川本千栄
5日前
14

しだれ桜が咲きました

 2月24日の『キマイラ文語』読書会で現代短歌社様からいただいた枝垂れ桜が咲きました。うれしいです。改めて現代短歌社様、御参加くださった皆様ありがとうございます。 …

川本千栄
6日前
8

角川『短歌』2024年3月号

①鶺鴒のちひさな気持ちこぼれたり小走りすれば陽差しゆれたり 小島ゆかり 上句に鶺鴒に対する心寄せがある。漢字とカタカナでは印象が変わると実感。以前は滅多に見なか…

川本千栄
7日前
5

映画『コール・ジェーン』行ってきた

 久しぶりの映画館。面白かった。予告編見て、ネタバレじゃないの?と思ったが、びっくりするような展開になって途中ハラハラした。でも本当はこの映画のテイストより重い…

川本千栄
8日前
4

『現代短歌新聞』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の『現代短歌新聞』4月号に沖ななも『百人百樹』の書評を寄稿しました。テーマのあるアンソロジー。とてもすてきな一冊です。皆様ぜひお読み下さい…

川本千栄
9日前
3

『短歌研究』2024年3月号

①天井の材はするどく崩落す新春福袋の山頂(いただき)へ/福袋が広場うづめてゐしゆゑに天井瓦解の負傷者あらず 黒瀬珂瀾 まさに現場のリアル。日常の空間が突如地震で…

川本千栄
10日前
6

共同研究による短歌史再考(後半)【再録・青磁社週刊時評第七十八回2010.1.12.】

共同研究による短歌史再考(後半)     川本千栄  また、近現代短歌の境目はどこか、ということについて、三枝は次のように語っている。 三枝 前衛短歌と現代短歌…

川本千栄
11日前
10

共同研究による短歌史再考(前半)【再録・青磁社週刊時評第七十八回2010.1.12.】

共同研究による短歌史再考(前半)        川本千栄 (青磁社のHPで2008年から2年間、川本千栄・松村由利子・広坂早苗の3人で週刊時評を担当しました。その時の川…

川本千栄
12日前
6

角川『短歌』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の角川『短歌』4月号「歌壇掲示板」「イベント報告」に「『キマイラ文語』を読む会」について掲載いただきました。感謝です!皆様ぜひお読み下さい…

川本千栄
13日前
2

図書館での掲示

 職場の図書館に掲示してもらっている今週の一首。8年間勤めた職場を去ることになり、これが最終回かと思えば何と!「メールで送ってほしい」と言っていただきました。新…

川本千栄
2週間前
7

『短歌研究』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の『短歌研究』4月号にて後藤由紀恵『遠く呼ぶ声』の書評を書きました。ぜひお読み下さい。 また同4月号「短歌時評」にて川島結佳子様が『現代短歌…

川本千栄
2週間前
2
『うた新聞』4月号にて(過去ログ)

『うた新聞』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の『うた新聞』4月号に「作品時評」欄を寄稿しました。前号(3月号)の作品を評しています。これから6か月間担当します。皆様ぜひお読みください。

2023.4.10. Twitterより編集再掲

今週の一首

 新しい職場での一年が始まった。ここでも「今週の一首」を図書館で掲載してもらえることになった。加えて前の職場でも引き続き掲載してもらえる。たくさん歌を読んでいい歌を選びたい。

2024.4.8. Twitterより編集再掲

『群馬県立土谷文明記念文学館 紀要 風 第26号2022年度』

『群馬県立土谷文明記念文学館 紀要 風 第26号2022年度』

①2023年3月発行の本誌を一年後の先日読んだ。当時の永田和宏の講演録を読むと、2022年時には、コロナの時代をどう生きるか、が本当に緊切の問題だったことが分かる。そして私たちがもうそれを忘れかけていることも。

②永田和宏「ことばの力ー言葉で思いを伝えること」
〈この新型コロナウィルスの流行も、世界史の中に残ると思います。たぶん数行で、そんなには残らないだろうけれども、歴史は、あったことはすべて

もっとみる
『うた新聞』2024年3月号

『うた新聞』2024年3月号

①今井恵子「結社の意義」
〈一般に近代短歌のはじまりと考えられる「浅香社」結成にあたって、それを〈結社〉と呼んだのかどうか。後になっての呼称であれば、近世の〈歌塾〉が近代の〈短歌結社〉へ移行するのに何時頃どのような経過をたどったのか。〉
 たしかにその点は気になるところだ。昔読んだ資料で結社とは名乗ってなかったとあったような気がするがうろ覚え。浅香社のように○○社という名前は、明治時代の流行りの命

もっとみる
『現代短歌新聞』2024年3月号

『現代短歌新聞』2024年3月号

①「インタビュー 永田紅氏に聞く」
改めて若山牧水賞おめでとうございます。
 〈作者の属性や人生を詠むことを排除する向きがありますが、人生を詠んでいるからつまらないということは決してなくて。そもそもこの二分法が私は嫌いで。境涯派でも言葉派でも、いい歌はいいし、つまらないものはつまらない。〉
 ほぼ同意。ただこの境涯派(人生派)と言葉派という用語は、用語だけが一人歩きしているようにも感じている。この

もっとみる
〔公開記事〕川野里子『ウォーターリリー』(短歌研究社)

〔公開記事〕川野里子『ウォーターリリー』(短歌研究社)

世界の惨を感知する  川本千栄

 この世界には様々な惨事が存在する。しかし目を凝らし耳を澄まさない限り、多くの人はそれに気づかない。この歌集で作者は、自らの存在の在り様を絡ませながら、時空を超えて、そうした惨に耳を澄ませ、受けとめてゆく。
あの川に兄が浮かんでこの沼に父が浮かんで 睡蓮咲いた
戦争に勝ちしにあらず絶望に勝ちたり 春巻きほんのりと透け
にんげんのにんげんによるにんげんのための虐殺 

もっとみる
しだれ桜が咲きました

しだれ桜が咲きました

 2月24日の『キマイラ文語』読書会で現代短歌社様からいただいた枝垂れ桜が咲きました。うれしいです。改めて現代短歌社様、御参加くださった皆様ありがとうございます。

2024.3.31. Twitterより編集再掲

角川『短歌』2024年3月号

角川『短歌』2024年3月号

①鶺鴒のちひさな気持ちこぼれたり小走りすれば陽差しゆれたり 小島ゆかり 上句に鶺鴒に対する心寄せがある。漢字とカタカナでは印象が変わると実感。以前は滅多に見なかったが、最近よく見かける。生態系に変化があったのか。やはり走っている姿を詠いたくなる鳥。

②咲きのかぎり咲きたるさくらおのづからとどまりかねてゆらげるごとし 三ヶ島葭子 全歌集刊行記念特集の秋山佐和子による百首選より。この歌は前から好きだ

もっとみる
映画『コール・ジェーン』行ってきた

映画『コール・ジェーン』行ってきた

 久しぶりの映画館。面白かった。予告編見て、ネタバレじゃないの?と思ったが、びっくりするような展開になって途中ハラハラした。でも本当はこの映画のテイストより重い話じゃないかな。(映画だが)行間を読んで、ちょっと泣いたところもあった。

2024.3.30. Twitterより編集再掲

『現代短歌新聞』4月号にて(過去ログ)

『現代短歌新聞』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の『現代短歌新聞』4月号に沖ななも『百人百樹』の書評を寄稿しました。テーマのあるアンソロジー。とてもすてきな一冊です。皆様ぜひお読み下さい!

2024.3.29. Twitterより編集再掲

『短歌研究』2024年3月号

『短歌研究』2024年3月号

①天井の材はするどく崩落す新春福袋の山頂(いただき)へ/福袋が広場うづめてゐしゆゑに天井瓦解の負傷者あらず 黒瀬珂瀾 まさに現場のリアル。日常の空間が突如地震で崩壊した。人々を救ったのは福袋という軽いお楽しみアイテム。現場性が歌の力に転換する。

②数秒の地震が断ち切る数十年のあはれ山なす災害ゴミは 黒瀬珂瀾 数十年間、人々の大切な暮らしの支えであったものが災害ゴミとなってしまった。それに囲まれて

もっとみる

共同研究による短歌史再考(後半)【再録・青磁社週刊時評第七十八回2010.1.12.】

共同研究による短歌史再考(後半)     川本千栄

 また、近現代短歌の境目はどこか、ということについて、三枝は次のように語っている。

三枝 前衛短歌と現代短歌の境界は実はなし崩しで、本当言うと前衛短歌が現代短歌の中心にあるというニュアンスでしょう。前衛をどういうふうなかたちで現代短歌と近代短歌の間に置くかというのも曖昧なんだ。だから、そういう用語の安定化みたいなものも必要じゃないかな。

 

もっとみる

共同研究による短歌史再考(前半)【再録・青磁社週刊時評第七十八回2010.1.12.】

共同研究による短歌史再考(前半)        川本千栄

(青磁社のHPで2008年から2年間、川本千栄・松村由利子・広坂早苗の3人で週刊時評を担当しました。その時の川本が書いた分を公開しています。)

 あけましておめでとうございます。2010年の年が明けた。去年まではゼロ年代という言い方がよくされたが、それで言うと、今年から10年代が始まった。何でもかんでも年代で切って考えるのは良くないとは

もっとみる
角川『短歌』4月号にて(過去ログ)

角川『短歌』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の角川『短歌』4月号「歌壇掲示板」「イベント報告」に「『キマイラ文語』を読む会」について掲載いただきました。感謝です!皆様ぜひお読み下さい。この会でパネリストの発言のみならず会場発言からも多くの示唆をいただきました。それについても論としてまとめたいです。

2024.3.25. Twitterより編集再掲

図書館での掲示

図書館での掲示

 職場の図書館に掲示してもらっている今週の一首。8年間勤めた職場を去ることになり、これが最終回かと思えば何と!「メールで送ってほしい」と言っていただきました。新しい職場と合わせて、新年度からは2校に掲示されます。

2024.3.22. Twitterより編集再掲

『短歌研究』4月号にて(過去ログ)

『短歌研究』4月号にて(過去ログ)

(過去ログ)現在発売中の『短歌研究』4月号にて後藤由紀恵『遠く呼ぶ声』の書評を書きました。ぜひお読み下さい。 また同4月号「短歌時評」にて川島結佳子様が『現代短歌』3月号の川本千栄のエッセイに触れて下さいました。川島様ありがとうございます!うれしいです。皆様ぜひお読み下さい。

2024.3.21. Twitterより編集再掲