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短歌同人誌、個人誌、他結社誌感想文

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短歌の同人誌、個人誌を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。出版社が出しているものや、他結社の結社誌も対象にしています。
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記事一覧

『COCOON』June2024

①手術終え祠みたいな私にちいさな菓子が運ばれてくる 小島なお 連作中に生殖に関わる語とそ…

川本千栄
5時間前

『未来』2024年6月号

嶋稟太郎「時評 モダリティを読む」 〈「モダリティ」は日本語だけでなく世界中の言語にも当…

川本千栄
3週間前
4

『白珠』2024年6月号

①安田純生「橋本の渡し・男山」〈香川景樹は、『桂園遺稿』によれば、享和元年一月二十九日に…

川本千栄
4週間前
1

『八雁』2024年5月号

「阿木津英評論集批評特集」 高良真実「ブームと波のなかばにあって」 〈(阿木津の評論集と)…

川本千栄
1か月前
4

『短歌人』2024年5月号

①「高瀬一志研究」 桑原憂太郎「「含羞」ある大人の〈私〉」 〈「含羞」ある「私」による、…

川本千栄
1か月前
5

『合歓』第104号 2024/4

①久々湊盈子「インタビュー 大松逹知さんに聞く」 久々湊〈大松さんの歌には作者がしっかり…

川本千栄
1か月前
3

『西瓜』第12号2024spring

①冬枯れの朝顔の蔓ほんとうの終わりとみればすこし触れたり 江戸雪 枯れた朝顔の蔓が景にも比喩にも取れる。本当に、疑う余地も無く終わった何かがあり、それが朝顔の蔓を見た時に連想された。主体は蔓に少し触れて、終わりを確認しているのだ。 ②撮ったことを覚えていない夜の写真それでも誰の夜かはわかる 鈴木晴香 撮った覚えの無い写真は、写真と記憶の不思議さを考えさせる。写真が自分の脳の一部を代替しているような感覚だ。これは誰々といた時の写真だ、と思い出すのだが、撮った瞬間の記憶は無いの

『未来』2024年4月号

嶋稟太郎「時評 区切れがわからない」  〈現代の区切れは定型ほど分かりやすいものではなく…

川本千栄
1か月前
7

『COCOON』March2004

①「清水美里 今読み返す一冊 池田貞子歌集『キ型の心臓』評」  〈何より驚いたのはこれら…

川本千栄
1か月前
9

『かりん』2024年3月号

川島結佳子「時評」  〈最早、ブームというものが広く大衆に影響を与えるという認識が過去の…

川本千栄
1か月前
6

『群馬県立土谷文明記念文学館 紀要 風 第26号2022年度』

①2023年3月発行の本誌を一年後の先日読んだ。当時の永田和宏の講演録を読むと、2022年時には…

川本千栄
2か月前
2

『かりん』2024年2月号

川島結佳子「時評」 〈結社に入ると得られるものは選者であると考える。(…)選者は歌の読者…

川本千栄
3か月前
4

『短歌』2023年12月号にて

 雲嶋聆様に「行雲雑記12 文語と口語」にて『キマイラ文語』を取り上げて論じていただきまし…

川本千栄
4か月前
5

『短歌人』2024年1月号

笹川諒「時評」 〈『遠い感』には友人たちとの楽しげな交感の歌が多い。しかしその一方で主体は、友人たちとの今の関係性はあくまで一時的なもので、(…)ライフステージを経るにつれて、少しずつ疎遠になっていくだろうことを痛烈に予期しているのだと思う。〉  郡司和斗『遠い感』について。友人関係という切り口で歌集を読み解いている。この切り口が私自身は持てていなかったので、読みの気づきになることが多くあった。 2024.1.16. Twitterより編集再掲