いぬのせなか座

いぬのせなか座は、表現と(私の)生のあいだの個人的な結びつき――アトリエ――を具体的に…

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いぬのせなか座は、表現と(私の)生のあいだの個人的な結びつき――アトリエ――を具体的に、あるいはひどく抽象的な素材として、考える。http://inunosenakaza.com

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    いぬのせなか座のhとなまけの文通です。奇数番はなまけ、偶数番はhで、たがいにあったこと、考えたことを書きます。週に2回の更新です。

  • 10日間で作文を上手にする方法 Day7-Day12

    多くの「文章術」が巷にあふれる昨今、なぜひとは文章を読み書くのか。 「読み書き能力」の現在に向けて何ができるのか。ありうる「10日間で作文を上手にする方法」とはどのようなものなのか。 歴史を振り返り、現状の制度やデータを確認し、徐々に明確になっていく方向性に自ら絶望しながら、それでも進んでいく議論は「テキスト品質評価指標」の作成へとたどり着く。10日間という日数を超えながら…… 2023年11月に刊行され話題をよんだ『10日間で作文を上手にする方法 Day1-Day6』、待望の続編。

  • 10日間で作文を上手にする方法 Day1-Day6

    多くの「文章術」が巷にあふれる昨今、なぜひとは文章を読み書くのか。「読み書き能力」の現在に向けて何ができるのか。『私的なものへの配慮No.3』が話題を読んだ著者による、新たな(そして決定的な)「文章術」への問い。

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    山本浩貴『新たな距離――言語表現を酷使する(ための)レイアウト』

    ☆いぬのせなか座STORES限定特典①特別小冊子著者の山本浩貴と、共同制作者のh(いぬのせなか座)による、今回の書物をめぐる対話小冊子を同梱します。(「読み、書き、デザインする――三部作をめぐる対話①『新たな距離』編」B6判型、20頁、15,000字)②著者サインご希望の方には、著者(山本浩貴)によるサインが可能です。【ご希望の旨、備考欄にてお知らせください。また、為書き(お名前)をご希望の方はあわせてその旨もご記載ください。】※厚みの関係で、レターパックプラスやゆうパックなど、対面受取でのお送りとなります。--------------私を書き留め、私を並べる。世界が組み換わる。次世代の俊英・山本浩貴(いぬのせなか座)の待望の初単著、三部作で刊行開始。小説、批評、詩歌、デザイン、美術、写真、映画、上演……多種多様なジャンルを行き来しながら言語表現の技術や意義を再定義し、「新しい制作」の、さらには「この私の生」の可能性を拓く、鮮烈な思考と実践と実験の書。本書『新たな距離──言語表現を酷使する(ための)レイアウト』は、三部作のうちの第一作目として編まれ、以後近々に続刊予定。初単著が三部作という前代未聞のデビューに刮目せよ。【推薦】距離を跨ぐたびにねじれる文の跳躍一つ一つが制作に変わる。制作は自己の生の物質的書き換えになる。山本浩貴の思考との出会いは人生を変える衝撃だ。──平倉圭(芸術学)--------------発行:フィルムアート社装釘・本文組版:山本浩貴+h(いぬのせなか座)発売日:2024年3月26日(火)定価:3,400円+税ISBN:978-4-8459-2326-7目次→https://www.filmart.co.jp/books/978-4-8459-2326-7/
    ¥3,740
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    古谷利裕『セザンヌの犬』(いぬのせなか座叢書7)

    [いぬのせなか座叢書7]https://inunosenakaza.com/book/20240617いくつものときとばしょが生きものや物たちのもとで折りたたまれてはひらかれだれもしらない思弁的な時空間がこの体のなかに降りてくる---------------------画家・評論家など多方面で活躍する著者が「自分のすべてがここに入っている」と語る、小説の新たな可能性を示す驚くべき初小説集。連続講座、展覧会の開催にあわせ、ついに刊行。『群像』『早稲田文学』『ことばと』などで発表された作品に、書き下ろしを加えた計7作品を収録。---------------------発行:いぬのせなか座発売日:2024年6月17日判型:111mm×163mm 304ページ造本:無線綴じ(PUR) カバーなし編集:山本浩貴(いぬのせなか座)装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h(いぬのせなか座)価格:1,980円(税込)ISBN:978-4-911308-07-3---------------------[著者]古谷利裕 Toshihiro Furuya1967年生まれ。画家、評論家。1993年東京造形大学卒業後、画家として2002年「VOCA展」(東京)、2004年「韓国国際アートフェア・日本現代美術特別展」(ソウル)、2008年「組立」(埼玉)、2011年「第9回アートプログラム青梅」(東京)、2015年「人体/動き/キャラクター」(東京)など、各所で活躍。評論家としても、美術・小説・映画・アニメなど特定のジャンルに限らない活動を展開。『世界へと滲み出す脳』(青土社、2008年)、『人はある日とつぜん小説家になる』(青土社、2009年)、『虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察』(勁草書房、2018年)など多数の著書が刊行されているほか、2010年~2019年には「東京新聞」美術評を、2020年には「文學界」新人小説月評を担当。1999年11月には、自身のホームページにて「偽日記」(https://furuyatoshihiro.hatenablog.com )を開始。以降「はてなブログ」への移転を挟みつつ24年以上にわたって連日更新されている同ページは、ひとりのアーティストの長期的な日記として、また日本の芸術・思想の特異なアーカイブとして、小説家・保坂和志をはじめ多くの人々から高く評価されている。近年は、「社会的チートの撲滅&死の恐怖からの非宗教的解放」をテーマとする集団「VECTION」(https://vection.world )の主要メンバーとしても活動。---------------------【関連企画】[古谷利裕 連続講座]「未だ充分に尽くされていない「近代絵画」の可能性について(おさらいとみらい)」https://inunosenakaza.com/modern-painting2024年1月から、ゲスト回含め全4回開催。アーカイブ販売中[古谷利裕 個展]2024年6月6日(木)~16日(日)、東京都内にて、約8年ぶりの個展を開催
    ¥1,980
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    山本浩貴『新たな距離――言語表現を酷使する(ための)レイアウト』

    ☆いぬのせなか座STORES限定特典①特別小冊子著者の山本浩貴と、共同制作者のh(いぬのせなか座)による、今回の書物をめぐる対話小冊子を同梱します。(「読み、書き、デザインする――三部作をめぐる対話①『新たな距離』編」B6判型、20頁、15,000字)②著者サインご希望の方には、著者(山本浩貴)によるサインが可能です。【ご希望の旨、備考欄にてお知らせください。また、為書き(お名前)をご希望の方はあわせてその旨もご記載ください。】※厚みの関係で、レターパックプラスやゆうパックなど、対面受取でのお送りとなります。--------------私を書き留め、私を並べる。世界が組み換わる。次世代の俊英・山本浩貴(いぬのせなか座)の待望の初単著、三部作で刊行開始。小説、批評、詩歌、デザイン、美術、写真、映画、上演……多種多様なジャンルを行き来しながら言語表現の技術や意義を再定義し、「新しい制作」の、さらには「この私の生」の可能性を拓く、鮮烈な思考と実践と実験の書。本書『新たな距離──言語表現を酷使する(ための)レイアウト』は、三部作のうちの第一作目として編まれ、以後近々に続刊予定。初単著が三部作という前代未聞のデビューに刮目せよ。【推薦】距離を跨ぐたびにねじれる文の跳躍一つ一つが制作に変わる。制作は自己の生の物質的書き換えになる。山本浩貴の思考との出会いは人生を変える衝撃だ。──平倉圭(芸術学)--------------発行:フィルムアート社装釘・本文組版:山本浩貴+h(いぬのせなか座)発売日:2024年3月26日(火)定価:3,400円+税ISBN:978-4-8459-2326-7目次→https://www.filmart.co.jp/books/978-4-8459-2326-7/
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    古谷利裕『セザンヌの犬』(いぬのせなか座叢書7)

    [いぬのせなか座叢書7]https://inunosenakaza.com/book/20240617いくつものときとばしょが生きものや物たちのもとで折りたたまれてはひらかれだれもしらない思弁的な時空間がこの体のなかに降りてくる---------------------画家・評論家など多方面で活躍する著者が「自分のすべてがここに入っている」と語る、小説の新たな可能性を示す驚くべき初小説集。連続講座、展覧会の開催にあわせ、ついに刊行。『群像』『早稲田文学』『ことばと』などで発表された作品に、書き下ろしを加えた計7作品を収録。---------------------発行:いぬのせなか座発売日:2024年6月17日判型:111mm×163mm 304ページ造本:無線綴じ(PUR) カバーなし編集:山本浩貴(いぬのせなか座)装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h(いぬのせなか座)価格:1,980円(税込)ISBN:978-4-911308-07-3---------------------[著者]古谷利裕 Toshihiro Furuya1967年生まれ。画家、評論家。1993年東京造形大学卒業後、画家として2002年「VOCA展」(東京)、2004年「韓国国際アートフェア・日本現代美術特別展」(ソウル)、2008年「組立」(埼玉)、2011年「第9回アートプログラム青梅」(東京)、2015年「人体/動き/キャラクター」(東京)など、各所で活躍。評論家としても、美術・小説・映画・アニメなど特定のジャンルに限らない活動を展開。『世界へと滲み出す脳』(青土社、2008年)、『人はある日とつぜん小説家になる』(青土社、2009年)、『虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察』(勁草書房、2018年)など多数の著書が刊行されているほか、2010年~2019年には「東京新聞」美術評を、2020年には「文學界」新人小説月評を担当。1999年11月には、自身のホームページにて「偽日記」(https://furuyatoshihiro.hatenablog.com )を開始。以降「はてなブログ」への移転を挟みつつ24年以上にわたって連日更新されている同ページは、ひとりのアーティストの長期的な日記として、また日本の芸術・思想の特異なアーカイブとして、小説家・保坂和志をはじめ多くの人々から高く評価されている。近年は、「社会的チートの撲滅&死の恐怖からの非宗教的解放」をテーマとする集団「VECTION」(https://vection.world )の主要メンバーとしても活動。---------------------【関連企画】[古谷利裕 連続講座]「未だ充分に尽くされていない「近代絵画」の可能性について(おさらいとみらい)」https://inunosenakaza.com/modern-painting2024年1月から、ゲスト回含め全4回開催。アーカイブ販売中[古谷利裕 個展]2024年6月6日(木)~16日(日)、東京都内にて、約8年ぶりの個展を開催
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    鈴木一平『教育装置のある生活――新しい生活(表現)様式としての「日記」』

    新型コロナウイルス感染症拡大とともに盛んに書かれるようになった「日記」。コロナ禍において人々が感染拡大防止のためにみずからの生活を律し、他者の生活を注意深く監視するなかで、それと並行して(歴史上、教育・監視装置としての側面を持ってきた)「日記」という表現ジャンルが多くの人々によって書かれたということには、はたしてどのような意味があったのか。そしてその後、現在に至るまで続く「日記」ブームとは、言語表現にとって可能性なのか、それとも危うさなのか。自らの第一詩集『灰と家』(エルスール財団新人賞)に、詩の形式の一種として「日記」を収録して以降、様々なかたちで「日記」を論じ制作してきた詩人・鈴木一平による、日記論+日記集成。---------------------目次はじめに新しい生活(表現)様式としての「日記」無症候性の形象――新型コロナウイルス感染症をめぐる言語表現の受動性について言語表現としての「折々のことば」空気の日記---------------------著者鈴木一平(すずき・いっぺい)一九九一年生まれ。宮城県出身。「いぬのせなか座」「Aa」参加。二〇一六年に詩集『灰と家』(いぬのせなか座)を刊行、同書で第6回エルスール財団新人賞受賞、第35回現代詩花椿賞最終候補。主な論考に「詩の媒体についての覚え書―複数の主語的統合が織りなす制作的空間」(『ÉKRITS』二〇一九年五月)、「詩と実在と感覚―言語表現におけるオブジェクトの制作過程」(『三田文學』二〇一九年冬季号)など。「現代詩アンソロジー 認識の積み木」(『美術手帖』二〇一八年三月号)の編集・解説を担当。現在、第二詩集を準備中。---------------------A5判型・76ページ発行:いぬのせなか座編集・装画:山本浩貴(いぬのせなか座)装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h(いぬのせなか座)発行日:2024年5月19日
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2024.6.25 こないだはいけなくてごめん。緊急の呼び出しがかかっちゃって、どうしても他のひとに変わってもらえなくて。それで、ひさびさに出社したんだけど、とりあえず会社に着いたはいいものの、結局じぶんがやることはとくになくて、別のチームのひとがやる作業の完了連絡を待つだけの仕事だった。こんなんだったらわざわざ来なくてもよかったじゃんとおもったけど、来ちゃったからには待たなくちゃいけなくて、待っているあいだひまだったから、受けなきゃいけないe-Learningの研修の映像を

    • 保坂和志さんとのトーク開催/『新たな距離』から3篇を期間限定公開

      イベントのお知らせです。 いぬのせなか座主宰の山本浩貴による単著『新たな距離――言語表現を酷使する(ための)レイアウト』が先日刊行されましたが、その関連トークイベントが6/23(日)に東京・巣鴨にて開催されます。オンラインでの配信やアーカイブ動画もセットとなっています。 対談相手は、『新たな距離』でもいぬのせなか座の背景のひとつとして論じさせていただいた、保坂和志さんです。 当日は、表現と生の関係、表現・創作・制作のための土壌・環境とは何か(近年山本が論じている〈アトリ

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        飲んでばかりの友人に会った。たのしかった? こちらにはだれもいないから、だれとも会えない。買い物にでかけても、なにもないから買えない。くだらない仕事ばかり、時間がただ過ぎていって、そこにもなにもないらしい。仕事のあとではなくて、前に会いましょうか。7時はどう? はやくない? はやくない?と言った。7時でよいと思って、行ったらだれもいなかった。コーヒーを飲んで、ずっと待っていた。その日じゅう、だれもこなかった。5杯のコーヒー。牛乳も入っている。待っているのだから、仕事にはいかな

        • [Day12]あなたの文章をより良くする4つの考え方

          (Day11はこちら) 4次元をからだで覚えるよかった、生きてるね。さて、かつての僕(以下「旧世代」といい、ややつよめに否定していきます)は、「作文」を「上手に」書くための「ものさし」が4つの合成指標で表現できると考えた。旧世代は未定義で放り出したけど、本来はこう書くべきだった(表4)。

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        • 10日間で作文を上手にする方法 Day7-Day12
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        • 10日間で作文を上手にする方法 Day1-Day6
          6本
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        • 第3回「10日間で作文を上手にスル方法」
          33本
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        • 現代短歌のテキストマイニング―𠮷田恭大『光と私語』を題材に
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        • 第2回「主観性の蠢きとその宿」
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          [Day11]現代の文化批評は千年後も使えるか

          (Day10はこちら) 多くの記憶に働きかける言葉の「重み」はなぜ生じるのか。この問いに答えるのは難しくない。その言葉に関わるものが増えるほど、その言葉は重く=上手になる。 ひとが言葉に「重み」を感じるメカニズムはよく分かっていないけど、2010年代に脳科学者たちは「記憶痕跡」が物理的な実体であると明らかにした。実験用マウス(遺伝子組換済み)が光を浴びると電気ショックの恐怖を思い出すように育てておき、その脳内を観察したところ、外界からの刺激(光)によって一部の神経細胞群(

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          [Day11]現代の文化批評は千年後も使えるか

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          [Day10]じぶんにぴったりな言葉はなぜ「重い」のか

          (Day9はこちら) ざっくりした日本語の歴史思い出してみると、ことばの歴史はひとの集団の歩みとともに広まり――文字通りの徒歩旅行だった――、約1万5000年ほど前にアジア大陸へ辿りついた。遠い未来に「やまとことば」と呼ばれる言葉の源流は、北はサハリン(ツングース祖語・極北祖語)、南は台湾・琉球諸島(オーストロネシア祖語)からこの島国へ伝わったとされる。

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          [Day10]じぶんにぴったりな言葉はなぜ「重い」のか

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          [Day9]作文練習法の基本要件

          (Day8はこちら) コンセプトこれまでのあらすじ。僕たちは「10日間で作文を上手にする方法」を知りたい。その「方法」は普遍の物語原則から成り立つかもしれない。想定プレイ時間は60時間。文庫本5冊くらいの分量(60-90万字)を読み、あとの時間は書くことにする。推奨要件は、a.快適で、b.確実で、c.すぐ効く、d.稀少な、e.教訓が得られること。a-1.やさしくて、a-2.たのしくて、a-3.ぴったりで、b-1.わかりやすくて、b-2.正しくて、c-1.すぐに、c-2.次々

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          [Day9]作文練習法の基本要件

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          [Day8]疲れきった日本語教育の需給ギャップ

          (Day7はこちら) 日本語は10日間で身につかない僕は本当に「10日間で作文を上手にする方法」を、「そのひとたちに読んでほしい5冊」を、過不足ないテキスト・レッスン・ガイド・リファレンスを選べるだろうか。あと3日で? どうも疑わしい。というか、この問題設定そのものがまちがいな気もする。僕の主張に反論を加えよう。なるべく、手厳しく。

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          [Day8]疲れきった日本語教育の需給ギャップ

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          [Day7]バカにされない「書き方」の勉強法を?

          (Day6はこちら) 文庫本「5冊」で何がわかる?昨日まで僕たちはこう考えていた。基本無料の「文章術」が書かれては消えるインターネットで、低品質なテキストが低賃金で量産された時代は終わるだろうか。大手IT企業がSNSの安全対策と生成AIの開発競争に注力する前から、リテラシー(読み書き能力)の向上は国際課題でもあった。 サービス産業化と高齢化が進むこの国では、少なくとも約2,700万人が「書く仕事」に就き、約3,000万人がもう/まだ「書けないひと」かもしれない。「若者の読

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          [Day7]バカにされない「書き方」の勉強法を?

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          だいぶ、日本はあたたかくなってきたよ。もうあつい。花はとっくに咲き終わって、ただの木になっている。ビールだよ。酒がのめないから、いつもアルコールフリーのビールをのんでいる。あたらしい家で一緒に住むともだちに、これおいしくね?といってアルコールのないビールを渡した。まじい、っていっているけど。それでもなぜかいつのまにか全部飲み干している。いちいちひっかかってくるなよ。ひっかかりたいくらいがちょうどいいんだ。みんな意味のわからない話ばかりしていたから、鳥でも見るかと思った。もう真

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          2024.4.6 こっちに越してきてからずっといきたいとおもっていた公園に桜を見にいった。向こうに住んでるときに美術館でご飯を食べるひとの気持ちがわかったので、公園のなかにある美術館のカフェでビールと軽食を買おうとしたらビールはテイクアウトできないと言われた。理由は聞かなかったのでわからないが、わからない理由を言われてもおたがいに困るのであきらめて外の売店に並んでビールを買った。来週またあらためて花見をする。 2024.4.13 毎度あたりまえに延長することでおなじみのトー

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          1週間後はもうありませんよ。だからないんですって。はいはい。ああそうですか。そう言われましてもね。ビール? 急ですね。まあありますけど。でも1週間後というものは存在しないんです。ありがとうございます。このカップにいれてください。これですか? しんだ兄の棺にはいっていたものです。埋めてしまう前にこっそり取り出したんです。そういうわけですから、もうこないでください。まだわかりませんか。気を抜くと、なにもわからなくなる。一度わからなくなると、もういちどわかるのは気を抜くよりもずっと

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          2024.3.26 そう、それで絵の話。わたしはあの金継ぎされたティーカップを見たことがある。風がつよくて、あたたかいにおいのする日だった。カーブートに出かけた帰りにコーヒーが飲みたくてカフェを探して歩いていた。カーブートの会場は駅から15分くらい歩く公園のなかでやっていて、まわりにはなにもなくて、駅の近くまで戻れば来るときに見たお店がいくつかあるはずだったからそれをあてにして歩いていた。しばらく歩いていると行きには気づかなかったスーパーマーケットの看板が見えて、この際あそこ

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          ひさしぶり。げんきらしいじゃない。ほっとしている。このあいだはけんかになってしまったね。額は持って帰ったほうがよかったかもしれない。けっきょくものすごくよる遅くなったから。それでなんの話でしたっけ。いや、まあどちらでも、どうでもいい話です。そうでしたか。別の街へいったら、めずらしい目でみられている。じぶんの肌の色はボーダー上で、あともうすこし濃い色ならばまいにち警察に止められてばかりになる。コーヒーがのみたいならば、お湯が必要ですからね。それからお湯が必要なら、火が必要です。

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          2024.3.11 3日後に絵が送られてきた。雨が降っている。雨は植木鉢の花にむかって降っているが、その花は枯れている。枯れた花の植木鉢は割れていて、根が見えている。割れたところから土がこぼれていて、落ちた先でちいさな山をかたちづくっている。その山の上に透明なガラスのろうとが重ねられている。ろうとの注ぎ口から雨とは違う色の液体が滴っていて、その液体は金継ぎされたコーヒーカップに注いでいる。たろうくんはその絵をすごく気に入って、おみやげで買った木製の額縁に入れてロンドンの家に飾

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          角にはへんに大きな花がおいてある。鉢が割れていて、根が見えている。雨が降っている。すこしずつ土が外へ出ていく。わたしがしんだとき、母がここに鉢を持ってきた。まいにち花を置きたかった。近所のおんなが しにこしつしている といっているのをきいたからやめた。だれかがそこにのみものをおいた。石をおいた。花をおいた。チョコレートをおいた。だれかが鉢をおいた。ありがとうございます、あなたのおかげです。角はいつもにぎやかそうになる。小銭をわたしはおいた。眠っているとしろいおとこがきた。眠っ